ゾロンなど)とリン酸エステル型(デキサメタゾン、ベタメタゾンなど)がある。 ..
本臨床疑問に関する臨床研究としては,系統的レビュー1 件がある。McNicol らの系統的レビューでは,単回投与試験の無作為化比較試験7 件が含まれており,NSAIDs はプラセボに比べて有効であると結論づけられている。
(2)NSAIDs アレルギー:特定の NSAIDs に対してのみアレルギー症状を発現
以上より,鎮痛薬が投与されていない軽度の痛みのあるがん患者に対して,NSAIDs は痛みを緩和すると考えられる。本邦において使用可能なNSAIDs についての研究は限られているが,本邦で一般に使用されているNSAIDs についても同様に有効であると考えられる。
がんによる痛みでは鎮痛薬の投与などの痛みに対する治療とともに,外科治療,化学療法,放射線治療などの腫瘍そのものに対する治療を検討する。がん治療による痛み(術後痛症候群,化学療法後神経障害性疼痛など)やがん・がん治療と直接関連のない痛み(脊柱管狭窄症,帯状疱疹など)では原因に応じた治療を行う。痛みがオンコロジーエマージェンシー(脊髄圧迫症候群,骨折・切迫骨折,感染症,消化管の閉塞・穿孔・出血など)の症状であることがあるので,痛みの対応のみでなく,痛みを生じている病態の把握と原因への対応を行う。特殊な疼痛症候群(神経障害性疼痛,骨転移痛,上腹部の内臓痛,胸部痛,会陰部の痛み,消化管閉塞など)の場合にはそれぞれの対応を検討する。
NSAIDsと,中枢性鎮痛薬であるコデインの併用は相加的な効果以上の
Ventafridda ら(1990b)による無作為化比較試験では,がん患者65 例を対象に,ナプロキセン250 mg/回(1 日3 回),ジクロフェナク100 mg/回(1 日2 回),インドメタシン50 mg/回(1 日3 回),イブプロフェン600 mg/回(1 日3 回),アスピリン600 mg/回(1 日3 回),スリンダク300 mg/回(1 日2 回),アセトアミノフェン500 mg/回(1 日3 回)を比較したところ,1 週間の痛みのVAS の減少率は,ナプロキセン群71%,ジクロフェナク群67%,インドメタシン群63%,イブプロフェン群59%,アスピリン群40%,スリンダク群38%,アセトアミノフェン群27%であった。副作用は,口渇39%,胸焼け15%,悪心10%で,治療中止は37%であった。ナプロキセン,ジクロフェナク,インドメタシンは比較的有効性が高いように思われたが,いずれかのNSAIDs が他のものに比較して優れていることを結論できなかった。
がんによる神経障害性疼痛には,鎮痛補助薬(抗けいれん薬,抗うつ薬,NMDA 受容体拮抗薬,抗不整脈薬,コルチコステロイド)の投与を行う。鎮痛補助薬は,薬剤に生じやすい副作用と痛みを生じている病態から選択する。効果不十分な場合には,鎮痛補助薬の併用・変更,神経ブロックを検討する。骨転移による痛みには,予測される生命予後を検討したうえでビスホスホネート,デノスマブなどのbonemodifying agents(BMA)の投与の検討や,神経ブロックの適応を専門家に相談する。上腹部の痛みには,腹腔神経叢ブロックなどの神経ブロックの適応についてなるべく早い時期に専門家に相談する。胸部の痛みには,硬膜外ブロック,肋間神経ブロック,神経根ブロック,クモ膜下フェノールブロックなどの神経ブロックの適応を専門家に相談する。会陰部の痛みには,サドルブロックなど神経ブロックの適応を専門家に相談する。悪性腸腰筋症候群で腸腰筋の攣縮がみられる場合には筋弛緩薬の投与を検討し,また神経ブロックの適応について専門家に相談する。消化管閉塞による痛みには,消化管分泌抑制薬(オクトレオチド酢酸塩,ブチルスコポラミン臭化物)とコルチコステロイドの投与を検討する。
NSAIDs)は鎮痛,解熱,消炎症作用を有し,非特異的に炎症反応を抑制す
以上より,国内で使用可能なNSAIDs を含む質の高い比較研究はほとんどないため結論を得ることはできないものの,ある非オピオイド鎮痛薬が他の非オピオイド鎮痛薬に比較して,鎮痛効果と副作用について,優れていることを示す根拠はない。
あるNSAIDs で鎮痛効果が得られない場合には,オピオイドの開始を検討することを原則とするが,痛みが軽度である場合には,他のNSAIDs への変更(NSAIDs の変更は2 種類までにとどめる),あるいは,NSAIDs とアセトアミノフェンとの併用を検討してもよい。
NSAIDs とニューキノロン系抗菌薬*1を併用すると,ニューキノロン系抗菌薬の
鎮痛薬が投与されていない軽度の痛みの患者に対しては,非オピオイド鎮痛薬(NSAIDs またはアセトアミノフェン)を開始する。腎機能障害・消化性潰瘍・出血傾向がある患者には,アセトアミノフェンを使用する。NSAIDs を投与する場合には,消化性潰瘍の予防を検討する。鎮痛効果が不十分な場合には,オピオイドを開始することを原則とする。
選択的COX-2*阻害薬については,非がん患者において従来のNSAIDs に比較して鎮痛効果は同等であることが示唆されているが,がん患者を対象として鎮痛効果を検討した無作為化比較試験がない。したがって,本ガイドラインでは,選択的COX-2 阻害薬の鎮痛効果については検討の対象としなかった。
NSAIDs添付文書改訂に関する周知[259.07KB] PDFファイル(新規ウィンドウで開く ..
18.1作用機序
デキサメタゾンは合成副腎皮質ホルモンで、天然の糖質コルチコイドと同じ機序により抗炎症作用を発現するが、天然のものに比べて鉱質コルチコイド作用は減弱されている。18.2局所抗炎症作用・皮膚血管収縮作用
デキサメタゾンはヒドロコルチゾアセテート、プレドニゾロンアセテートと同等の血管収縮作用を示すことが認められている。18.3生物学的同等性試験
ラット(n=10)にデキサメタゾン軟膏0.1%「イワキ」及びオルガドロン軟膏0.1%注)を塗布し、カラゲニン足蹠浮腫抑制作用及び綿球法による肉芽形成抑制作用を、浮腫抑制率及び肉芽形成抑制率を指標に検討した結果、両剤の生物学的同等性が確認された。また、デキサメタゾンクリーム0.1%「イワキ」及びデキサメタゾンローション0.1%「イワキ」においては、オルガドロンクリーム0.1%注)との同等性が確認された旧処方製剤に対して同様の試験を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された。
ラットに対する薬剤5日間塗布後の足蹠浮腫抑制率(%)--------------------------表開始--------------------------
製剤\起炎剤注射後時間(hr)12345デキサメタゾン軟膏0.1%「イワキ」77.4389.4786.8184.7184.53
デキサメタゾンクリーム0.1%「イワキ」82.2577.7165.1563.3066.90デキサメタゾンローション0.1%「イワキ」93.8374.9769.9768.5369.12
--------------------------表終了--------------------------肉芽形成抑制率(%)
--------------------------表開始--------------------------デキサメタゾン軟膏0.1%「イワキ」61.35
デキサメタゾンクリーム0.1%「イワキ」45.76デキサメタゾンローション0.1%「イワキ」48.68
--------------------------表終了--------------------------浮腫抑制率、肉芽形成抑制率等の測定値は、試験条件によって異なる可能性がある。
注)オルガドロン軟膏0.1%、オルガドロンクリーム0.1%は承認整理済である。
・小児への適用が可能(小児のNSAIDs投与はReye 症候群の危険性のた
痛みの評価では,痛みの日常生活への影響,痛みのパターン(持続痛か突出痛4 か),痛みの強さ,痛みの部位,痛みの経過,痛みの性状,痛みの増悪因子と軽快因子,現在行っている治療の反応,および,レスキュー薬の効果と副作用について評価する。
全58種類の中でひと際目を引いたのが、デキサメタゾンという副腎皮質ステロイド薬です。
プロスタグランジン製剤については無作為化試験12 件および系統的レビューから,プロトンポンプ阻害薬については無作為化試験3 件と系統的レビューから,プラセボに比較しNSAIDs 潰瘍を予防すると結論づけられている。またH2受容体拮抗薬については,常用量で有効であるという根拠はないことが6 件の無作為化試験,系統的レビューから支持されており,高用量のH2受容体拮抗薬は胃潰瘍の予防に有効であることが,1 件の無作為化試験と1 件の系統的レビューから支持されている。高用量のH2受容体拮抗薬とは,消化性潰瘍の用量の2 倍量を指す。
軽度から中等度の痛みに対してNSAIDsおよびNSAIDsとオピオイドとの併用を
以上より,プロスタグランジン製剤,プロトンポンプ阻害薬,高用量のH2受容体拮抗薬は,NSAIDs による消化性潰瘍を予防すると考えられる。これらの根拠となった臨床研究の対象は変形性関節症や関節リウマチであり,がん患者に適応できるとは限らないが,がん疼痛でNSAIDs を投与する場合においても適用しうると考えられる。
NSAIDs 非ステロイド性抗炎症薬、TAP 腹横筋面ブロック、TENS 経皮的電気神経刺激 ..
18.1作用機序
デキサメタゾンは合成副腎皮質ホルモンで、天然の糖質コルチコイドと同じ機序により抗炎症作用を発現する。糖質コルチコイドは受容体に結合して特定の遺伝子の転写を開始あるいは阻害する。その結果、起炎物質の生合成抑制と炎症細胞の遊走抑制により抗炎症作用を現すと考えられる。18.2抗炎症作用
・デキサメタゾンの抗炎症作用の強さはヒドロコルチゾンの25倍、プレドニゾロンの6倍で、ベタメタゾンとは同程度とされている。・ウサギ硝子体内に起炎剤(アジュバント)を投与して惹起させたブドウ膜炎に対するデキサメタゾンの作用を検討した。1%デキサメタゾン懸濁液を起炎剤投与1時間前と投与1、3、5、7時間後に各2滴ずつ点眼すると、起炎剤投与24時間後の炎症ピーク時の房水蛋白濃度の増加、房水中への白血球遊走、虹彩毛様体の腫脹をいずれも有意に抑制した。
・ウサギ硝子体にフェリチンを投与して惹起させた実験的ブドウ膜炎に対し、0.1%デキサメタゾン液を1回0.5mL、1日1回結膜下注射したところ、虹彩の充血や硝子体の細胞浸潤などの炎症症状や房水内蛋白濃度を明らかに抑制した。18.3抗アレルギー作用
抗血清0.05mLを結膜内注射して感作させたラットに、抗原として20%卵白アルブミン溶液10μLを点眼することによって惹起した受身アナフィラキシーに対するデキサメタゾンの抑制効果を検討した。0.1%デキサメタゾンを抗原点眼前1、2、3、4、5時間の計5回点眼したときの抑制率は57.1%であった。
断する。ナプロキセンが有効でない場合、他の解熱作用のあるNSAIDs(フルルビプロフェンアキセチ
また,薬物療法のみならず,NSAIDs に起因する消化性潰瘍を早期に発見するために,上腹部痛の身体所見,ヘモグロビン値などを定期的にチェックし,鎮痛効果が安定していれば,NSAIDs の継続投与が必要かを定期的に検討することが望ましい。具体的には,鎮痛効果が得られている場合にはNSAIDs をいったん減量し,鎮痛効果が変わらず得られていれば減量・中止を検討する。痛みが悪化する場合には継続投与する。
2) アセトアミノフェン以外のNSAIDsは、サイロキシン結合グロブリンに作用して遊離甲状腺ホルモンの上
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.2.その他の副作用1).皮膚感染症:(頻度不明)皮膚真菌症(皮膚カンジダ症、皮膚白癬等)、皮膚細菌感染症(伝染性膿痂疹、毛のう炎等)及び皮膚ウイルス感染症があらわれることがある(密封法(ODT)の場合起こりやすいので、このような場合には、適切な抗真菌剤、抗菌剤等を併用し、症状が速やかに改善しない場合には、使用を中止すること)。
2).その他の皮膚症状:(頻度不明)ざ瘡様発疹、酒さ様皮膚炎・口囲皮膚炎(頬に潮紅、口囲潮紅等、丘疹、膿疱、毛細血管拡張)、ステロイド皮膚(皮膚萎縮、毛細血管拡張、紫斑)、多毛、皮膚色素脱失、魚鱗癬様皮膚変化(長期連用によりあらわれることがあるので、このような場合には、徐々にその使用を差し控え、副腎皮質ステロイドを含有しない薬剤に切り替えること)。3).過敏症:(頻度不明)皮膚刺激感、皮膚熱感、接触性皮膚炎(塗布直後、軽い熱感を生じることがあるが、通常短時間のうちに消失する)。
4).下垂体・副腎皮質系機能:(頻度不明)下垂体・副腎皮質系機能抑制(大量又は長期にわたる広範囲の使用、密封法(ODT)により、このような抑制をきたすことがある)。5).眼:(頻度不明)後のう白内障、緑内障(大量又は長期にわたる広範囲の使用、密封法(ODT)によりあらわれることがある)。
□痛み止めの連用で胃腸障害 痛みを抑える「非ステロイド系抗炎症剤(NSAIDs ..
選択的COX-2 阻害薬については,非がん患者において,従来のNSAIDs に比較して,胃十二指腸潰瘍の発現率が少ないことが示唆されているが,がん患者に関する臨床試験はない。したがって,本ガイドラインでは,選択的COX-2 阻害薬の胃潰瘍予防については検討の対象としなかった。現在のところ,患者のリスク(胃潰瘍の既往,コルチコステロイドの併用,高齢者など)を個別に評価し,リスクがある場合には他のNSAIDs と同じように胃潰瘍の予防策をとることが妥当であると考えられる。
ロキソプロフェンナトリウム水和物は、NSAIDSという分類の消炎鎮痛剤のひとつです。 ..
ESMO のガイドライン(2012)では,NSAIDs は,消化性潰瘍などの重篤な副作用を起こしうるので,定期的な副作用などのチェックと長期投与を控えることが必要だとしている。