5α還元酵素阻害薬、前立腺がん発症を予防、生存は改善せず/NEJM


フィナステリド(Proscar、国内未承認)の予防投与は、前立腺がんの発症率を長期的に抑制するが、生存率は改善しないことが、米国テキサス大学サンアントニオ健康科学センターのIan M Thompson氏らが実施した「前立腺がん予防試験(PCPT)」の長期追跡の結果により示され、NEJM誌2013年8月15日号で報告された。フィナステリドは、テストステロンをジヒドロテストステロンに変換する2型5α還元酵素を阻害することで前立腺がんの発症を抑制すると考えられている。すでにPCPTでは、本薬により前立腺がんのリスクが24.8%低下するが、高悪性度病変のリスクは26.9%上昇することが確認され、2003年、同誌で報告されている。

PCPTは、フィナステリドの前立腺がん予防効果を検証するプラセボ対照無作為化試験。研究グループは、今回、2003年の最初の報告以降のデータを加えた最長18年に及ぶ追跡期間(2011年10月31日まで)のアップデート解析を行った。

本試験では、年齢55歳以上、直腸指診所見が正常で、前立腺特異抗原(PSA)≦3.0ng/mLの男性が、フィナステリド(5mg/日)またはプラセボを7年間投与する群に無作為に割り付けられた。

毎年1回、直腸指診およびPSA検査が行われ、7年目の検査時にPSA>4.0ng/mLまたは直腸指診で異常が認められた被験者には生検が推奨された。病変の悪性度は、Gleasonスコアが7~10の場合に高悪性度、2~6の場合に低悪性度と定義した。

1994年1月~1997年5月に1万8,880例が登録され、フィナステリド群に9,423例、プラセボ群には9,457例が割り付けられた。

前立腺がん発症率は、フィナステリド群が10.5%(989/9,423例)と、プラセボ群の14.9%(1,412/9,457例)に比べ有意に低かった(相対リスク[RR]:0.70、95%信頼区間[CI]:0.65~0.76、p<0.001)。

高悪性度前立腺がんの発症率は、フィナステリド群が3.5%(333/9,423例)、プラセボ群は3.0%(286/9,457例)であった(RR:1.17、95%CI:1.00~1.37、p=0.05)。低悪性度病変の発症率はフィナステリド群で43%抑制された(RR:0.57、95%CI:0.52~0.63、p<0.001)。

追跡期間中にフィナステリド群の2,538例、プラセボ群の2,496例が死亡した。15年生存率はフィナステリド群が78.0%、プラセボ群は78.2%であり、未調整ハザード比は1.02(95%CI:0.97~1.08、p=0.46)であった。

悪性度別の10年生存率は、低悪性度前立腺がんがフィナステリド群83.0%、プラセボ群80.9%であり、高悪性度前立腺がんはそれぞれ73.0%、73.6%であった。

著者は、「フィナステリドは前立腺がんのリスクを約3分の1抑制した。これは主に低悪性度病変の抑制効果によるもので、高悪性度病変はむしろフィナステリド群で多く、全生存率およびがん診断後の生存率に差はみられなかった」とまとめ、「PSA検査は前立腺がんを早期に発見し、死亡率の改善に寄与している可能性はあるが、低悪性度病変の過剰検出という副産物が問題となる可能性もある」と指摘している。


「プロスカー」に前立腺癌予防効果、NEJM誌で原著論文が早期公開

前立腺癌は,最終解析のデータのあったフィナステリド群の男性 4,368 例中 803 例(18.4%)と,プラセボ群の男性 4,692 例中 1,147 例(24.4%)に認められ,有病率は 7 年間で 24.8%減少した(95%信頼区間 18.6~30.6%;P<0.001).Gleason 分類で 7,8,9,10 の腫瘍は,フィナステリド群(757 個の腫瘍中 280 個 [37.0%],すなわち最終解析対象 4,368 例の 6.4%)のほうが,プラセボ群(1,068 個の腫瘍中 237 個 [22.2%],群間の比較の P<0.001;すなわち最終解析対象 4,692 例の 5.1%,群間の比較の P=0.005)よりも多かった.性機能への副作用はフィナステリド投与男性で多くみられたが,泌尿器症状はプラセボ投与男性でより多くみられた.

フィナステリドは,前立腺癌の発生を予防あるいは遅延させるが,こうした利益の可能性や泌尿器障害のリスクの減少は,性機能に関する副作用や悪性度の高い前立腺癌のリスク増加と比較検討されるべきである.

これらより、 フィナステリド投与患者の血清 PSA 濃度を前立腺癌診断に利用する場合は、

前立腺癌予防試験(Prostate Cancer Prevention Trial)において,直腸指診で正常所見を示し,前立腺特異抗原(PSA)値が 3.0 ng/mL 以下であった 55 歳以上の男性 18,882 例を,7 年間フィナステリド(5 mg/日)を投与する群と,プラセボを投与する群に無作為に割り付けた.毎年測定する PSA 値(フィナステリドの影響を補正)が 4.0 ng/mL を超えるか,直腸指診で異常が認められた場合に,前立腺生検を勧めた.参加者の 60%が,試験期間に前立腺癌と診断されるか,試験終了時に生検を受けることが予測された.主要エンドポイントは,研究 7 年間における前立腺癌の有病率とした.

プロペシアには前立腺ガンの発症リスクはどの位の確率ですか?定期の血液検査で異常(ガン)が出た場合どうなりますか?また、プロペシアは副作用の少ない薬らしいのですが、服用する年を重ねると副作用が出やすくなりますか?服用し続けると薬漬けになる訳ですが、身体は大丈夫ですか?薬の耐性はありますか?最低でも10年は服用したいのですが大丈夫ですか?服用中に出来た子供は悪影響がでますか?服用中、血液検査は定期的にやるべきですか?

前立腺がんの検診を受ける予定のある方は、検査を実施される医師にプロペシアを服用していることを

フィナステリドが前立腺の肥大を抑えるのであれば、前立腺の炎症も緩和することが想像されます。

米国立衛生研究所(NIH)傘下の米国立がん研究所(NIH)の資金提供を受けてSWOG(South West Oncology Group) Cancer Research Networkが1993年にPCPT(前立腺がんの予防に関する臨床試験)を開始しました。

そもそもAGA治療薬で用いられているプロペシア®(フィナステリド)は前立腺 ..

前立腺がんの発症リスクがプラセボ群に対してフィナステリド群では25%減少するものの悪性度の高い前立腺がん(グリソンスコアが7-10)がフィナステリド群で6.4%、プラセボ群で5.1%で発症していて有意にフィナステリド群で悪性度の高い前立腺がんが増えていたのです。

フィナステリドによって本当に悪性度の高い前立腺がんが増えたのかもしれません。


しかし,フィナステリド投与が悪性度の高い癌の発生を増加させる可能性を ..

アンドロゲンは,前立腺癌の発生に関与している.5α還元酵素阻害薬であるフィナステリドは,テストステロンがジヒドロテストステロン(前立腺の主なアンドロゲン)に変換されるのを阻害して,前立腺癌のリスクを減少させる可能性がある.

フィナステリドはアメリカのメルク社が、前立腺肥大症の治療薬として研究 ..

また、当院では、第104回日本美容外科学会(JSAS)にて会長を努めた鎌倉達郎を中心に医療技術向上のため、院内外、国内国外を問わず様々な勉強会や技術研修会を実施しております。勉強会・研修会の実績についてはご覧ください。

生検によりフィナステリド 5mg 群ではグリーソンスコア 7~10 の前立腺癌が.

約30万人・年、中央値で18.4年の追跡期間中に前立腺がんでの死亡はフィナステリド群で42例でありプラセボ群で56例発生しました。

割れていなければ触っても大丈夫です。 3.この薬は元々前立腺肥大の薬で、前立腺肥大や前立腺がんの検診などで行う血清前立.

フィナステリドは薬剤の一般名です。「プロペシア®」はフィナステリドの先発品の商品名です。単に「フィナステリド」と言った場合は、様々なメーカーから製造されているジェネリック医薬品を差します。例:フィナステリド 1mg「FCI」のように、一般名「会社名」のように表記されます。プロペシアもフィナステリドも効果効能に差はありません。

試験において、高年齢層の前立腺肥大症患者へのフィナステリド ..

より大規模に、約20年というより長期間でデータを収集した結果では前立腺がんによる死亡率は25%も減少するというものだったのです。

α還元酵素阻害剤(デュタステリド:アボルブ) : 高悪性度の前立腺癌を

これほどの規模で研究を行いましたが、全体の前立腺がんの死亡数が98例しかないために統計的に有意差が出てこなかったことです。

フィナステリド(Finasteride)は、男性型脱毛症(AGA)や前立腺肥大症(BPH)の治療に使用される薬物です。 開発の背景:

フィナステリドにより前立腺癌のリスクは約 1/3 低下した.高悪性度前立腺癌の頻度はフィナステリド群のほうがプラセボ群よりも高かったが,18 年間の追跡調査後には,全生存率,および前立腺癌診断後の生存率に群間で有意差は認められなかった.(米国国立がん研究所から研究助成を受けた.)

フィナステリドは前立腺がん検査で測定されるPSA値を約50%低下さ

しかし、この結果を受けてフィナステリドで悪性度の高い前立腺がんが増えて死んでしまうかもしれないという長い間の懸念は解消されたのではないでしょうか。

本剤を6ヶ月以上投与しても効果が認められない場合は投与を中止する事。 PSA(前立腺特異抗原)について(前立腺癌のスクリーニング).

フィナステリドはむしろ悪性度の高い前立腺がんの発見を助けていただけなのではないでしょうか。

フィナステリド(プロペシアの後発薬)をお勧めします。そして、さらに効果を ..

では、次はより効果の強いデュタステリドでも同じように前立腺がんを予防できるのではないかということが想像されます。

内科, 在宅医療, 腎泌尿器科の診療を行っています。 腎泌尿器科では排尿障害,おしっこ,前立腺,睾丸,陰茎,前立腺癌 ..

前立腺がん予防試験のその後の解析により、フィナステリド投与男性で観察された高悪性度前立腺がん増加の少なくとも一部は、薬剤自体がこれらのがんの検出率を高めていることによって説明できることが示唆された。2019年1月に発表された試験結果によると、フィナステリドを服用した前立腺がん予防試験参加者の前立腺がん死亡リスクは、プラセボを服用した参加者と比較して高くはないとみられる。

なお、この薬を服用中の患者様では、前立腺がん検査で測定されるPSAという検査の ..

今回のインタビューでは、米国国立がん研究所のがん予防部門に属し前立腺がん予防試験の研究者であるHoward Parnes医学博士が、事後解析の結果が今日のフィナステリド使用について持つ意味について語った。

服用中はPSA値(前立腺がんの腫瘍マーカー)が低下します。もし健康診断などでPSA ..

前立腺がんの予防法として、フィナステリドを対象として試験を行う根拠は何でしたか?

アンドロゲン(男性ホルモン)が合成を促進; 前立腺癌のみならず、すべての前立腺上皮で発現 ..

無作為化された適格男性 18,880 例のうち,フィナステリド群の 9,423 例中 989 例(10.5%)と,プラセボ群の 9,457 例中 1,412 例(14.9%)が前立腺癌の診断を受けた(フィナステリド群の相対リスク 0.70,95%信頼区間 [CI] 0.65~0.76,P<0.001).評価された男性のうち,フィナステリド群の 333 例(3.5%)とプラセボ群の 286 例(3.0%)が高悪性度前立腺癌(グリーソンスコア 7~10)であった(相対リスク 1.17,95% CI 1.00~1.37,P=0.05).死亡した男性の内訳は,フィナステリド群は 2,538 例,プラセボ群は 2,496 例で,15 年生存率はそれぞれ 78.0%,78.2%であった.フィナステリド群における死亡の未補正ハザード比は 1.02(95% CI 0.97~1.08,P=0.46)であった.10 年生存率は,低悪性度前立腺癌の男性ではフィナステリド群で 83.0%,プラセボ群で 80.9%であり,高悪性度前立腺癌の男性ではそれぞれ 73.0%,73.6%であった.

AGA治療薬のフィナステリドに発がん性はなく安全と考えられています。

フィナステリドは、5α-還元酵素と呼ばれる酵素の活性を阻害します。この酵素は、テストステロンを前立腺で最も強力なアンドロゲンであるジヒドロテストステロンに変換します。

フィナステリド(プロペシア錠)やデュタステリド(ザガーロカプセル)を ..

今後の研究が期待されるところですが、私個人的にはデュタステリドはフィナステリドと同じように前立腺がんを予防することができると信じています。