抗生剤(抗菌剤)の適正使用 (後編) | みうら小児科クリニック


組織移行性以外にも、薬の排泄、代謝に関して違いが見られます。
クラビットは、主に腎臓から排泄される薬です。服用後24時間で服用した薬のうち約80%が尿中未変化体として排泄されます。腎臓から排泄される特徴を活かして、腎盂腎炎や膀胱炎に高い効果を発揮します。一方で、中等度腎障害から薬の量や間隔を調整する必要があります。


まとめ ニューキノロン系抗菌薬と制酸薬との併用で、ニューキノロン系抗菌薬の吸収が低下!

同じ成分の薬です。どちらも先発品です。製造会社が異なりますがどちらもクラリスロマイシンであることには変わりありません。薬価には多少の違いがありますが、先発品とジェネリック薬ほどの大きな差はありません。

服薬指導には共通した注意事項があります。ジェニナックとクラビットはどちらも脳内に移行する薬として、中枢神経系副作用である意識障害、めまいが起こる可能性があるとされています。処方された患者さんには、車の運転、機械の操作に注意を促す必要があるでしょう。また、けいれんを誘発する可能性があるので、けいれん発作経験者やてんかん患者さんには誘発の危険性を説明しなければいけません。

クラビット点眼液1.5%(一般名:レボフロキサシン水和物液) ..

ジェニナックの適応症は、咽頭・喉頭炎、中耳炎、副鼻腔炎、気管支炎、肺炎などの呼吸器系疾患が主となっています。薬の体内分布をみると、副鼻腔粘膜、口蓋扁桃組織、中耳粘膜、肺実質、気管支粘膜には、血液中と同程度かそれ以上の濃度のジェニナックが移行しています。
クラビットの適応症は、皮膚疾患、呼吸器系疾患、泌尿器系疾患、消化器系疾患など幅広い疾患です。皮膚、唾液、口蓋扁桃、喀痰、前立腺、胆嚢、涙液、耳漏、上顎洞粘膜、女性性器へ高濃度の移行が見られます。
それぞれの薬の組織に対する移行性と抗菌作用の違いから、ジェニナックは呼吸器系疾患、クラビットは全身の感染症に効果がある薬剤として使用されています。

そのため、肺炎球菌やインフルエンザ菌が主な原因であるには『サワシリン』、百日咳菌やマイコプラズマ属が原因の呼吸器感染症には『クラリス』、レジオネラ属やクレブシエラ属が原因の肺炎には『クラビット』、といったような使い分けを行います1)。

今回、上気道感染のため抗菌薬としてクラリシッド(クラリスロマイシン)が処方された。

クラビットジェニナックなど(ニューキノロン系抗菌剤)のほとんど
:動物実験で幼若動物に関節異常が認められたことから、小児(医薬品の年齢区分では「15歳未満」)は禁忌。トスフロキサシン(オゼックス)に限り小児適応あり。

『サワシリン』などのβラクタム系の抗生物質は、時間依存性に抗菌力を発揮します。
つまり、できるだけ長い時間、一定の濃度(最小発育阻止濃度:MIC)以上の薬物血中濃度を維持した方が効果的です。そのため、通常は1日3~4回、1日量をできるだけ複数回に分けて服用します2)。

※時間依存性(time above MIC依存的)抗菌薬
『サワシリン』などのペニシリン系
『フロモックス(一般名:セフカペン)』などのセフェム系
『オラペネム(一般名:テビペネム)』などのカルバペネム系

CMAX/MICニューキノロン系 クラビット AUC/MIC ニューキノロン系クラビット マクロ ライド系 ジスロマック ..

『クラビット』などのニューキノロン系の抗生物質は、濃度依存性に抗菌力を発揮します。
つまり、安全な範囲内でできるだけ薬物血中濃度を高めた方が効果的です。そのため、通常は1日1回、1日量を1回にまとめて服用します3)。

※抗菌薬の作用機序による分類
1.細菌の細胞壁合成を阻害するもの(βラクタム系・グリコペプチド系・ホスホマイシン系)
2.細菌のタンパク合成を阻害するもの(アミノグリコシド系・・テトラサイクリン系・リンコマイシン系など)
3.細菌のDNA・RNA合成を阻害するもの(キノロン系・リファンピシン・スルファメトキサゾール・トリメトプリム)
4.細菌の細胞膜を障害するもの(ポリペプチド系など)

「細菌」の種類は、現在確認されているだけでも6,800種以上、非常に様々なタイプの細菌が存在しています。1つの抗生物質が、これら全ての種の細菌に対して抗菌作用を発揮するわけではありません。
例えば、細胞壁合成を阻害して抗菌作用を発揮するβラクタム系(ペニシリン系・セフェム系・カルバペネム系)の抗生物質は、厚い細胞壁を持つ「グラム陽性菌」には効果的ですが、元から細胞壁が無い「マイコプラズマ属」の細菌には効果がありません


クラリスロマイシン錠200mg「NIG」[一般感染症・非結核性抗酸菌症]

細菌感染は体のいたるところで起こります。抗菌薬が効果を発揮するためには菌に対する強さに加えて、どの組織に移行して働くかも重要なポイントです。ジェニナックとクラビットが効果を発揮する臓器について考えてみましょう。

[PDF] 【4】Q&A 腎機能に応じた抗菌薬の投与量について

ジェニナックとクラビットは、日常診療でもよく処方される薬です。
クラビットは、膀胱炎、肺炎、腸炎など多くの病気で使用されています。
ジェニナックは、クラビットが効かない呼吸器疾患にも有効のため、耐性菌の発生を考えると最後の砦のような薬です。
どちらの薬剤も心臓、脳に対する副作用を持ち、腎機能低下の患者さんに投薬するときや相互作用に注意を払う必要があります。同じ分類の薬剤であっても、それぞれの特徴を比較しながら注意すべき点に留意して服薬指導に活かしましょう。

クラリス錠 200mg クラリスロマイシン 1 日 400mg

添付文書の臨床成績においても、ジェニナックはクラビット耐性菌を含む81株の多剤耐性肺炎球菌を100%消失させたと記載されています。そのため、多くの菌に対してジェニナックのほうが細菌作用は強いと言えるでしょう。

クラビット錠 250mg レボフロキサシン 1 日 500mg

胃腸炎
:カンピロバクター、サルモネラ菌などが原因。前者はクラリスロマイシン、後者はホスホマイシンが効くが、「抗菌剤適正使用」の点から「軽症には抗菌剤不要」とされている。

グラム陰性菌用内服抗菌薬 ニューキノロン系:クラビット®(レボフロキサシン) ..

◆抗生物質(抗菌薬)の系統と作用機序
サワシリン:ペニシリン系、細胞壁合成阻害
クラリス:マクロライド系、タンパク合成阻害
クラビット:ニューキノロン系、DNA合成阻害

しかし、マイコプラズマに効く抗菌薬は、マクロライド系抗菌薬(エリスロシン、クラリス ..

抗菌薬の強さを判定するための数値である最小発育阻止濃度(MIC)での比較では、ジェニナックは、クラビットより少ない量でほとんどの菌に対して効果を発揮。クラビットに対して耐性ができている菌に対しても有効でした。

なぜ抗生物質は飲みきらないといけないのか? | フラワー薬局通信

◆通常の用法
サワシリン:1日
クラリス:1日2回
クラビット:1日

[PDF] マクロライド系抗生物質製剤 日本薬局方 クラリスロマイシン錠

・・『クラビット(一般名:レボフロキサシン)』は、いずれも細菌を退治する抗生物質(抗菌薬)ですが、効果のある細菌が異なります。

総称名:クラビット; 一般名:レボフロキサシン水和物; 販売名:クラビット ..

◆剤型の種類
サワシリン:錠(250mg)、カプセル(125mg、250mg)、細粒
クラリス:錠(50mg、200mg)、ドライシロップ小児用
クラビット:錠(250mg、500mg)、細粒、点滴静注バッグ、点眼液(0.5%、1.5%)

どのように耐性化するのか | 薬剤耐性菌について | 一般の方へ

◆製造販売元
サワシリン:アステラス製薬
クラリス:大正製薬
クラビット:第一三共

画像, レボフロックス, クラビリン, シプロックス, クラリスロマイシン.

一般的な感染症に対してはクラリスロマイシン1日400mg、非結核性抗酸菌症には1日800mg、どちらも2回に分けて経口で投与します。投与量は年齢、症状にあわせて増減します。またピロリ菌の除菌に用いる場合は他の抗生物質や胃薬と併用して処方されます。

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やヘルペスなどは「ウイルス」が原因で起こる感染症のため、「抗生物質」では治療できません。
また、の感染症であることにも注意が必要です。

ドルマイシン軟膏; テラマイシン軟膏; イソジン消毒液; 滅菌ガーゼ・テープ; ケアリーブ(ニチバン)など質のよい絆創膏

クラリスに最も特徴的なのは、一般的な抗生物質が効かないマイコプラズマやクラミジア、マイコバクテリウムなどの非定型細菌にも有効であることです。マイコプラズマは肺炎を引き起こすことで有名ですが、皮膚に感染して皮膚に治りにくい傷を作る原因になることもあります。またクラミジアは性感染症の原因となり、外陰部に痛みや痒みを引き起こします。マイコバクテリウムは皮膚の下で膿を作り、ジクジクとした傷を引き起こす原因菌です。これらはどれも稀な病気で抗生物質が効きにくいのが特徴ですが、クラリスは比較的よく効きます。またクラリスが改良される前の薬であるエリスロマイシンには胃酸によって効力が落ちるという弱点がありましたが、クラリスは胃酸の影響をほとんど受けません。体内にしっかりと吸収されるため、1日2回の服用で十分な治療効果が得られます。その他の特徴として、クラリスはアレルギーを起こしにくいとされています。βラクタム系の抗生物質に対してアレルギーがある人でも使用可能です。ただし他の薬と相互作用を起こしやすいので、飲み合わせには注意が必要です。

クラリスロマイシン(クラリシッド、クラリス) – 呼吸器治療薬

「抗生物質」は、細菌を退治したり増殖を抑えたりする物質のうち、細菌そのものが作り出した物質(ペニシリンなど)のことを指します。
現在使われている薬は化学合成で作られているため、厳密には「抗菌薬」が正しい表現です。

クラリスロマイシン(クラリシッド、クラリ)とは、呼吸器感染症の治療に幅広く使用される抗菌薬で、その効果は多くの臨床例で実証されています。

医師・薬剤師などの専門家が「抗菌薬」という表現を使うのは、このためです。ただし、本Q&Aでは一般的な知名度を考慮して「抗生物質」と表記しています。

[PDF] クラビット錠 250mg クラビット錠 500mg クラビット細粒 10%

キノロン系薬は、もともと大腸菌などのグラム陰性菌に効果が強い薬でしたが、呼吸器系疾患の主原因となるグラム陽性菌にはほとんど有効性を持っておらず、適応症も膀胱炎や消化器疾患などが主で、使用頻度が少ない薬剤でした。