コブラ「KING RADSPEED XD ドライバー」【レビュー企画】


では、ヘッドを見ていこう。コブラらしいやや三角形型の輪郭形状で、スタンダードモデルといえる「ラッドスピード」よりもヘッドの横幅が広い。これは「ラッドスピード XB」と同じイメージで、また投影面積も大きくなっている。そして、一般の米国モデル(1.5度オープンがほとんど)とは違い、強いオープンフェースではないので素直に構えやすくなっており、また、フェース面はバルジ(フェースの丸み)が少ない平らなフェースで、球をつかまえるイメージも出ている。

実際に試打してみたが、やはりアドレスでは投影面積が大きいので、いかにも打ちやすそうな感じがして、やさしいイメージがある。また、コブラらしい三角形型のヘッドでシャープに振り抜ける感じがしてスピードを感じられるのもいい。
純正シャフトは45.0インチと長すぎないのが良く、ミート率も高くなり、アベレージゴルファーでもしっかり振り切ることが可能だ。

他メーカー同様、基本的には大きなヘッド慣性モーメントを狙ったヘッドで、ネック軸周りの慣性モーメントも非常に大きく、ダウンスウィングでのヘッドの返りは緩やかだ。ただし、「XB」に比べ、ヒール寄りにウェートがあるぶん、「XB」よりも重心距離が短めなので、球をつかまえやすく、よりストレート系の中弾道を打ちやすくなっている。


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<試打モデルスペック>※メーカー公表値
●ヘッド素材/811チタン鋳造+カーボンファイバーラッピング(ボディ)、611チタン鍛造CNCミルドインフィニティフェース
●ロフト角/10.5度
●ライ角/58.5度
●長さ/45.75インチ
●シャフト/オリジナルスピーダーEVO for RADSPEED(S)
●総重量/約303g(S)
●価格/7万1500円

プロの飛距離で話題になることの多いコブラの最新ドライバーは、我々アマチュアでも飛ばせるのか!? 1モデルずつジックリ見ていきたいと思います。

コブラ KING RAD SPEEDドライバーの試打評価レビュー

より速く直進的な弾道とミスヒットに強い、高い安定性を実現した「キング ラッドスピードシリーズ」。低スピンモデルの「ラッドスピード」、低深重心モデルの「ラッドスピード XB」はすでに当連載で紹介済み。3兄弟モデルのトリを飾るのが、この「ラッドスピード XD」だ。

ほかの2機種との違いは、ヒールに配置した10gのウェート。ヒール寄り重心にすることで、ヘッドが返りやすくなっている。スライサーやアベレージゴルファーに向けた1本といっていいだろう。

さて、クラブ計測の結果に移ろう。数値はすべて実測値になる。クラブ長さは45.0インチと標準的で、クラブ重量も300.3gと標準的なので、クラブの振りやすさの目安となるクラブ全体の慣性モーメントが288万g・㎠に抑えられ、この数値だとドライバーのヘッドスピードが43㎧くらいのゴルファーにとって、タイミング良く振れる設計といえる。しかし、試打クラブの純正シャフト「オリジナルスピーダーEVO for ラッドスピード」のSフレックス仕様だと、シャフトが軟らかめの設計なので、これならヘッドスピードが40㎧くらいのゴルファーでも十分扱えそうだ。

鶴原 では、さっそく試打をお願いします。試打クラブのロフト角は「XB」が9度、「XD」が10.5度です。シャフトは、ともに標準仕様のグラファイトデザイン製「TourAD for RADSPEED」となっています。今回はヘッドスピード43m/sでお願いします!

【最高飛距離更新!】コブラ ラッドスピードXB VS ラッドスピードXD

『RAD SPEED XDドライバー』の外観上の特徴にもなっているのが「CNCミルド新インフィニティフェース」です。

全面がCNCミルド加工されたフェースは、どの打点においても初速性能が高く、バルジとロールも設計図面通り精密に作られているので、打ち出し角とスピン量も適正化され、安定した飛びと直進安定性を実現しています。

また、フェース表面のミーリングによりボールが右に滑りにくくスライスをさらに抑制する効果も期待できます。

「ラジアルウエイティング」はヘッドの重心から遠く低い位置にウエイトを搭載して最大限の効果を発揮させるコブラ独自の技術です。

『RAD SPEED XDドライバー』はヒール、ソール後方、前方の3箇所にウエイトを配置。10グラムのヒールウエイトにはヘッドを返りやすくしてドロー回転がかかりやすくする効果があります。ソール後方の14グラムのウエイトは高い慣性モーメントを実現。左右どちらのミスにも寛容なドライバーとなっています。

コブラ キング RADSPEED XD ドライバー【試打ガチ比較】

『RAD SPEEDドライバー』はとにかく初速がものすごく速いです。飛び出しから明らかに速くて、弾道の頂点に届くまでの時間もあっという間に感じます。スピン量も少なく、自分が振れば振るほど、力を与えたら与えただけ球が上の方に逃げずに前へ前へ飛んでくれるので、とくにハードヒッターならどんどん振りたくなるに違いありません。

ただし、いろいろなスピードで振ってみましたが、ヘッドスピード40m/sくらいの人はスピンが入らないためキャリーが出ません。しかし、45m/sくらいある人が使えばめちゃくちゃに飛ばせるドライバーです。デシャンボーがこのドライバーを選んだのも納得できます。

初速の出るドライバーは球がどちらに飛び出すかわからない不安がつきものですが、『RAD SPEEDドライバー』はどれだけ振っても球が滑って右に行く感じはしません。

スピン量が減り過ぎると球をコントロールできなくなりますが、『RAD SPEEDドライバー』の場合はちょうどいい少なさで安定しているイメージです。

バシーンと叩きにいったときでもある程度スピンが入ってくれるので、スライダーみたいに右にすっと切れていく球が出ないし、もともと左にも行きにくいので左右どちらかOBのあるようなホールでも安心して振ることができます。