抗生剤(抗菌剤)の適正使用 (後編) | みうら小児科クリニック
・ピボキシル基を有する抗菌剤(セフカペンピボキシル(フロモックス)、セフジトレンピボキシル(メイアクト)、セフテラムピボキシル(トミロン)、テビペネムピボキシルなど)
:低カルニチン血症(小児で低血糖、痙攣、脳症を起こす)の副作用あり。テビペネムピボキシル(オラペネム)は7日間までの処方制限あり
・ピボキシル基を有する抗菌剤(セフカペンピボキシル(フロモックス)、セフジ ..
アモキシシリン水和物とは、ペニシリン系抗生物質の一種であり、細菌感染症の治療に広く用いられる薬剤です。
・胃腸炎
:カンピロバクター、サルモネラ菌などが原因。前者はクラリスロマイシン、後者はホスホマイシンが効くが、「抗菌剤適正使用」の点から「軽症には抗菌剤不要」とされている。
第一選択薬はアモキシシリンまたはクラブラン酸カリウム・アモキシシリン
マクロライドアレルギーの患者さん
クラリスロマイシンの併用禁忌:自閉症などに用いられるピモジド(商品名:オーラップ)、片頭痛薬のエルゴタミン製剤(商品名:クリアミン、ジヒデルゴット)及び肺動脈性高血圧薬のタダラフィル(商品名:アドシルカ)に対してはピモジド、エルゴタミン製剤及びタダラフィルの血中濃度を上げるために禁忌です。肝臓、腎臓に障害があり、痛風及びベーチエット薬のコルヒチン服薬中の患者さんでは、コルヒチンの毒性増強のため併用禁忌です。
急性上気道炎(かぜ)の原因はウイルス(アデノ、インフルエンザ、ライノ、コロナなど)であり、細菌ではないため抗生剤は効果がありません。不要な抗生剤の内服は、効果がないところか、体内に薬剤耐性菌を誘導してしまう恐れがあります。薬剤耐性菌を保菌していると本当に抗菌薬が必要な時、例えば手術や菌血症などの重症細菌感染症にかかった時に、抗菌薬が効かなくて治療に難渋します。世界的に多剤耐性菌が出現し、効果のある抗菌薬の種類は減っている一方で、新規の抗菌薬の開発は限界にきているともされています。いまある抗菌薬を適切に使用して、耐性菌を作らない取り組みがクリニックなどの日常診療でも必要です。実際、小児科の外来では、抗生剤を使う場面は限られています。薬剤耐性菌からお子様を守り、無用な薬剤耐性菌を作らないためにクリニックでは、抗菌薬は、本当に感染症が疑われるときのみに限定して処方するようにしています。
のは、原則としてA群β溶連菌による咽頭炎で、その治療は原則としてアモキシシリンで行う。 ..
口腔カンジダ症はカンジダが白いコケ状に付着し疼痛、違和感などが認められる真菌感染症です。症状が軽度の際は口腔清掃、含嗽などで軽快します。特に義歯を使用している方は義歯を清掃してください。軽度では重曹によるうがいも効果的です(ぬるま湯100ml程度に重曹茶さじ1杯程度)。
肺炎球菌は中耳炎の25~50%の頻度であり、ことから、ペニシリン系抗生剤を高用量で十分対応可能です。また日本では肺炎球菌のマクロライド耐性肺炎球菌は9割にもなることからマクロライド系抗生物質は推奨されません。
歯科ではアモキシシリン水和物(商品名:サワシリン錠 250mg他 ..
鼻副鼻腔炎は、副鼻腔炎に感染が起こると発症します。副鼻腔に感染が成立するためには、ウイルス性鼻炎やアレルギー性鼻炎による炎症や浮腫が副鼻腔の排出経路がブロックされて、二次性に細菌感染が起こります。ですので、副鼻腔炎の大多数はウイルス性であり、抗菌薬は不要です。急性鼻副鼻腔炎の原因菌は肺炎球菌とインフルエンザ菌の2つで約80%を占めます。鼻腔の培養と副鼻腔炎の原因微生物の間には相関がないので鼻腔培養を行う意味はありません。ですので、1) 鼻汁や後鼻漏、夜間の咳など症状の改善がないまま10日間以上持続している、2) 39度以上の発熱と膿性鼻汁が3日以上続き重篤感がある、3) 最初は上気道炎だったが、1週間経過して再び38度以上の発熱が見られ、呼吸器症状が増悪するなどの症状がある時に治療の対象となります。
フィリピンの土壌から1952年に発見され、ペニシリン、セフェム系とは異なった化学構造で、抗炎症作用、免疫調節作用など抗菌力以外の作用もあるため、慢性閉塞性肺疾患などにも使用されています。歯科ではクラリスロマイシン(商品名:クラリス他)アジスロマイシン(商品名:ジスロマック他)が処方されることが多いです。マクロライド系は、安全性は高いですが、クラリスロマイシンは肝臓のチトクロームで代謝されるため、同じ部位で代謝される薬剤は併用注意となるために、併用注意薬があります。薬局などでご確認ください。重篤なものは併用禁忌となっています。
アモキシシリン/クラブラン酸, アモキシシリンとして250㎎, 1 ..
4歳以下の乳幼児の肺炎は主にウイルス性が占めており、細菌性は10%程度です。細菌としてはなどが原因となります。近年アメリカの小児科学会の提言によると「適切に予防接種が実施され、合併症のない小児の市中肺炎にはアンピシリンより広域な抗菌薬を使用すべきではない」と述べられています。予防接種により肺炎球菌やインフルエンザ菌による重症感染症はほとんど経験することがなくなりました。そういった点でも、外来ではアモキシシリン以上の抗菌薬を選択する意味はないように考えます。
[PDF] セフェムアレルギーと βラクタム系抗菌薬の使用(交差反応)
主な原因菌はなどです。マイコプラズマ感染症は5~12歳の学童に多く、主に気管支炎や肺炎を引き起こします。診断はLAMP法などで行います。近年、日本を含むアジアではマクロライド耐性のマイコプラズマが増加傾向にあります(2012年のデータでは耐性菌は81.6%にもなります)。マイコプラズマは自然軽快することも多いことから、私はマイコプラズマに対しては、マクロライド系抗生物質であるアジスロマイシンを第一選択にしています。マクロライドに効果がない場合は、第2選択としてクリンダマイシンやテトラサイクリンが候補になりますが、クリンダマイシンはマクロライドとの交叉耐性の問題がありますし、テトラサイクリンは8歳未満のお子さんでは歯牙黄染(3~4%)を起こすことがあり安易な処方には注意が必要です。治療抵抗性のマイコプラズマ感染症に対してはプレドニゾロン2㎎kg/dの有効性が認められており、抗生剤ではありませんが選択肢のひとつとして考えてもよいと考えています。
セフジトレンピボキシル(CDTR-PI) 、セフカペンピボキシル(CFPN-PI)経口 ..
細菌は人間の都合に合わせてくれません。細菌は「この子は保育園に行ってるから手加減してやろう」なんていうことはなく、「どうにかして生き延びよう」とするものです。抗菌剤は適切な量を適切な回数使うことも大事なことです。
中等症又は重症の場合 アモキシシリン(AMPC)高用量内服 5~7 日間.
小児の皮膚感染症は、伝染性膿痂疹(とびひ)や蜂窩織炎が多く主な原因菌はや溶連菌です。治療の基本は洗浄で皮膚の清潔を保つことが重要です。そのうえで、ほとんどのケースでは外用抗生剤(軟膏)で対応可能です。抗生剤の内服が必要な例としては、皮下組織に進展している、発熱を伴う、リンパ節炎を伴う、多発性(5か所以上)、アトピー性皮膚炎の合併がある例などです。まだ市中感染のMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)の頻度は多くないことから、まずは第1世代のセフェム系で開始します。
[PDF] 【4】Q&A 腎機能に応じた抗菌薬の投与量について
第3世代セフェム系抗菌薬のなかで、セフカペンピボキシル:フロモックス®、セフジトレンピボキシル:メイアクト®などピボキシル基がついているものは長期に使用するとカルニチンを消費してしまいになることが分かってきました。カルニチンは脂肪酸をアシルカルニチンにβ酸化してエネルギーを得るために使われるため、長期にピボキシル基がついた抗菌薬を使用すると、脂肪からエネルギーが作れず、糖を消費してしまい低血糖を引き起こしてしまいます。
経口用セフェム系抗生物質製剤 · セフジトレンピボキシル小児用細粒10%「OK」 · セフジトレンピボキシル · 100mg1g.
オーグメンチンは、小児の感染症治療においても広く使用される抗生物質であり、特に中耳炎や副鼻腔炎、扁桃炎などの上気道感染症に罹患した小児患者様に対して効果を発揮し、その安全性プロファイルと投与の簡便さから、小児科領域で重要な位置を占めています。
なぜ抗生物質は飲みきらないといけないのか? | フラワー薬局通信
オーグメンチンはペニシリン系抗生物質を含むため、過去にペニシリンアレルギーの既往がある患者さんでは使用が禁忌となり、注意深い問診と既往歴の確認が重要であり、類似薬剤でのアレルギー歴についても詳細な聴取が必要です。
[PDF] 浜松市内科医会 AAS 第 5 報 経口第 3 世代セフェム系抗菌薬の問題点
例えば、喉の急性細菌性咽頭炎(ほとんど溶連菌が原因)と急性細菌性中耳炎(主に肺炎球菌、インフルエンザ菌が原因)は、どちらも抗菌剤アモキシシリン(当院はワイドシリン)が第一選択薬です。効果の関係から、前者と診断したら処方量を「体重あたり30mg/日」、後者でしたら「体重あたり40-50mg/日」と変えています。
セフジトレンピボキシル錠100mg「トーワ」とメイアクト錠100 を、
クラリスロマイシンやアジスロマイシンなどのニューマクロライドは、肺炎マイコプラズマやクラミジア肺炎などの非定型病原体にも効果を示し、幅広い呼吸器感染症に使用されるだけでなく、βラクタム系抗菌薬との相乗効果も期待できるため、併用療法の選択肢として重要です。
クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(セフジトレン ピボキシルと
オーグメンチン(アモキシシリン水和物/クラブラン酸カリウム)とプロベネシドの併用は禁忌とされており、両薬剤を同時に使用することで重大な相互作用が生じる可能性があるため、処方時には十分な注意が必要です。
アモキシシリン(サワシリン・パセトシン)1回500㎎を1日3回内服5~7日間が第1 ..
プロベネシドは尿酸排泄促進薬として使用される薬剤ですが、腎尿細管におけるアモキシシリンの排泄を阻害する作用があり、この機序によりオーグメンチンの体内動態に大きな影響を与える可能性があります。
アモキシシリン単剤よりもクラブラン酸との合剤、が推奨されてい ..
この相互作用によりアモキシシリンの血中濃度が上昇し、副作用のリスクが高まる恐れがあるため併用を避けることが推奨されており、特に腎機能低下患者や高齢者では注意が必要です。