その他にも、高齢者は不眠症をはじめとするさまざまな睡眠障害が ..


メラトニンは光と密接に関係しています。高齢の方は、メラトニンを分泌する力が落ちてしまいます。ですが、日中にしっかりと光を浴びることで、健康な高齢者よりもメラトニンの分泌量が大きく増加されていることが示されています。


メラトニン作動薬高齢者ではメラトニンの分泌量が減少する。 ..

不適切な睡眠時間、または時間外の睡眠は、年齢と共に睡眠サイクルが通常より早く移動する現象です。加齢による体温の変化も通常より早くなり、若い時期に比べて早く眠くなります。一般に、高齢者の体温は夜8時頃に低下し始め、就寝後約8時間で徐々に上昇し、おおよそ午前3時から4時に最高になります。したがって、高齢者は早い時間に寝て、通常より早く目を覚ますことが多いです。この状態をAdvanced sleep phase syndrome (ASPS)と呼びます。

また、高齢者によく見られる睡眠問題には、よく「不適切な睡眠時間」という状態があります。多くの高齢者が医師に「早く寝て早く起きる」と報告しています。

一方,認知症は高齢者において不眠の原因となる.皮質および皮質下の高度な萎縮が ..

高齢者が受ける光の量とその期間に関するデータは、高齢者が受ける光の量が徐々に減少し、認知症の症状が現れ始め、特に医療施設で過ごすこととなる様々な疾患に直面した場合、その傾向があります。日中受ける光の量が変わると、睡眠サイクルも変わるため、このような高齢者は深夜に目が覚めることが多くなり、昼間によく眠ります。

不眠症におけるカウンセリング治療は、患者とカウンセラーが対話を通じて心理的な要因や睡眠習慣、ストレスなどに焦点を当てるアプローチのことです。
カウンセリングでは、睡眠に関する思いを聴取しながら不安を共有し、それらに対する新しい認識や対処法を見つけます。
また、リラクセーション技法や睡眠環境の改善策もあり、症状の軽減や睡眠の質の向上が期待できるでしょう。
代表的なカウンセリングに「認知行動療法」があります。認知行動療法とは、普段から持っている考え方のクセや習慣を見直し、物事に対する別の見方を補う治療法のことです。睡眠薬の減薬に有効な治療として推奨されています。
不眠症には心身のバランスが影響することが多いため、薬物治療に加えて、カウンセリングが行えると総合的な治療効果が期待できます。

[PDF] 高齢者における睡眠障害と認知機能および睡眠改善技術

漢方は身体のバランスを整え、睡眠の質を改善する目的で用いられます。ただし、漢方薬には薬剤のような直接的に睡眠を促す効果はないため、即効性は期待できません。
不眠症に用いられる代表的な漢方薬は、以下のとおりです。

また、高血圧や睡眠時無呼吸症候群などの疾患が原因になる可能性もあるでしょう。何らかの疾患が原因の場合は、まず治療に専念する必要があります。

高齢者の不眠の直接な要因としては、運動量が減り、消費するエネルギーが ..

眠気を感じてから寝床に着く習慣をつけましょう。
眠たくないのに寝る習慣ができると、中途覚醒や早朝覚醒の原因になるからです。
特に定年後の高齢者は「起きていてもすることがないから」という理由で、早めに就寝する傾向にあります。結果として、中途覚醒が何度も繰り返され熟睡感が得られず、日中の疲労感や集中力の低下の原因になります。
また、生活リズムが乱れるため、適当な時間に入眠できなくなります。睡眠リズムが乱れると、活動と休息のバランスが崩れるため、心身への負担は計り知れません。
そこで、寝起きにカフェイン(コーヒーや紅茶など)を摂取して覚醒を促したり、朝日を浴びてメラトニン(入眠を促すホルモン)の分泌を抑えたりして、メリハリのある生活リズムに調整していくと良いでしょう。

睡眠衛生の改善で不眠症の改善効果がない、もしくは重度不眠症で薬剤治療が必要と医師が判断したら、薬物療法の適応となります。
一般的に用いられる不眠症改善薬は、以下の表をご覧ください。


自律神経の乱れが不眠症の原因に!眠れない不眠症の原因と改善方法

認知症には多くの種類がありますが、認知症患者全体の60%以上を占めているのが『アルツハイマー型認知症』です。アルツハイマー型認知症は、脳の〝老廃物〟〝ゴミ〟と考えられている物質「アミロイドβ」の増加が関係しています。このアミロイドβは睡眠中に排出されるので、睡眠の質が下がると増加・蓄積し、アルツハイマー型認知症の発症リスクが高まったり、すでに発症している場合は、進行が加速してしまったりということも考えられます。
しかし、メラトニンの分泌を促し、睡眠の質や量をコントロールしていくことにより、認知症の危険因子であるアミロイドβの排出や蓄積を軽減することが期待できます。
冒頭でふれたように、抗酸化作用もあるため、エイジング対策のサポートにもなり得るものです。
年を重ねても、体内でできるだけ多くのメラトニンが作られるよう、日常的に工夫してみましょう。

メラトニンは入院高齢者のせん妄重症度を減少させない?(DB-RCT

睡眠衛生とは睡眠に関連する問題を解消し、睡眠時間の延長や質の向上を目的に、入眠方法や睡眠環境を整えることです。つまり、生活習慣の一部を改善することであり、日々の積み重ねが睡眠状況に影響を及ぼすことになります。
たとえば、規則正しい生活を送ることは自律神経を整えます。その結果、体内時計の乱れを調整でき、睡眠サイクルの安定化に役立つでしょう。
他の睡眠衛生の改善についても詳しく知りたい方は「不眠症の対策法とは?|生活改善で質の高い睡眠を手に入れよう」の記事で詳しく解説しています。

眠りを促す働きがあるメラトニンの分泌量が加齢にともなって減少することも関係しています。 【参考記事】 不眠症. 症状の種類と特徴について。

現在、日本人の40~59歳では約5人に1人が、60歳以上では約3人に1人が、何らかの睡眠障害を抱えているそうです。確かに、夜型の現代社会は、コンビニや飲食店などの「24時間営業」は当然という時代に突入しており、街には深夜まで煌々と灯りがともっています。また、就寝直前までテレビやパソコンに触れ、ベッドに入ってからもスマートフォンを見ている人は多いようです。
先述のとおり、メラトニンの分泌は、夜になってから=太陽光がなくなってから始まります。自然の流れでは太陽が沈んでいる時間帯なのに、蛍光灯やブルーライトといった人工的な光を断続的に浴びることにより、体のリズムが乱れることは、想像に難くありません。
このことが原因でおこる不眠症は、体内時計がずれる「リズム障害」とも言われています。現代では10代~20代の若い世代にも当然起こりうる不眠障害・リズム障害ですが、メラトニンの分泌量が激減している50代以降の中高年の方々には、少しでも回避したい問題であり、質の良い睡眠をとるための重要なポイントです。

認知症予防やエイジング対策に期待?『メラトニン』の分泌を促そう

その他にも、高齢者は不眠症をはじめとするさまざまな睡眠障害が起こりやすい傾向にあります。

体内時計の乱れは不眠症の原因のひとつです。整えよう、体内時計。自然な眠りと朝の目覚め。体内時計を整えるための12か条や不眠 ..

しかし、実は加齢によってメラトニンの分泌量は低下していくこともわかっています。
1歳~3歳頃までが最も多く、思春期以降は減少に転じ、70歳を超えるとピーク時の10分の1以下になるという報告があります。0歳の赤ちゃんが夜泣きをする理由の一つとして、メラトニンの分泌量がまだ不安定な時期だからと言われたり、一方で、高齢者が夜眠れずに昼夜逆転するケースが起こるのは、メラトニンの昼夜の分泌量に差がなくなってくることも一因と考えられたりしています。
このように、メラトニンは加齢とそれに伴う睡眠の問題に深く関係しています。「しっかり睡眠時間が確保できない」「眠りの浅い状態が続く」など、一般に『睡眠障害』と呼ばれているものは、認知症と密接に関わっていることもわかっています。
加齢に伴うメラトニンの減少が睡眠障害を誘発し、それが認知症にも繋がっているとするなら、メラトニンの分泌量低下の予防は認知症予防にも貢献する……という考え方ができるかもしれません。

1日の生活の流れで、快眠のためのポイントを見ていきましょう。 毎朝同じ時刻に起きて

生理的・身体的な要因で不眠症になることも高齢者の特徴です。
たとえば、加齢変化で膀胱に溜められる尿量が減ると、夜間頻尿になります。特に加齢とともに「再々トイレにいくものの少ししか排尿がない」「尿を我慢できなくなった」などの自覚症状があれば、夜間頻尿による中途覚醒のリスクが高いでしょう。
この他にも、腰痛をはじめとする身体的な要因も不眠症を発症する原因です。特に腰痛持ちの高齢者は多く、一度痛みで覚醒すると再入眠が難しく、繰り返し覚醒するなど満足のいく睡眠が得られない恐れがあります。

加齢とともに夜中に目が覚め、眠れなくなってきました。なぜでしょうか?原因はメラトニン ..

日中活動すると適度な疲労感が得られ、入眠を促しやすくなります。加えて、睡眠リズムが確立され、体内時計が整うメリットもあります。つまり、朝に目覚めやすく、夜には自然な眠気が訪れます。
活動量を増やすために具体的に意識すべきことは、夕方から夜(就寝の3時間くらい前)に散歩やウォーキングなどの軽い運動をすることです。運動により一時的に体温が上がり、その後寝るまでに下がるため、徐々に入眠が促せます。
その他にも適度な運動はストレス解消となり、夜間の不安感や焦燥感の軽減になるため、中途覚醒の改善効果も期待できるでしょう。
ただし、夜遅くの激しい運動は逆効果になるため、日中適切なタイミングで運動することがポイントです。

また、生活習慣の乱れでも体内リズムが狂い、メラトニンの分泌が抑制されます。 昼寝をし過ぎると睡眠リズムが乱れるので注意しましょう。

『メラトニン』は、私たちの体内で合成されるホルモンの一つで、一般に「体内時計」と呼ばれている〝体のリズム〟を整える働きをしています。人だけでなく、すべての脊椎動物の体内で分泌されている物質で、特に、睡眠と覚醒に影響を与えていることで知られています。
メラトニンの血中濃度は夜間になると上昇し、これが、人が「休息をとる」「睡眠をとる」というシグナルになります。ちなみに、夜行性の動物にとっては「活動を始める」というシグナルとして伝わっているそうです。
さらに、近年の研究でメラトニンには『抗酸化作用』があることもわかってきました。人の体内で起こる酸化は、「活性酸素」の悪影響によって体が錆びているような状態になり、がんや生活習慣病などの原因となってしまう状態です。抗酸化作用は、この活性酸素を抑えてがんの予防や生活習慣病の改善を促す働きで、美容に着目したエイジング対策としても期待できるものです。

※夜間に強い光を浴びることは、メラトニンの分泌量が低下し、体内時計のリズムに影響を及ぼすため、不眠の原因となり得ます。 ..

加齢とともにホルモンの分泌能力が低下します。
特に入眠を促すメラトニンと呼ばれるホルモンの分泌量が低下すると、体内時計の乱れや入眠困難による不眠症に悩まされます。メラトニンは脳内の松果体で生合成される入眠を促すホルモンであり、光刺激によって分泌量が変化します。
たとえば、朝日を浴びると日中分泌が抑制され、夜間にかけて分泌量が増加していき入眠が促されます。そのため、メラトニンの分泌能力が低下すると体内時計がズレてしまい、寝たい時に寝れなくなるのです。

睡眠を促す働きのあるホルモン「メラトニン」の分泌量も減少します。

高齢者の不眠の特徴について詳しく解説しました。加齢とともに睡眠状態やホルモンバランスなどが変化し、不眠傾向になります。そして、高齢者層(60歳以上)の「約30%」が何らかの不眠症状に悩まされていることもわかりました。
しかし、高齢者不眠は日々のセルフケアで発症予防できる余地があります。この記事でも高齢者不眠の特徴に合わせた具体的な予防法について詳しく解説したので、ぜひご活用ください。
また、より専門的な治療を受けたいなら、まずは医療機関に相談してみると良いでしょう。

Vol.39 【医師監修】便秘と不眠の関係性とは? 原因や解消法を知ろう

入眠困難になる原因は、活動時間の減少やホルモンの分泌能力の低下です。特に定年を迎えると自宅で過ごす時間が増えて、日中の活動量が減った結果、睡眠を誘発しづらくなります。
中途覚醒が増える理由は、加齢とともに眠りが浅くなることです。その結果、睡眠中の光や物音などの外的刺激に敏感になり、目覚めやすくなります。また、トイレが近くなることも中途覚醒を促す原因でしょう。
基本的に体調不良などの症状がなければ、様子観察で問題ありません。ただし、体調不良が3か月以上続くなら不眠症治療も含めて、一度医療機関に相談することをオススメします。