クラリス | 配合変化 | IF | 医療関係者向け情報 | 大正製薬株式会社
コルヒチンとクラリス(クラリスロマイシン)で、コルヒチンの血中濃度上昇の可能性があり、併用注意。
ビオフェルミンとクラリスで、ビオフェルミンの効果減弱の可能性があり、耐性乳酸菌製剤を考慮する。
ビオフェルミン錠剤は腸内での定着性にすぐれたビフィズス菌(Bifidobacterium bifidum G9-1)
「抗生剤をのむと下痢する」ことは、知ってる人も多いと思います。抗生剤が効き、腸内細菌の一部が死に、下痢をするのです。整腸剤を合わせて処方されるのですが、有名な整腸剤「ビオフェルミン」はビフィズス菌ですし、当院採用の「ミヤBM」は宮入菌。死んだ細菌を補充し、「腸を整えている」のです。
基本的には適応以外の抗生物質と併用されている場合は疑義照会し、ビオフェルミンやミヤBMなどの整腸剤に変更してもらうのが無難かと考えられます。
[PDF] クラリスロマイシン DS 小児用 10%「タカタ」配合変化表 固形状態
多くの整腸剤は基本的に腸内細菌のはたらきを利用して腸内環境を整える薬です。含まれる菌の種類によっても特徴は異なりますが、ミヤBMに含まれる酪酸菌の特徴は芽胞(がほう)という強い膜に覆われていることです。そのため胃液や胆汁酸や消化酵素などの影響を受けにくく、生きた状態で腸に到達して整腸作用を発揮します。また、芽胞があることによって抗生物質の影響も受けにくいです。多くの整腸剤は抗生物質によって死滅してしまうため抗生剤とは同時に服用できませんが、酪酸菌は併用可能です。もちろん抗生物質の副作用で生じた下痢に対する治療薬としても使用することができます。
ミヤBM錠とビオフェルミン錠剤・ビオフェルミン配合散は異なる菌種が有効成分であるため、併用でより良い効果が期待できる場合もあります。実際、乳酸菌と酪酸菌の流動混合培養では、酪酸菌単独の場合に比べて菌数が11.7倍に増加することが報告されています。また、重症型薬疹や薬剤性過敏症症候群、bacterial translocationによる敗血症などの重症疾患において、乳酸菌・酪酸菌・糖化菌の合剤による治療が有効であったとの報告もあります。