レクサプロ錠10mg(一般名:エスシタロプラムシュウ酸塩錠) ..
強迫症(強迫性障害、OCD)は強迫観念と強迫儀式(行為)によって特徴づけられる。強迫観念とは反復的かつ持続的で,患者自身の意思に反して侵入的に生じる思考や衝動,イメージである。強迫観念を軽減/回避するために,患者が行わざるを得ないと感じる反復的行動や心の中の儀式が強迫儀式である。従来は不安症の一つとされていた。現在では、不安よりも嫌悪感や後悔感情、道徳感情と結びつくことが多いこと、抗不安薬が無効であること、認知行動療法(CBT)の一つ、曝露反応妨害法(ERP)が有効であることなどを理由に、醜形恐怖症やためこみ症、皮膚むしり症などと合わせて強迫関連症群としてまとめられるようになった。人口の2~3%がOCDに罹患する。うつ病との合併はよくある。統合失調症との合併は一般人口の場合と変わらない。チック障害の合併も多い。逆にチック障害の大半はOCDを合併する。
その中で薬物治療においては、エスシタロプラム(レクサプロ)が他 ..
強迫性障害の治療の中心は、薬物療法と精神療法の一つである行動療法です。以前はクロミプラミン(アナフラニール)という三環系抗うつ薬の治療が中心でしたが、口渇、便秘などの副作用のため継続困難なことが多いという問題がありました。現在は、副作用が少なく、クロミプラミンと同等の効果を有するSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬:デプロメール、ルボックス、パキシル、ジェイゾロフト、レクサプロ)による治療が中心です。副作用は、服用開始時の胃腸症状(吐気、胸やけ、下痢など)、眠気が主で、ほとんどの方が違和感なく服用できます。効果が現れるまで、4週~6週、最大効果までには8週~16週は見る必要があるので焦らず服用することが大切です。服薬中止による再発率は高いため、少なくとも1年以上は薬物療法を継続する必要があると考えます。
精神療法の中で、治療効果が最も高いと考えられているのが行動療法です。その代表的なものとして、曝露・反応妨害法があります。曝露とは、強迫観念を誘発する刺激に直面し体験することで、反応妨害とは、強迫観念によって引き起こされた不安や恐怖を打ち消すために行なう強迫行為(反応)を、言語的、身体的指示によって防ぐことです(妨害)。これは、引き起こされた不安や恐怖は時間ととも軽くなること利用したものです。強迫観念を誘発する刺激に長時間さらされることで不安は消失し、刺激になれるということを、患者様に実際に体験してもらい、強迫行為の必要性を低下させることを目的としています。具体的には、患者様に強迫観念を誘発する刺激を、誘発する程度の軽いものから段階的に体験していただき徐々になれてもらうというものです。また、曝露・反応妨害法は病院だけでは効果が不十分なので家庭でも毎日実施する必要があります。この治療法は薬物療法と同等の効果を有しており、患者様ご自身が治療者でもあるため効果はより持続的と考えられています。ただし、この治療には患者様の高いモチベーションと治療者との信頼関係が必要となります。当院では、患者様の回復を第一と考えて、森田療法、認知療法、行動療法の要素を自由に取り入れた精神療法を行なっています(および拙著「とらわれ」「適応障害」から自由になる本(さくら舎)、「いつもの不安」を解消するためのお守りノート(永岡書店)をご参照ください)。
一手目 家族に対する心理教育を行う。症状のセルフモニタリングを家族で行ってもらい、親が近くにいないときのほうが強迫行動が少ないことを親自身で気づくようにする。本人に対しては強迫観念を「詐欺師」のような本人に分かる言葉で喩えて、強迫観念に対して言い返したり、無視したりができるようにする。この時期のOCDの大半は成長や人間関係の広がりとともに他の強迫に変わったり、消えたりする。OCDは統合失調症発症のリスク因子ではないことを説明する。
二手目 レクサプロ®10mg1日1回、フルボキサミン50mg錠1日2~3回など。
[PDF] 強迫性障害Obsessive Compulsive Disorderについて
一手目 思春期以降に発症したものは成人後にも続くことが多い。心理教育では将来の維持治療の必要性を含めるようにする。この時期に十分なCBTが行えていれば、たとえ不登校の時期が1,2年あっても将来の大学進学や就労、結婚には支障がないことを説明し、本人の将来の目標が治療の動機づけになるようにする。セルフモニタリングによって観念が生じるきっかけと儀式が観念をかえって悪化させていることを本人自身で気づくようにする。勉強にも強迫が影響していることが多い。テストに対する解答の見直しを何度も繰り返す、教科書に書いてある内容をすべて理解しようとして読み直しを繰り返す、ラインマーカーで真っ赤にしてしまうなどがある。これらは勉強効率を落とし、成績低下につながる。勉強の仕方もCBTの対象である。
二手目 レクサプロ®10mg錠1から2錠、1日1回、フルボキサミン50mg錠1回2錠を1日2~3回など。
強迫性障害の症状は、不安を引き起こす強迫観念と不安を和らげる強迫行為によって構成されます。最も多い強迫観念は汚染に関するもので、他人の便、尿、唾液や細菌などで汚れ、その汚染が接触によって広がっていくという考え(汚染恐怖)が生じて不安となり、その不安を打ち消そうと繰り返し手を洗ったり、何時間も入浴したりします(洗浄強迫)。次に多いのが疑念に関する強迫観念で、戸締りや火の元が確実にできていないのではという考え(不完全強迫)が生じて不安となり、その不安を打ち消そうと繰り返し何度も戸締り、火の元を確認したりします(確認強迫)。3番目に多いのは、不謹慎な性的あるいは攻撃的行為についての考えや空想が繰り返し浮かぶというものです。表面的には強迫行為は見られないものの、実際は頭の中で何度もお祈りやおまじないをするなどの打ち消す操作を行なっていることが多いです。4番目は、対称性、順番などの正確さに関する強迫観念で、対称性、順番、数などにこだわり、並べ替えたり、やり直したりなどで時間を浪費するというものです。
残念ながら、OCD治療薬はOCDを”治せ”ません。薬の服用を止
強迫症/強迫性障害(OCD)の薬物療法で、第一選択肢としてされるのは、抗うつ薬(うつ病の薬)のうち、脳神経のに働きかけるSRI(セロトニン再取り込み阻害薬、SSRI、SNRIを含む)です。[10,11]
ただ、SRIの効果は、患者さん自身が、SRIの特徴を知っておいた方が、得やすいと考えられるので、紹介します。
また、薬物療法で用いられることがある抗精神病薬、抗不安薬の特徴についても、一般論を紹介します。
強迫性障害そのものが難治な病気ですが、抗うつ剤と暴露療法によるTMS治療を組み合わせることで、治療効果が認められた症例になります。
(OCD: Obsessive Compulsive Disorder)
SNRIは、神経伝達物質のうちセロトニンだけでなく、ノルアドレナリンにも働きかけます。
SNRIのうち、強迫性障害に効果があると、アメリカの文献[9]に書かれているのは、一般名:ベンラファキシン 商品名:イフェクサーです。
・SSRIの効果を感じられた人の割合は、報告によって差がありますが、40-70%の範囲です。
例:デプロメールの添付文書[2]に「強迫性障害患者における改善率は50.0%(37/74例)であった。(中等度改善以上)」と書かれています。
しかし、OCDお話会の参加者に質問した結果では、効果が見られなかった人の割合がそれよりも多いです。ただし、患者会では、治療がうまく行かない人が参加しやすい傾向はあります。
日本では、薬物療法で効果を感じられる人の割合が低めであるのは、それぞれのSRIの1日での最大使用量が、アメリカよりも低く抑えられていることが影響していることも考えられます。
さらに、海外ガイドライン 11), 12), 13)では、エスシタロプラムシュウ酸塩は他の SSRI または
ベンゾジアゼピン系:抗不安薬、睡眠薬、筋弛緩、てんかん薬としてよく用いられます。
脳内のベンゾジアゼピン受容体に結合することにより、GABA神経系の作用を間接的に強めます。
毎日、長期間、常用すると依存性が出て、服薬を中断すると離脱症状が現われてしまう場合があります。
主なベンゾジアゼピン系
レキソタン(神経症、うつ、心身症向け)、
ワイパックス(神経症、心身症向け)、
セパゾン(神経症、心身症、自律神経失調症)神経症の緊張やうつへの効果の他、強迫にも効果がある場合あるそうです。
セルシン、メイラックス、ソラナックス・・・