「コブラ」手塚が称賛したデジタル漫画の先駆け 寺沢武一展が開催中


また、「BLACK KNIGHT バット」、「鴉天狗カブト」、「ゴクウ」、「武 TAKERU」、「GUNDRAGON」など様々な作品を生み出しながら、代表作とも言える「コブラ」の執筆も定期的に続け、2019年には「COBRA OVER THE RAINBOW」の連載を開始。長き生涯にわたり、熱意と意欲を持って漫画執筆を続けた作家でした。


Amazonで寺沢武一のCOBRA vol.1 COBRA THE SPACE PIRATE ..

マンガ家の寺沢武一さんが9月8日に死去した。68歳という享年から逆算して、『コブラ』を描いて漫画界に登場してきたのが22、3歳といった若さだったと知り、その卓越した画才ぶりに改めて頭を垂れるしかない。寺沢武一の何がそれほどまでに凄かったのか。その凄さがエンターテインメントの世界にどれだけの貢献をもたらしたのか。

『コブラ』が2008年に改めてアニメ化されたタイミングで、寺沢武一さんにインタビューしたことがあった。記事も当時のメモも手元にないため、細かなニュアンスは記憶に頼るが、寺沢さんの漫画にはやはりアメコミの影響があるのかと尋ねた時、そうではないといった返答があったように覚えている。自分が影響を受けたのはBD(バンドデシネ)だ。確かそう話してくれた。

[1-3話]スペースコブラ(1982) 寺沢武一の大人気コミック ..

筆者もいちファンとして、各作品……特に「コブラ」を愛読し、のめり込んできた読者のひとりです。脳腫瘍といった大病で筆を置く時期もありましたが、そのたびに寺沢氏は必ず舞い戻り、素晴らしい作品を提供し続けてくれました。

ですが今回の報は、寺沢氏の戻らぬ旅立ちとなり、ファンたちが悲しく見送る形となってしまいました。筆者もまた、胸にぽっかりと空いた穴を苦しく見つめるばかりです。

「コブラ」寺沢武一の企画展が明日から、師匠・手塚治虫の記念館で

寺沢氏の漫画家歴は長く、1978年には「コブラ」で初連載を獲得。「週刊少年ジャンプ」でも掲載が1984年まで続き、以降も「スーパージャンプ」など複数の媒体で「コブラ」を描き続けました。

1977年に読み切りで掲載された後、1978年に「週刊少年ジャンプ」で『コブラ』の連載が始まった時、誰もがそのスタイリッシュな作風に衝撃を受けた。マッチョな男性キャラクターやグラマラスな女性キャラクターが高い等身で描かれていて、ポージングもグラビアから抜け出してきたようにいちいちカッコ良い。そうしたビジュアルから、『バットマン』や『スパイダーマン』といったアメコミを思い浮かべる人が多かった。

ブイチギルド 【寺沢武一作品公式】 (@BuichiGuild) / X

どれだけ嘆いても、時は戻りません。そして、作者が去った後でも、作品は残り続けます。個人として失ったものの大きさを痛感していますが、ひとりのライターとしてすべきことは、寺沢氏の名作とその足跡をこれからも伝えること。その想いから、寺沢氏の代表作である「コブラ」の魅力や特徴などを、今回改めて紹介します。

実際は、フランスのジャン・ジロー(メビウス)をはじめとしたBD作家を好んで良く読んでいたようで、1974年創刊の『メタル・ユルラン』(米題『ヘビーメタル』)などに掲載されるような、肉体美を兼ね備えたイラストに近い雰囲気が、寺沢武一の作風には漂っているように感じられる。あるいはフランク・フラゼッタやボリス・ヴァレホといったアメリカのイラストレーターが描く、ファンタジー作品のイラスト表現に通じるところもある。


寺沢武一の『COBRA』完全新作も連載開始! オトナの男のための新WEBコミック誌「COMIC Hu」11月19日ついに創刊!

漫画「コブラ」の連載は、1978年に「週刊少年ジャンプ」で始まりました。当時の週刊少年ジャンプは、「キン肉マン」や「ドーベルマン刑事」などの人気漫画が活躍。また後続で「Dr.スランプ」「キャプテン翼」「キャッツ・アイ」なども登場し、大きな盛り上がりを見せます。

SPACE ADVENTURE COBRAの作品一覧|寺沢武一

名作「コブラ」を通して、寺沢武一氏の素晴らしい手腕を振り返ります。

かっこよ 不死身の英雄コブラ兄弟 が寺沢武一公認かるた ..

バトル漫画の多くは、正義や倫理を重んじて、悪側の敵と戦う作品がほとんど。そんな時代の中、漫画「コブラ」は宇宙海賊を主人公に据え、法律を歯牙にもかけないアウトローを描くSFアドベンチャーとして発進しました。

COBRA 1巻|無料漫画(マンガ)ならコミックシーモア|寺沢武一

そうした表現方法に、フランス人俳優のジャン・ポール・ベルモンドが主演した映画のような洒脱さやハードボイルドさをセリフ回しやストーリーに取り入れ、SFとしてのアイデアを惜しみなく注ぎ込んで作り上げた作品が『コブラ』だったとしたら、20歳過ぎの青年がそこまで広いアンテナを持ち、多彩な表現に触れて自分なりに吸収し、オリジナルの作品を生み出したことに驚嘆せざるを得ない。漫画を通してそれらの表現に触れた子供の読者はなおのこと、初めての体験として多大な影響を受けただろう。

寺沢武一さん死去 「コブラ」憧れカズレーザーはQさまVでSNS複雑「両方ともトレンドに」 ..

そうした影響が、後に北条司の『シティーハンター』のようなおどけているようで本当は強いキャラクターを主人公にした作品を生み、荒木飛呂彦の『ジョジョの奇妙な冒険』のような圧倒的な画力と洒脱な会話で読者を引っ張っていく作品を生んだとしたら、寺沢武一の影響は漫画界にとって計り知れない。

SFハードボイルドマンガ『コブラ』の連載開始45周年を記念し、原作者・寺沢武一の正式な監修を受けた複製版画が登場。

そんな師について、寺沢さんは「いまだに、どの一編も手塚作品に勝つことができない」「ブラック・ジャックを超えられる物語を作れたら引退してもいい」と話していたという。

寺沢武一 原画展 ART of コブラとか。 □作者プロフィール

本作の主人公は、作品名と同名のコブラ。フルネームは不明で、本名なのか偽名なのかも分かりません。左腕に銃(サイコガン)を仕込み、見事なプロポーションを持つ相棒「アーマロイド・レディ」と共に、宇宙船「タートル号」を駆り様々なお宝を華麗に奪います。

『コブラ』寺沢武一氏のSNSに不適切画像 プロダクションが謝罪

そうした漫画におけるSF的なアイデアの見せ方でも、当時の少年漫画にあって寺沢武一は大きく抜け出していたところがあった。少女漫画ではその頃、竹宮恵子が『地球へ…』、萩尾望都が『スター・レッド』を連載していたが、そうした作品とはまた違ったSF冒険活劇の登場を、喜んだSF好きも結構いたのではないだろうか。

兵庫県宝塚市の手塚治虫記念館で、宇宙海賊の活躍を描いた「コブラ」で知られる漫画家寺沢武一さんの企画展が開催中。2025年2月19日まで。

手塚さんは、コブラ単行本第1巻のあとがきで、コブラのアメコミスタイルについて「たいへん結構である。将来、海外のコミック誌にも進出できるのでは」と期待した。一方で「ただし、SFはアイデアがありきたりになりがちだから、主人公の性格描写をうんとユニークにしてもらいたいと思う」とアドバイスした。

SF漫画の金字塔『コブラ』や『ゴクウ』などのヒット作で知られる漫画家・寺沢武一さんが8日、心筋梗塞のため亡くなったことが伝えられた。

よく見りゃ表紙のデザインもよく似ている。
こっちの方が、後ろがコブラと分かりにくいのが問題。
ラグビーと野球と言いつつ、実はお茶の時間を
含むクリケットみたいとも感じた。
お茶の時間の話題には剣呑な話が取り上げられるのだけど。
お好みで。

御冥福を祈ります · やっぱり、コブラはいいなあ · 是非ともCGが上手な… · いろいろなシーンでコ… · 寺沢先生の作品はみな…

こうした性格の主人公は、特に当時の少年漫画ではかなり珍しい部類でした。しかもコブラの場合、容姿との兼ね合いもまた特徴的です。こうしたキャラクターの場合、二枚目やイケメンでもおかしくありませんが、コブラの見た目だけを語るならばずばり「三枚目」。たれ目で団子鼻という見た目は愛嬌こそ感じますが、ハンサムとは言い難い容姿です。

「コブラ」などを手掛けた漫画家の寺沢武一氏が心筋梗塞のため9月8日に死去 ..

特に連載第一話目のコブラは、自ら記憶を消して社会に埋没しているため、うだつの上がらないサラリーマンに他なりません。

COBRA the illumination 寺沢武一 コブラ40周年記念展図録

今回は、昨年68歳でなくなった寺沢さんの代表作の原画など約100点を展示。まだパソコンでは8色しか使えなかった85年から、デジタルマンガに取り組んできた先駆者の一面も紹介する。

「COBRA ザ・サイコガン 前編」寺沢武一 [コミックス(その他)]

少年漫画の主人公、しかも宇宙海賊。そこに、三枚目なビジュアルの組み合わせは“奇妙”にも思えます。しかし作品を読んだ後は、その印象が一変。味のある表情との組み合わせがこの上なく格好良く、“絶妙”だったのだと驚かされます。

コミック「COBRA ザ・サイコガン 前編」寺沢武一のあらすじ、最新情報をKADOKAWA公式サイトより。

これは2023年9月8日に死去したを偲ぶとともに、作品から「Peace&Love」を感じてもらうために企画された展覧会。会場内には代表作である「コブラ」を中心に「鴉天狗カブト」「ゴクウ」の原画、直筆のラフ、カラーイラストなどの資料が60点以上並んだ。モノクロの原稿は墨の濃淡や修正液を用いての表現をじっくりと観察することができ、寺沢らしい鮮やかな色彩で描かれた迫力あるカラーイラストも間近で堪能できる。

銀座で漫画家・寺沢武一さん原画展 「コブラ」などの直筆原画40点

の企画展「デジタルマンガの先駆者 寺沢武一展 ~元・のアシスタント~」が、11月1日から2025年2月19日まで兵庫・記念館で開催される。