本邦でICS単剤・マクロライド系抗菌薬はCOPDに保険適用ではなく、クラリスロマイシンが好中球性炎症性気道疾患
CQ01 安定期COPDに対するLABA使用下のSAMAの併用を推奨するか?
CQ02 安定期COPDに対して、LAMAによる治療を推奨するか?
CQ03 安定期COPDに対して、LAMAとLABAのいずれを推奨するか?
CQ04 呼吸困難や運動耐容能低下を呈する安定期COPDに対して、LAMA+LABAとLABAあるいはLAMAのいずれを推奨するか?
CQ05 安定期COPDに対して、LABA+ICSとLAMA+LABAのいずれを推奨するか?
CQ06 LAMA+LABAでコントロール不良のCOPD に対して、LAMA+LABA にICS の追加を推奨するか?
CQ07 LABDs加療中の安定期COPDに対して、テオフィリンの追加治療を推奨するか?
CQ08 安定期COPDに対して、喀痰調整薬を推奨するか?
CQ09 好酸球の増加している安定期COPDに対して、生物学的製剤を推奨するか?
CQ10 安定期COPDに対して、禁煙を推奨するか?
CQ11 安定期COPDに対して、肺炎球菌ワクチンを推奨するか?
CQ12 安定期COPDに対して、運動療法を含む呼吸リハビリテーションプログラムを推奨するか?
CQ13 安定期COPDに対して、栄養補給療法を推奨するか?
CQ14 低酸素血症を伴う安定期COPDに対して、酸素療法を推奨するか?
CQ15 高二酸化炭素血症を伴う安定期COPD患者に対するNPPVは有効か?
DIクイズ3:(A)COPDへのマクロライド少量長期療法:日経DI
1.増悪の定義・診断・原因
a.定 義
b.病 態
c.診 断
d.原 因
2.増悪の重症度判定・入院の適応
a.増悪の重症度判定
b.増悪時に必要な検査
c.入院の適応
3.増悪期の薬物療法(気道分泌への対応を含む)
a.気管支拡張薬
b.グルココルチコイド
c.抗菌薬
d.その他の薬剤
e.気道分泌への対処
4.酸素療法
a.酸素療法の適応
b.酸素療法の目標
c.酸素療法のモニタリング
d.酸素療法の実際
e.酸素投与システム
5.換気補助療法
a.換気補助療法の選択と適応
b.NPPV
c.IPPV
6.増悪の予防
a.非薬物療法
b.薬物療法
慢性閉塞性肺疾患(COPD)の急性増悪は気道の細菌やウイルス感染による気道炎症、喀痰増加、気道平滑筋収縮などで惹起される。安定期管理薬として使用される長時間作用性抗コリン薬あるいは長時間作用性β2刺激薬には増悪予防作用がある。喘息合併例には吸入ステロイド薬が併用される。マクロライド系薬には安定期管理薬を使用している患者の増悪抑制作用が報告され、管理薬の併用でも増悪を予防できない症例ではマクロライド系薬の追加が考慮される。マクロライド系薬の使用に際して、耐性化や消化器症状などの副反応に対する注意が必要である。
COPD(慢性閉塞性肺疾患)を含む好中球性炎症性気道疾患にクラリスロマイシンの使用が認められる -重症COPD治療法の開発- ..
3.非薬物療法
a.呼吸リハビリテーション
b.身体活動性の向上と維持
c.セルフマネジメント教育
d.栄養管理
e.酸素療法
f.換気補助療法
g.外科・内視鏡療法
4.喘息合併COPDの管理
a.喘息を疑う場合と成人喘息の治療
b.喘息を合併する場合のCOPDの治療
5.全身併存症および肺合併症への対応
a.併存症の管理
b.肺合併症の管理
6.在宅管理
a.在宅医療の目的
b.在宅医療の対象者と提供者
c.在宅療養をサポートする社会的資源
d.在宅管理の効果
7.終末期COPDへの対応
a.終末期・最終末期の考え方
b.終末期のトータルペインと多職種連携チーム医療
c.Advance Care Planning
d.緩和ケアと呼吸リハビリテーションの導入
e.終末期COPDの呼吸困難への対処
8.災害時の対応
a.災害時の特徴
b.平常時からの対策
c.地域システムの整備
d.医療機器業者との連携
e.災害の遷延化
A.原因物質曝露からの回避
b.薬物療法
c.非薬物療法
1.ワクチン
a.インフルエンザワクチン
b.肺炎球菌ワクチン
c.インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンの併用
2.薬物療法
a.気管支拡張薬(SAMA およびSABA、LAMA、LABA、LAMA/LABA 配合薬、テオフィリン)
b.グルココルチコイド(配合薬を含む)
c.喀痰調整薬
d.マクロライド系抗菌薬
e.吸入指導
[PDF] JAID/JSC 感染症治療ガイドライン―呼吸器感染症
1.管理目標
2.管理計画
a.原因物質(危険因子)の特定とその回避
b.重症度の評価および治療計画
c.長期管理
3.気流閉塞の基準を満たさない場合
インフルエンザワクチンはCOPDの増悪頻度と死亡率を減少することがわかっています。具体的にはインフルエンザワクチンによって、インフルエンザやその関連肺炎による入院を30%減少させ、死亡率も50%減少させるというデータがあります。
また肺炎球菌ワクチンは23価莢膜多糖体型肺炎球菌ワクチン(PPSV23)と13価蛋白結合型肺炎球菌ワクチン(PCV13)の2種類があります。PPSV23は大規模な研究でCOPD患者さんの肺炎やCOPD増悪が抑えられることがわかっており、PCV13も65歳以上の肺炎球菌性肺炎を抑制することがわかっています。PPSV23は国の定めた定期接種に入っており、65歳以降の5年ごとに初回のみ定期接種のお知らせが来ていると思います。PPSV23は5年ごとに接種することが推奨されています。PCV13は任意接種になっていますが、PCV13とPPSV23の併用によってより強力に肺炎球菌を予防することができます。COPDの方はリスクが特に高いので、まずはPPSV23による定期接種をベースとして、PCV13も時期をみて接種するのが良いと考えられます。佐久市では66歳以上で定期接種の対象外の方の肺炎球菌ワクチンの助成がありますのでご活用ください。助成を希望される場合は先に申請を行ってから予約を行い接種するようにご注意ください。以下のリンクから佐久市の申請ページにジャンプできます。
高齢者や,COPD・陳旧性肺結核など肺に基礎疾患を有する患者の場合は ..
序
作成委員会
背景、目的と使用上の注意
本ガイドラインの作成方法と読み方
COPD(慢性閉塞肺疾患)診断と治療のためのガイドライン第6版出版にあたって
COI(利益相反)について
第6版 改訂のポイント
略語一覧
各国のCOPDガイドラインの特徴と比較
身障者援助、法律的側面
健康日本21とCOPD(認知度向上は進んでいるか)
新興感染症流行とCOPD
α1-アンチトリプシン欠乏症とα1-アンチトリプシン補充療法
1 つ目は 167 例の慢性呼吸器疾患を有する症例を対象とした RCT で,
禁煙は治療というよりは予防の意味合いのほうが強いかもしれません。ですが喫煙しなければCOPDになることは稀ですし、COPD患者さんも禁煙すると肺機能の低下を緩和し、急性増悪の頻度や死亡率を低下させることがわかっています。そのためすべてのCOPD患者さんにとって禁煙はとても大事です。受動喫煙(近くにいる人のタバコの煙を吸うこと)を避けることも大事です。当院の外来でも受診のたびに禁煙の確認をしていますが、禁煙はむずかしい方もいらっしゃいます。その要因はニコチン依存があるためです。依存には身体的依存と精神的依存があります。禁煙によりイライラするなどの苦痛となるような症状が出現することが身体的依存です。身体的依存は血中のニコチンの枯渇により起こりますが、完全に禁煙することにより数日で急速になくなります。また喫煙は一般的にストレス発散になると誤認されやすく、そのため精神的依存になりやすいです。精神的依存は非常に長く続くこともあります。喫煙はニコチンによりドパミンという物質が放出されるため、ストレス発散したような気になるだけで、あくまで誤った思い込みなのですが、それを解くのはむずかしく、繰り返し説明するほかありません。
そのほか非燃焼・加熱式タバコなどの新型タバコなどが近年増えてきていますが、日本呼吸器学会は、その使用を推奨していません。有害物質の総量としては従来のタバコよりも少ないかもしれませんが、ニコチン、タールは含まれておりますし、その他従来のタバコにはない成分が含まれています。新型タバコ喫煙者のデータも乏しいことから今後様々な呼吸器疾患のリスクになることも考えられます。煙は出なくても、喫煙者の吐く息には有害物質が含まれており受動喫煙もあります。健康のためには、やはり新型タバコに変更するのではなく完全な禁煙が望ましいです。
日本呼吸器学会 成人肺炎診療ガイドライン2017作成委員会 編集, 成人肺炎 ..
とされています。そのためには「禁煙」、「薬物療法」、「運動習慣」、「ワクチン接種」が重要です。
*2:非定型肺炎が疑われる場合:クラリスロマイシン、アジスロマイシン.
COPDの薬物治療で大事なのは吸入薬です。中でも治療の主役は長時間作用性抗コリン薬(LAMA)と長時間作用性β2刺激薬(LABA)で、必要な症例には吸入ステロイド(ICS)が使用されます。たくさんの吸入薬を吸うのは大変なので、治療には複数の薬剤が入ったデバイス(吸入薬を吸うための容器)を使用します。主な組み合わせはLABA/LAMA、ICS/LABA/LAMAであることがほとんどです。
LAMAとLABAは気管支拡張剤といって、気管支を拡げる薬です。COPDは気管支がつぶれやすく、虚脱してしまう病気ですので、気管支を拡げることで息切れなどの症状を緩和することができます。またLAMAは気道の粘膜の腺組織からの分泌物を抑え「痰」を少なくし、LABAは気道の上皮の線毛の動きを強くすることで「痰」を外に出しやすくする作用があります。さらにLAMA/LABAを併用することでお互いの作用に好影響を与えることが知られており、上記の気管支拡張作用、「痰」を改善させる作用が増強されることがわかっています。当院でも一定の症状があるような患者さんはLAMA/LABAで治療を開始しています。
吸入ステロイド(ICS)は気道の炎症を抑える吸入薬です。特に気管支喘息では重要な薬剤ですが、COPDはあくまで補助的に使用します。重症のCOPDではICSが肺炎のリスクになる可能性があるからです。ICSがCOPDで必要なのは気管支喘息の合併が考えられるときです。またCOPD急性増悪のように発作的な呼吸状態の悪化があった方も使用されます。COPDの方へのICSの使用は注意が必要ですが、気管支喘息の合併が疑われるときはむしろ使わなければなりません。気管支喘息の治療の項でも記載したのですが、気管支喘息にICSを使用しないでLABAを使用すると、LABAだけでなく気管支喘息発作の時に使用する短時間作用性β2刺激薬(SABA)も効きづらくなってしまい、気管支喘息発作の際に命にかかわることがあるためです。