クッシング症候群、デキサメタゾン抑制試験についてまとめました#病態・薬物治療#クッシング症候群#デキサメタゾン抑制試験.
副腎におけるコルチゾールは、下垂体(かすいたい)から分泌される副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)の指令に従って作られています。そして、ACTHとコルチゾールは早朝から午前中にかけて高値ですが、夕方から夜間は低値となり1日の中でも時間による変動(日内変動)があります。本検査でデカドロン®を内服すると、翌朝の血液中のACTH濃度は正常の場合にはほぼ完全に低下して、副腎への指令がなくなるために、副腎で作られるコルチゾール濃度も非常に低い値となります。しかし、クッシング症候群では、デカドロン®によりACTHを低下させても、副腎腫瘍からは依然としてコルチゾールが作られるために、翌朝の血中コルチゾール濃度が高い値となることで診断しています。
副腎皮質系機能検査 CRF負荷試験 (小児内科 51巻4号)
デキサメタゾン抑制試験は、クッシング症候群(「」の項参照)が疑われた場合に行う検査で、デキサメタゾン(商品名:デカドロン)は副腎(腎臓の上にある小さな内分泌臓器)で作られるコルチゾールの作用を強力にした内服薬です。
デキサメタゾンの内服の方法には様々なやり方がありますが、慶應義塾大学病院では一晩法を採用しています。一晩法では、深夜23時に低用量の場合はデカドロン®1mg(2錠)、高用量の場合は8mg(16錠)を内服していただきます。そして、翌朝の8時~9時頃に血液検査を行い、コルチゾール濃度が低下するかどうかを検査します。入院中にこの検査を行う場合は、同時に蓄尿(ちくにょう)検査(24時間に排尿した尿をすべてバッグに貯める検査)を行って、尿中のコルチゾール濃度を参考にすることもあります。
きい点で、異所性 ACTH 産生腫瘍と鑑別が可能です。本来は確定診断検査として、CRH 負荷試
Cushing病と異所性副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)産生腫瘍の鑑別において有用でない検査はどれか.1つ選べ.
新生児マス・スクリーニングでTSH高値のため先天性甲状腺機能低下症を疑われた男児.姉が先天性甲状腺機能低下症として加療中だが,両親に甲状腺機能低下症の既往はない.日齢10の静脈血検査で血清TSH 45 μIU/mL,FT4 0.7 ng/dL,サイログロブリン(Tg)95 ng/mL(基準3.8~56.3)だった.甲状腺超音波検査で甲状腺を正所性に認め,サイズは-1.4 SDだった.3歳までLT4補充療法を行ったうえで,一時休薬し甲状腺機能を再評価したところ,TSH 15.3 μIU/mL,FT4 1.0 ng/dLであり,LT4補充療法を再開した.この男児の先天性甲状腺機能低下症の原因遺伝子として最も考えられるものはどれか.
分泌刺激試験にはインスリン、CRH(コルチコレリン)、メチラポンなど、分泌抑制試験にはデキサメタゾンなどが用いられる。 ページトップへ戻る
29歳女性.出産後2カ月目から動悸と息切れが生じ,家族に前頸部の腫大を指摘されたため来院した.児に母乳栄養中である.身体所見:洞性頻脈84回/分,甲状腺腫大あり.血液所見:FT4 3.90 ng/dL,FT3>30 pg/mL,TSH 0.003 μIU/mL.本症例で鑑別診断をするために有用な検査はどれか.2つ選べ.
3歳男子.新生児マス・スクリーニングで甲状腺機能低下症を指摘され,以来ホルモン補充療法を受けている.今回,病型診断のため来院した.甲状腺はびまん性に腫大し,軟らかい.甲状腺ホルモン投与中止後の検査は,FT4 0.4 ng/dL,TSH 56 μIU/mL,Tg 3 ng/mL,TgAb 0.5 IU/mL以下であった.甲状腺ヨード摂取率70%,パークロレイト放出試験は陰性であった.異常が最も疑われる遺伝子はどれか.
副腎腫瘍がある場合、コルチゾールの同時産生の有無を調べるため追加で検査(1mgデキサメタゾン抑制試験)を行います。
副腎はコルチゾール(ステロイド)、アルドステロン、性ホルモン、アドレナリンといった生命維持に必要なホルモンを作っている臓器です。副腎にできる腫瘍は、良性腫瘍や癌、血管腫などさまざまな種類があります。良性腫瘍でもホルモンを過剰に産生し、それによって高血圧や糖尿病などが引き起こされることもあります。
近年、人間ドックや副腎疾患の検査目的以外で画像検査が施行されることが多くなり、偶然副腎に腫瘍が見つかる頻度が増えています。当科では、近隣医療機関よりご紹介いただければ、入院の上、必要な検査や負荷試験を迅速に実施し、的確に診断を行い、治療へとつなげていきます。
偶然副腎に見つかった腫瘍の約半数は、ホルモンを過剰に産生しない良性腫瘍と言われています。残りの半数には、ホルモンを過剰に産生する良性腫瘍やがん、血管腫などさまざまな疾患があります。
「なぜ副腎に腫瘍ができるか」についてはまだわかっていませんが、一部のホルモンを過剰に産生する腫瘍は、特定の遺伝子変異が原因と言われています。
良性腫瘍でも、ホルモンが過剰に産生されると、そのホルモンに応じて症状が出ます。
・「コルチゾール」が過剰のとき
手足が細いのにお腹周りに脂肪がついたり、顔が丸くなったり、糖尿病、骨粗鬆症といった症状が出ます。
・「アルドステロン」が過剰のとき
高血圧、低カリウム血症といった症状が出ます。
・「性ホルモン」が過剰のとき
にきび、毛が濃くなるといった症状が出ます。
・「アドレナリン」が過剰のとき
高血圧、頭痛、動悸、多量に汗をかく、体重減少、便秘などの症状が出ます。
また、これらのホルモンが脳卒中や心不全を引き起こすこともあります。
ンでは、デキサメタゾン抑制 131I-アドステロールシンチは、下記を考慮のうえ.
腫瘍のサイズが小さく、ホルモンの分泌が過剰でない良性腫瘍は、定期的に採血やCTで確認しながら経過観察を行います。腫瘍のサイズが大きい場合やホルモンの分泌が過剰になっている場合は、「投薬」「手術」「ラジオ波焼灼術(自費診療 35万円)」などの治療が必要になることがあり、患者さん個々の原因や状態に応じた治療法を選択します。
②一晩大量デキサメタゾン抑制試験:前日深夜に大量(8mg)のデキサメタゾンを ..
当院の糖尿病・内分泌・代謝内科では、検査を迅速に行い、的確な診断を行える体制を整えています。「血圧の薬を飲んでいるのになかなか血圧が下がらない」「食事量は変わらないのに体重が増えてきた、顔が丸くなってきた」といった症状がある方は、ぜひ当科にご相談ください。
候群を疑い、デキサメタゾン抑制試験を行います。デキサメタゾン抑制試験は
糖尿病・内分泌・代謝内科は、糖尿病、高血圧など皆様に身近な生活習慣病から、1型糖尿病、副腎などの内分泌病、家族性高コレステロール血症などの遺伝病など、高度な専門性を必要とする病気まで幅広く対応しています。私たちのモットーは、目先の病気を治すことだけでなく、心臓、脳の病気、認知症、がんなどの予防医療に注力し、皆様と一緒に健康長寿、一病息災に取り組むことにあります。かかりつけ医師とご相談のうえ、今の病気の状態を一度見直してみませんか。
検査として、T3抑制試験を行う。 T3負荷で、TSHは下がる。
○ 概要
1.概要
下垂体から分泌されるADH、ACTH、TSH、GH、LH、FSH、PRLの単独ないし複数のホルモン分泌障害あるいは分泌亢進により、主として末梢ホルモン欠乏あるいは過剰による多彩な症状を呈する疾患である。病因は、下垂体自体の障害と、下垂体ホルモンの分泌を制御する視床下部の障害及び両者を連結する下垂体茎部の障害に分類される。実際は障害部位が複数の領域にまたがっていることも多い。
全ての前葉ホルモン分泌が障害されているものを汎下垂体機能低下症、複数のホルモンが種々の程度に障害されているものを複合型下垂体機能低下症と呼ぶ。また、単一のホルモンのみが欠損するものは、単独欠損症と呼ばれる。一方、分泌亢進は通常単独のホルモンのみとなる。
2.原因
汎ないし部分型下垂体機能低下症では、脳・下垂体領域の器質的疾患、特に腫瘍(下垂体腫瘍、頭蓋咽頭腫、胚細胞腫瘍など)、炎症性疾患(肉芽腫性疾患としてサルコイドーシス、IgG4関連疾患など、自己免疫性炎症性疾患としてリンパ球性下垂体炎など)、外傷・手術によるものが最も多い。分娩時大出血に伴う下垂体梗塞(シーハン症候群)の頻度は低下している。一方、単独欠損症はGHやACTHに多く、前者では出産時の児のトラブル(骨盤位分娩など)が、後者では自己免疫機序の関与が示唆されている。さらに抗PIT-1下垂体炎(抗PIT-1抗体症候群)など自己免疫で複合型の下垂体機能低下症をきたすこともある。まれに遺伝子異常に起因する例があり、POU1F1(PIT1; TSH、GH、PRL複合欠損)、PROP1(TSH、GH、PRL、LH、FSH複合欠損)、TPIT(ACTH)、GH1、GHRHR(GH)などが知られている。カルマン(Kallmann)症候群の原因遺伝子であるANOS1(KAL1)などの異常はLH、FSH欠損による先天性性腺機能低下症の原因となる。近年、頭部外傷、くも膜下出血後、小児がん経験者においても下垂体機能低下症を認めることが報告されている。
また、分泌亢進症に関しては、腺腫、上位の視床下部における調節機能異常などが挙げられる。
3.症状
欠損あるいは過剰となるホルモンの種類により多彩な症状を呈する。
4.治療法
基礎疾患に対する治療
原因となっている腫瘍性ないし炎症性疾患が存在する場合は、正確な診断のもとに、各々の疾患に対し、手術や薬物療法、放射線療法などの適切な治療法を選択する。
ホルモン欠乏に対する治療
下垂体機能低下症に対しては、欠乏するホルモンの種類や程度に応じたホルモン補充療法が行われる。下垂体ホルモンはペプチドないし糖蛋白ホルモンのため、経口で投与しても無効である。このため、通常、各ホルモンの制御下にある末梢ホルモンを投与する。GHやFSHのように、遺伝子組み換えホルモン等を注射で投与する場合もある。
以下に、ホルモンごとの補充療法の概略を示す。
デキサメタゾン抑制試験はデキサメタゾンが内因性コルチゾールよりはるかに強力な ..
分泌亢進症に対する治療
前述した基礎疾患の治療と並行して、あるいは治療後にもホルモン過剰による症状が残存した場合には、以下の治療を行う。薬物療法が不十分な場合には定位放射線療法が必要なことがある。
1) 一晩大量(8 mg)デキサメサゾン抑制試験で、翌朝の血中コルチゾール値が
●デキサメサゾン抑制試験は,視床下部-下垂体-副腎皮質系のフィードバック機構を背景に,Cushing症候群の病型分類を可能にした典型的内分泌学診断法である.
デキサメタゾン抑制試験の検査・診断する病気・下垂体と副腎の関係
●①少量のデキサメサゾンが正常下垂体からのACTH分泌を,大量のデキサメサゾンが下垂体腺腫からのACTH分泌を抑制し,その結果,コルチゾール分泌を低下させること,②フィードバック機構の支配を受けない異所性ACTH産生やACTH非依存性コルチゾール分泌亢進では,大量のデキサメサゾンによってもコルチゾール分泌を低下できないことを理解すれば,本試験がとても理論的な手法であることが納得できる.