不安や恐怖 ~②人前での過剰な緊張や不安 社交不安障害(あがり症)


SSRIは選択的セロトニン再取り込み阻害薬のことで、脳内の細胞外セロトニン濃度を上昇させることで、抗うつ作用を示すとされています。SSRIの開発は、その副作用の少なさから、うつ病の薬物療法に多大な影響を与えました。SSRIは抗うつ作用のみならず、抗不安作用も有していることから、強迫性障害、全般性不安障害、社会不安障害などにも使用されるようになりました。わが国で全般性不安障害に適応はありませんが、よく使用されているSSRIを紹介します。


適応は、虚弱な体質で血色の悪い人の次の諸症:貧血、不眠症、神経不安、神経症 ..

SSRIは三環系抗うつ薬と比較すると副作用が少なく、十分な効果が期待できる薬剤です。セロトニン系に作用する薬剤であるため、副作用としては、主に吐き気・下痢・不眠・性機能障害などが出現することがあります。

適応は、虚弱な体質で神経がたかぶるものの次の諸症:神経症、不眠症

治療に当たっては、セロトニンなど脳内の神経伝達物質の不足を調整することが重要です。そのため、薬物療法と認知行動療法が中心となります。

この薬も薬物相互作用が少ないとされており、用法も1日1回であることからよく用いられています。日本ではうつ病、うつ状態の他、パニック障害、外傷後ストレス障害(PTSD)に適応があり、海外では強迫性障害、月経前気分障害、全般性不安障害の治療薬としても使用されています。主な副作用は、吐き気、眠気、口の乾き、頭痛、下痢、めまいがあります。効果は比較的マイルドですが、副作用で離脱(薬が続けられなくなること)が少ないため、全般性不安障害に対して最も推奨されるSSRIの一つです。

漢方では「気うつ」という概念があり、抑うつや、不安、息が詰まるようになる感じ、喉につまるような感じなどを指します。半夏厚朴湯はその「気うつ」を改善すると言われており、体力が中等度以下で、不安を強く感じる方に処方されています。

成人の社交不安症に対して有効とされている治療には、薬物療法と精神療法(心理的介

このようにうつ病に不安障害が併存している可能性は高く、診療上意識する必要があると考える。近年、不安障害の治療に広く用いられるSSRIは、細胞外セロトニン濃度上昇を介して扁桃体グルタミン酸神経の活性化を抑制することが動物実験で示されている本パンフレットで紹介したSSRIであるレクサプロは臨床試験において、うつ病患者の精神的不安の項目の1つである内的緊張を改善し、また社会不安障害患者における有効性が示されている。またレクサプロ10mgの反復投与は脳内セロトニン・トランスポーターを約80%占有する用量であることがSPECTを用いた研究で示されておりこの用量を投与すると大部分のセロトニン・トランスポーターが不活化すると考えられている。すなわち、レクサプロ10mgは治療用量として合理的であり、この用量で治療開始できる臨床的有用性は高いと言えよう。一方、脳内セロトニン・トランスポーターを約80%占有する用量には個体差があるので、レクサプロ10mgで効果が十分でない場合には20mgへの増量が必要となる場合もある。以上のように、レクサプロはうつ病・うつ状態、社会不安障害の治療選択肢の1つとして有用と考えられる。

日本で初めて上市されたSSRIであり、うつ病、強迫性障害や社会不安障害の治療によく用いられます。SSRIとしては用量調節の幅が広く、マイルドに効く印象で単剤では副作用が少ないです。一方、多剤の併用時には薬物相互作用には一定の注意が必要であり、当院で使用する場合は、当院と連携の薬局で、ダブルチェックを行っております。

エスシタロプラム(商品名:レクサプロ):不安障害とうつ病の治療に用いられます。 ..

観察期及び後観察期の副作用は、レクサプロ10mg群198例中102例(51.5%)、レクサプロ20mg群193例中111例(57.5%)、プラセボ群196例中56例(28.6%)に認められた。主な副作用は、レクサプロ10mg群では傾眠18.7%、悪心14.6%、浮動性めまい8.6%等、レクサプロ20mg群では傾眠22.3%、悪心17.6%、浮動性めまい9.3%等、プラセボ群では傾眠7.7%、頭痛5.6%、悪心4.1%等であった。重篤な副作用は、レクサプロ10mg群で痙攣が1例(0.5%)、レクサプロ20mg群で糖尿病が1例(0.5%)に認められたが、プラセボ群では認められなかった。投与中止に至った副作用は、レクサプロ10mg群10例(5.1%)に17件(頭痛が3件、悪心、上腹部痛、浮動性めまいが各2件等)、レクサプロ20mg群10例(5.2%)に11件(悪心が2件、躁病、心電図QT延長、嘔吐、浮動性めまい、動悸、易刺激性、糖尿病、倦怠感、傾眠が各1例)、プラセボ群6例(3.1%)に7件(不安が2件、社交恐怖症、不眠症、うつ病、自殺念慮、頭痛が各1件)認められた。

適応は、虚弱な体質で血色の悪い人の次の諸症:貧血、不眠症、神経不安、神経症


24) 社会不安障害に対する長期投与試験(レクサプロ錠:2015 年 11 月

観察期及び後観察期の副作用は、レクサプロ10mg群120例中76例(63.3%)、レクサプロ20mg群119例中90例(75.6%)、レクサプロ併合群239例中166例(69.5%)、パロキセチン群121例中86例(71.1%)、プラセボ群124例中64例(51.6%)に認められた。主な副作用はレクサプロ10mg群では傾眠(15.0%)、悪心(13.3%)、浮動性めまい、腹部不快感(各9.2%)、レクサプロ20mg群では悪心(21.0%)、傾眠(20.2%)、浮動性めまい(10.1%)、レクサプロ併合群は傾眠(17.6%)、悪心(17.2%)、浮動性めまい(9.6%)、パロキセチン群は傾眠(25.6%)、悪心(17.4%)、浮動性めまい(9.9%)、プラセボ群では悪心(11.3%)、傾眠(9.7%)、頭痛(5.6%)であった。重篤な副作用は、レクサプロ10mg群でうつ病・自殺企図1例(0.8%)、パロキセチン群で自殺念慮1例(0.8%)に認められたが、レクサプロ20mg群及びプラセボ群では認められなかった。投与中止に至った副作用は、レクサプロ10mg群で5例(4.2%)に8件(自律神経失調、腹部不快感、心室性期外収縮、心電図QT延長、胸部不快感、頭痛、嘔吐、肝機能異常)、レクサプロ20mg群で5例(4.2%)に11件(腹部不快感、食欲減退、呼吸障害、頭痛、冷汗、動悸、悪心、双極1型障害、浮動性めまい、無力症、入眠時幻覚)、パロキセチン群で3例(2.5%)に9件(頭痛、倦怠感、傾眠が各2件等)、プラセボ群で3例(2.4%)に3件(疼痛、易刺激性、椎間板突出)認められた。

レクサプロ (エスシタロプラムシュウ酸塩) 持田 [処方薬]の解説、注意

主要評価項目である8週時におけるMADRS合計点の変化量について、レクサプロ併合群はプラセボ群に対する優越性とパロキセチン群に対する非劣性が検証された(図5)。また本試験では、レクサプロ併合群はMADRSサブスケールの精神的不安の1つの項目である内的緊張(漠然とした不快感、イライラ感、内的混乱、さらにはパニック、恐怖、苦悶のいずれかに至る心的緊張)、他5項目など6項目に関して、投与8週時にプラセボ群に対し有意に改善した(図6)

26)社会不安障害に対する長期投与試験(レクサプロ錠:2015年11月20

12週時におけるLSAS-J合計点の変化量(LOCF、平均値)は、レクサプロ10mg群-26.9点、20mg群-32.6点、プラセボ群-23.1点であった(図7)。LOCFでの解析ではレクサプロ10mg群とプラセボ群の間に有意な差はみられなかったが、OCでの解析及びMMRM解析では、レクサプロ10mg及び20mg群とプラセボ群との間に有意な差を認めた(図8)。さらにLSAS-J合計点の変化量のOCでの解析では、レクサプロ10mg群で4週時より、20mg群で2週時よりプラセボ群に対する有意な差を認めた(図9)。以上のことから、社会不安障害に対するレクサプロの有効性が示された。

MLD-55 の社交不安障害患者に対する有効性は、持田製薬株式会社が国内で実施した ..

近年SSRIは不安障害の治療に広く使われているが、その不安症状を改善する作用の機序が解明されてきたのは1996年以降であった。この頃から、SSRIがセロトニン神経伝達を促進することにより不安を和らげること、SSRIの作用部位が扁桃体であることなどが報告されてきた。さらに、動物実験モデルである「恐怖条件付けストレス」を用いた研究の結果から、SSRIは細胞外セロトニン濃度上昇を介して扁桃体グルタミン酸神経の活性化を抑制し、不安症状改善作用をもたらすと考えられている

主な症状として、中枢神経障害(めまい、振戦、不安、焦燥、興奮、

大うつ病性障害患者に対して、無作為化二重盲検下でエスシタロプラム10mg/日またはプラセボを7日間投与し、恐怖及び幸福の表情認知に対する扁桃体のBOLD信号の変化を観察した。BOLD信号の増加は、神経活動の亢進に伴う脳血流量の増加を示しており、扁桃体においては不安・恐怖反応の増大を意味する。本研究の結果、幸福の表情認知におけるBOLD信号変化率はプラセボ群とエスシタロプラム群とで有意な差は認められなかった。一方、恐怖の表情認知におけるエスシタロプラム群とプラセボ群のBOLD信号変化率は有意な差があり、また、恐怖の表情認知では、大うつ病性障害患者(プラセボ群)のBOLD信号変化率は健康成人と有意に異なることが示された(図4)。このことから、うつ病患者で増加する恐怖の表情認知に対する扁桃体の活性化が、エスシタロプラムの投与によって抑制されたと考えられる。

効能・効果. うつ病・うつ状態、社会不安障害。 効能・効果に関連する注意. (効能又は効果に関連する注意).

新規抗うつ薬の中では副作用も比較的強いですが、最強のSSRIとして知られ効果がもっとも強い部類の薬です。うつ病、うつ状態の他、パニック障害、強迫性障害、社会不安障害、外傷後ストレス障害などに広く用いられます。副作用は、吐き気、眠気、口の乾き、めまい、便秘などがあります。(他の SSRIでも起こりうることですが)、急に中断するとめまい、知覚障害、睡眠障害、不安、焦燥感、震え、発汗、頭痛、下痢などの離脱症状が出現することがあり、減薬は段階的にゆっくりと行います。

レクサプロ(エスシタロプラム)は主にセロトニンの働きを高める作用のある薬で、うつ病や様々な不安障害 ..

社交不安障害は遺伝的な要因が関与している可能性を指摘する研究も多く、遺伝子研究により、特定の遺伝子が社交不安障害の発症に関連していることが既に示唆されています。具体的には、セロトニン関連の遺伝子や遺伝子多型が関与している可能性があるようです。遺伝的な要因だけでなく、遺伝子と環境の相互作用も社交不安障害の発症に影響を与える可能性があり、環境要因(例: 経験やストレス)が、遺伝的な傾向を引き出す役割を果たすことが示唆されています。また、単一の遺伝子ではなく、複数の遺伝子が関与してリスクが増大することが考えられています。遺伝学的な要因だけでなく、神経生物学的、環境的、心理的な要素を総合的に考慮することが実際には重要で、多くの研究では、これらの要素を統合したアプローチを取っています。

自律神経の不調を整えるためには? (2015/01/05); 睡眠時間・睡眠リズムの話 ..

環境要因の一つとして家族環境は社交不安障害の発症に関連している可能性があるとされています。過保護な家庭環境や過度な批判や非難をはじめとする家族内の否定的な対応が、社交不安障害のリスクを増加させるという研究結果があります。また、家族の社交的スキルや社交モデルの欠如も影響を与える可能性があります。ほかにも友人関係や社会的な経験も社交不安障害に影響を与える要因とかんがえられており、過去のいじめや否定的な社会的体験、集団での発言や注目を受ける状況での過去の失敗体験などのネガティブな記憶も社交不安障害のリスクを高めるとされています。加えて社会的なストレスやトラウマとなるような経験は、社交不安障害の発症や症状の重症度と関連している可能性があり、過去のトラウマ、人間関係の問題、学校や職場でのプレッシャーなどが社交不安障害の発症や悪化に寄与すると考えられています。文化的な要因も社交不安障害に影響を与える可能性があり、社交的期待や価値観の違い、社会的な評価や役割のプレッシャー、集団文化の特性などが、社交不安障害のリスクや症状の発現に関与するとされています。これらの環境要因は、社交不安障害の発症や症状の重症度に影響を与える可能性がありますが、一般化することは難しく現在も研究段階の知見ではあります。

レクサプロ錠10mgの基本情報(薬効分類・副作用・添付文書など)

不安症状とうつは日常診療においてしばしばみられ、併存例も多く認められる重要な精神症状です。
またいずれの症状においても、扁桃体の活性化が重要な役割の一端を担っています。
近年、扁桃体を介した不安と恐怖の発現機序が解明されつつあるとともに、SSRIの不安症状改善作用の発現機序が扁桃体への影響を介していることが様々な研究により報告されています。

内に作用し、脳内の神経伝達をスムーズにし、抑うつ気分や不安を和らげます。 ・次の病気の人に処方されます。 うつ病・うつ状態、社会不安障害

SNRIは選択的セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬のことで、脳内の細胞外セロトニン・ノルアドレナリンの濃度を上昇させることで、抗うつ作用を示すとされています。わが国では全般性不安障害に適応はありませんが、よく用いられているSNRIを紹介します。