【動画】これがフルEV「マスタング・コブラジェット1400」の走りだ! · まるでジェット戦闘機!


英国のキットカーと一口に言っても、色々なバリエーションがある。大まかに分類すると次の三種に分けられるようだ。但し、二つ以上にまたがるキットカーも多いから、あまり良い分類では無い。 最初の『クラシックカー・レプリカ』は、絶版になってしまった車に似せようと言うもの。この代表が『コブラ・レプリカ』である。
次の『走り追求』は、文字通り走りのみを追求するタイプで、この代表が『セブン・タイプ』である。
最後の『デザイン追求』は、目立てば良いというもので、オリジナリティーとユニークさを競う。従って、各々が全く異なるデザインなんで、これ以上一緒にはできない。

キットカーの二大多数派が、この『コブラ・レプリカ』と『セブン・タイプ』である。 コブラのレプリカのキットカーは、数多くのキットカー・メーカーから販売されている。
このタイプは、とにかく、外見だけはそっくりにすることを目的とする。だから、色、形からエンブレム、ドアやトランクの取っ手やヒンジ、ガソリンタンクのフタの形状に至るまで、ディテールにこだわる。コブラに限らず、人気のあるクラシックカーのレプリカの為に、この種のアクセサリー(?)を作るショップも多い。だから、一見すると、本物と見分けの付かないコブラ・レプリカができあがる。
で、車の中身と言うと、大衆車やジャガーのランニング・ギアを、そのまま使ったものが多い。走りに関しては知れたものであろう。こんな車に、本当に289や427立方インチ(それぞれ4.7リッターと7リッター)のV8エンジンを付けてしまう奴も多い。ジャガーのランニング・ギアならともかく、1.6リッター級の大衆車(主にリジット・アクスル)に427のV8エンジンでは危なっかしい。オリジナルのコブラの走行性能なんて、全然関係ないのだ。
例外的に、本当にオリジナルコブラに、そっくりのシャーシを作り、できるだけサスペンションも似せようとしているキットカーもある。が、オリジナルのコブラ289は、リーフスプリングのダブルウイッシュボーンなんて変なサスペンションなので、下手に真似ない方が良い。
また、オリジナルのコブラとは別に本気で走りを追求したシャーシを使っているキットカーもある。これは外観だけをコブラに借りた、一種の『走り追求』型のキットカーなので、ここで扱っている『コブラ・レプリカ』とは、また違ったものかもしれない。

一体、オリジナルのコブラとは、どんな車なのか?
本来、小排気量の英国的ライトウェイトスポーツだった車に、アメリカ人キャロル・シェルビーがフォードのV8エンジンを乗せちまった車である。元々、1500ccクラスの車に4.7リッターとか7リッターのエンジンを無理矢理付けたわけで、力で相手を捻じ伏せると言ういかにもアメリカ的根性が、そもそも気に要らないね。コブラ289は1963年のル・マンに出場しているらしいのだが、どんな成績を残しているか調べても判らなかった。この時代、フェラーリ250GTOの天下だったから、どうせ碌な成績は残していないんだろう(詳しい話を知っている人はメールで下さい)。コブラ427の時は、既にキャロル・シェルビー自体がGT40の方に興味が移っていたから、さらに碌なレース歴は無いはずだ。

こんなアメリカとイギリスが交じり合ったコブラの何処が良いんだか、とにかく日本と同じで英国でも大人気で、キットカーの最大多数派は、この『コブラ・レプリカ』である。もっとも、正直に白状してしまえば、外観のみで言えば、私もコブラのデザインは良いと思う。あのボリュームが有って、出るところは出て、くびれるところはくびれているコブラのデザインは現在の車には無い良さがある。

だからと言って、プラスチック・モデルじゃないんだから、本物そっくりに作っただけのキットカーを乗り回して、面白いんだろうか?


シェルビー・コブラ427|邪悪な走りと語り継がれるレースカーの意外な本性.

1993年から2004年まで存在していたマスタング(通称5代目)にキラ星のごとく登場した1台の超魅力的な高性能マシン。その名もコブラ。それまでスタイリングのみで売っていたスペシャリティカーに、「走り」を印象付けた限定モデルである(メイン写真)。

1997年から数年のみ販売される。並行車も多数見かけたが、正規でも販売されていたこともあり、国内モデルは即完売だった(たしか最初は50台だったか)。

私事で恐縮だが、マスタングコブラはこの業界に入って見習いを終えた頃に登場したマシンであり、それまでのアメ車の概念を変えてくれた貴重な1台。当時ミニに乗っていたがちょっとしたトラブルを抱え、工場にて修理をしている約10日間の間、車庫が空いたのをいいことに、フォードから1週間広報車を借りて乗り回した記憶を持つ。

それまで国産スポーティカーや欧州小型車などを愛車としていた筆者にとって、初めてのアメ車取材がアストロにタホにサバーバン。背が低く首都高を這うように走り回るクルマしか知らない小僧にとって、背の高いミニバンやSUVにどんだけ違和感を感じたか、お分かりいただけるでしょうか?(笑)

あまりのギャップに、最初は取材にいくことを拒んだくらい、ボディが大きくて、船のように揺れて、それが怖くて怖くて…。それでもしばらくすると、アメ車業界っておもしろい! ここで働いている人たちはみんな楽しい人たち! なんて思い始めて、徐々にアメ車の楽しさがわかってきたのが。

フォードは2020年9月3日、同社の完全EVモデル「オールエレクトリック フォード マスタング コブラ ジェット1400プロトタイプ(以下コブラ ジェット1400)」が、時速168マイルを実現し、1/4マイルを8.27秒で走破したと発表 。近日おこなわれた民間開発テストでは、1502馬力を発揮した。

タイヤは前後AVONコブラクローム 走りのタイヤが好き❤️

そんな矢先のマスタングコブラだった。新開発されたオールアルミ製の4.6リッターDOHCエンジンを搭載したそれは、ボルグワーナー製の5段マニュアルギアボックスで、250km/hの世界を垣間見せてくれるという。パワーは309ps/5800rpm、最大トルクは41.5kg/4800rpmで、1540kg(今となってはかなり軽い)のボディを軽々走らせる。

当時の広報車はイエロー。派手な原色が好きな筆者にとっては、格好の1台だった。インテリアは当時のマスタングとほとんど変わりなし。ただ、メーターがホワイトメーターに変わっており、ギアがマニュアルで、シフトレバーがドライバー側に若干傾いているのがレーシーに感じた。

ABCペダルは、国産スポーティカーと比較すると、多少クセがあり、ペダル同士の感覚も離れている。だが、クラッチミートは超簡単。クラッチを少し上げるだけで走り出すほどトルクに溢れたエンジンだったから。

このクルマに乗った時の興奮はいまでも忘れない。筆者は、スポーティカーに乗った時の最大のポイントを、いつもエンジンサウンドに置いている。加速した時の吹け上がり感やその際のサウンド等が心地良い、もしくは迫力がある、または独特とか、そこに何か特徴があればあるほど高評価している。

特にアメ車の場合は、V8サウンドといわれる特徴的なアイテムを持つだけに、エンジンの評価は譲れないと考えている。だからこそ、このマスタングコブラの衝撃的なエンジンサウンドの盛り上がりには、かなり興奮したのである(OHVのアメ車とはまた全然違うフィーリングにサウンド)。「クォ〜〜ン」と盛り上げるそれは(アクション映画で聞いたことあるような)、当時取材させていただいたデトマソパンテーラの迫力には及ばぬものの(これももの凄かった)それに近い興奮をもたらし、また首都高を一人走っているだけでもアドレナリンが出まくりだった!

オリジナルコブラのコーナリングフォースはあまり高くはないが(笑)、足回りを変更したこのコブラ改のコーナリングはかなりのもの。V8エンジンをMTで操りながら、ワインディングを一人走り抜ける気持ち良さは格別である。

フォードのモンスターEV「マスタング コブラ ジェット1400」の走りを披露! ..

せり上がったボンネットフードは本国から取り寄せ、迫力重視のリアウイングを装着し、足回りにはコニの調整式ショックをインストール。またホイールはワークをセレクトしツライチを実現すると共にブレーキキャリパーをレッドにペイントする。

エンジンルーム関係では、エアクリ等の吸気系を交換し、もともとあったフォグを潰し、そこにワンオフのエアダクトを設けた。排気系には、ワンオフのマフラーを製作し、足回りの構造上無理と言われた社外マフラーだったが、見事違和感のない仕上がりと4000回転を越えた辺りから激変する、超刺激的なサウンドを手に入れた。

Nさんいわく「アメ車の大胆さと、エンジン開けたら日本のチューニングカーの融合」を目指したとか。

インテリアも同様に、当時の国産車のような仕様である。ホールド性の低いシートを赤いスパルコのバケットシートに換え、ステアリングはmomo。またアルミ製のシフトノブとヒール&トゥ用のアルミ製ABCペダルを配置させ、追加メーターをプラスするなど、コブラの雰囲気も一気に高まった。

今であれば、レーシングストライプ等を入れてシェルビー風カスタム、なんてことも考えたりするのだろうけど、このコブラ登場当時は、こういった国産走り屋系カスタム全盛期であり、またそれが唯一似合ったアメ車でもあったのだ。筆者も当時はかなり共感していたカスタムスタイルだったし。

このコブラも、もうすでに16年レベルの中古車となってしまったが、現行マスタングとはまた違った魅力を備えたコイツは、今の時代でも一見の価値ありだと思う。90年代アメ車、リボーン! 今乗っても十分に楽しい1台だと思う。

オリジナル・コブラの走りっぷりは、コンテンポラリー・コブラよりはるかにスパルタンなものと想像されるが、オリジナルの新車時の走りっぷりを忠実に、より容易に、そして気軽にイメージできる1台だ。

【動画】これがフルEV「マスタング・コブラジェット1400」の走りだ!