[PDF] クラリスロマイシン錠200mg「サワイ」 を服用される患者さんへ


広く医療現場で使用されている抗生剤クラリスロマイシン。その影響による副作用を紹介します。
症例) 70代男性 慢性腎不全定期受診中。マニジピン、エナラプリル、ロサルタンカリウム、アロプリノールなどを服用。ピロリ除菌目的でクラリスロマイシンを1日800mgで開始。服用3日後から顔面の浮腫発生。除菌を中止し、フロセミド内服開始。3日間服用するもCre5→8台へ悪化。緊急透析施行となる。


クラリスロマイシン錠200mg「TCK」[一般感染症・非結核性抗酸菌症]との飲み合わせ情報[併用禁忌(禁止)・注意の薬](2305件)

アムロジピンとクラリス(クラリスロマイシン)で、降圧作用増強の可能性があり、併用注意。

構成生薬
葛根(かっこん)、大棗(たいそう)、麻黄(まおう)、甘草(かんぞう)、桂皮(けいひ)、芍薬(しゃくやく)、生姜(しょうきょう)

併用禁忌ではありませんが、飲み合わせに注意が必要なもの(併用注意)が多くあります。 解説

クラリスロマイシンは代謝酵素CYP3A4を阻害します。そしてカルシウム拮抗剤はそのCYP3A4によって代謝されるため、クラリスロマイシンの服用によりマニジピン(カルシウム拮抗剤)の血中濃度が上昇し、腎臓の血流減少を引き起こし、急性腎障害となったと考えられます。
カナダでの後ろ向きコホート研究では、アムロジピンやニフェジピンなどのカルシウム拮抗薬を服用していて、マクロライド系抗生剤のクラリスロマイシン(CAM)やアジスロマイシン(AZM)を処方された患者をピックアップし、腎障害や低血圧などの事象を比較検討しました(対象患者CAM9万6226件、AZM9万4083件)。その結果、腎障害での入院はAZM0.22%(208件)に対しCAM0.44%(420件)で相対リスク1.98倍、絶対リスクで0.22%と有意なリスク増加が見られました。低血圧による入院も、AZM0.07%に対してCAM0.12%と有意に多いという結果がでています。
カルシウム拮抗剤やクラリスロマイシンは、日常の医療現場で非常に広範囲にわたって使用されています。高齢者の使用には薬の選択に注意が必要です。特にニフェジピンは、他のカルシウム拮抗剤と比較して急性腎障害の発生リスクが5倍という結果が出ています。カルシウム拮抗剤(特にニフェジピン)服用の患者にマクロライド系抗生剤を投与する場合は、アジスロマイシンの使用を優先するか、他の系統の抗生剤を考慮する必要があるかもしれません。

漢方薬で体調を管理したい、薬の飲み合わせについて詳しく知りたい、健康相談をしたい方はお気軽にYOJOの薬剤師にご相談くださいね。

但し、カルシウム拮抗薬の中でも、アムロジピンベシル酸塩やジルチアゼム塩酸塩はグレープフルーツとの相互作用はないとされています。

補中益気湯(ほちゅうえっきとう)は疲れ、食欲不振、風邪などに使用される漢方薬です。葛根湯と補中益気湯には甘草、大棗、生姜という共通の生薬が含まれているため、一緒に服用する際には注意が必要です。特に
自己判断で一緒に服用することは避け、併用する際には医師や薬剤師に相談しましょう。

市販の総合風邪薬には、解熱鎮痛成分としてアセトアミノフェンやイブプロフェンが一般的に含まれています。また、咳を抑える効果があるdl-メチルエフェドリン塩酸塩が含まれていることもあります。さらに、頭の重い感じを緩和する無水カフェインや炎症を抑えるグリチルリチン酸などの成分も含まれている製剤も存在します。エスタックシリーズには、生姜(しょうきょう)や桂皮(けいひ)などの生薬成分も含まれているものがあります。
以上のことから、併用する場合は、必ず医師や薬剤師に相談してから行いましょう。

Ca拮抗薬とクラリスロマイシンの併用により急性腎障害リスクが上昇

具体的に飲み合わせに注意が必要な医薬品や、ロキソニン、アレグラなどとの飲み合わせについては以下で薬剤師が詳しく解説いたします。

葛根湯は、風邪の初期に効果が期待できる漢方薬で、多くの方が飲んだことのある薬かもしれません。ただし、「甘草」や「麻黄」など副作用に注意が必要な成分が含まれているため、長期間の服用は避けたほうが良いでしょう。また、他の薬と併用する場合も、飲み合わせに注意が必要です。