GLP-1受容体作動薬は注射薬が主でしたが、近年内服薬(リベルサス)も開発されました。 ..


妊娠糖尿病とは、妊娠中に初めて発見または発症した糖尿病に至っていない糖代謝異常と定義されています。妊娠中の方で、妊娠24週頃に行う50 gブドウ糖負荷試験で1時間値が140 mg/dLを超える場合や、定期的な血液検査で高血糖が確認された場合に、75 gブドウ糖負荷試験が実施されます。この試験において、空腹時血糖92 mg/dL以上、1時間値180 mg/dL以上、2時間値153mg/dL以上のいずれか1点以上を満たした場合、妊娠糖尿病と診断されます。妊娠糖尿病は、妊娠中の病気の中でも特に高い発症率を持ち、妊娠している方の7~9%がこの診断を受けています。
妊娠中の高血糖は、母体だけでなく胎児にも多くのリスクをもたらすため、妊娠糖尿病と診断された場合は、迅速に適切な血糖コントロールが必要です。具体的な目標としては、食前の血糖値が95 mg/dL未満であり、かつ食後2時間の血糖値が120 mg/dL未満となるよう努めることです。
治療については食事療法が基本になり、血糖値をコントロールするために、食事を1日6回に分けて摂取するよう心がけます。1日の摂取カロリーは、30×理想体重 (=22×[身長m]2) に付加量を加えたものとなります。付加量については、妊娠初期(16週未満)が50 kcal、妊娠中期(16~28週未満)が250 kcal、妊娠後期(28週以降)が450 kcalとなりますが、妊娠前のBMIが25以上の肥満がある場合には付加量は適用されません。食事療法を行ったにもかかわらず、目標とする血糖値が達成されない場合は、出産まで一時的にインスリンを使用して血糖管理を行います。
出産後は通常の食事に戻すことができますが、妊娠糖尿病の方は将来的に糖尿病になるリスクが、妊娠糖尿病のない方と比較して約7.4倍高くなることが示されています。そのため、出産後も定期的な健康診断を受け、ご自身の血糖状態を見守っていくことが重要です。なお、より詳しい説明についてはをご覧ください。


リベルサスの副作用とは?より安全な処方を受ける方法も含めて医師が解説し ..

単一遺伝子による糖尿病の中で最も多い疾患はミトコンドリア糖尿病になります。ミトコンドリア糖尿病は見逃されていることが多いとされ、日本の糖尿病患者さんの約1%と言われています。この疾患は、多くの場合が母親由来のミトコンドリアが原因であることから、母から遺伝します。症状としては、大部分の患者さん(約90%)で難聴を伴うことが特徴で、また心刺激伝導障害、心筋症、脳筋症などの合併を認めることも多いとされています。
治療については、インスリン分泌が低下していることが多く、ほとんどの方がインスリン治療を余儀なくされます。
それ以外の遺伝子異常で起こる糖尿病としては若年発症成人型糖尿病(MODY)があります。この疾患は、常染色体優性遺伝であり、原因遺伝子は現在13種類報告されています。日本では、25歳未満での糖尿病患者さんの約11.5%がこの疾患であると報告されております。MODY1もしくはMODY 3の場合はスルホニル尿素薬(SU薬)に対する反応が良いことから、1型糖尿病ではない25歳未満の肥満ではない糖尿病患者さんは、MODYを疑って遺伝子診断を行うと良いでしょう。

低血糖、尿路・性器感染、脱水、頻尿、皮膚症状など
※高齢者、体調の悪いとき、脱水になりやすい状態のときには上記以外の重い副作用も出ることがあります。

リベルサスRは早朝空腹時に内服すると、SNACという物質の作用で、胃壁から吸収 ..

ここまで血糖コントロールの重要性をお話してきましたが、高齢者においては厳格な血糖コントロールが必ずしも良いとは言えません。患者さんの特性(年齢、認知機能、身体機能、併発疾患、重症低血糖のリスク、余命など)を考慮して個別に目標とするHbA1c値を設定することが重要です。
当クリニックでは、以下に示す日本糖尿病学会と日本老年医学会から成る合同委員会が推奨した高齢者糖尿病の血糖コントロール目標に沿って治療を進めて参ります。

食欲不振、吐き気、便秘、下痢など
※高齢者、ほかの病気のある方は副作用が重く出ることがあります。
※造影剤を使用する検査を受ける前はいったん中止します。
※たくさんお酒を飲む場合はこの薬は使えません。
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GLP-1とは? セマグルチド(リベルサス®) 作用特性 注射薬もある。 DPP-4に分解されに…

GLP-1受容体作動薬は、体内で生成されるGLP-1とは異なり、体内の酵素による分解を受けにくい性質を持っています。これにより、膵臓を刺激してインスリンの放出を促進し、血糖値を低下させます。同時に、血糖値を上昇させるグルカゴンというホルモンの分泌を抑制し、また胃の内容物の排出を遅らせることにより食後の血糖上昇を抑制します。さらに、多くのGLP-1受容体作動薬は食欲中枢に作用して食欲を抑制する効果があることも知られています。GLP-1受容体作動薬は、その効果が持続する時間によって、短時間作用型と長時間作用型に分類されます。
短時間作用型のGLP-1受容体作動薬は、長時間作用型と比較して胃の内容物の排出をより遅らせることにより、食後の血糖上昇をより強力に抑制します。これに属する薬剤には、バイエッタ(エキセナチド)とリキスミア(リキシセナチド)があります。ただし、バイエッタはスルホニル尿素薬と併用する必要があり、またリキスミアは1日に1回しか使用できない制約があります。そのため、短時間作用型のGLP-1受容体作動薬はあまり広く使用されていない傾向があります。
長時間作用型のGLP-1受容体作動薬は、1日1回または1週間に1回の投与で効果をしっかりと発揮するため、短時間作用型と比較して多くの場面で使用されています。これに属する薬剤には、1日1回投与のビクトーザ(リラグルチド)、1週間に1回投与のトルリシティ(デュラグルチド)とオゼンピック(セマグルチド)があります。
ビクトーザには、インスリンとの配合剤であるゾルトファイ(インスリンデグルデク/リラグルチド)があるため、インスリン治療を受けている患者さんに広く使用されています。トルリシティは体重減少効果が弱いため、高齢者や肥満のない2型糖尿病の方に適しています。オゼンピックは、GLP-1受容体作動薬の中で最も優れた血糖改善効果と体重減少効果を持つため、最近では使用されるケースが増えています。

インスリン治療で使用される製剤には、超速効型、速効型、中間型、持効型の4つのタイプがあります。現在では、糖尿病患者さんのインスリン分泌を健康な人のインスリン分泌に近づけるために、ヒトインスリンのアミノ酸配列に人工的な変更を加えたインスリンアナログ製剤(超速効型と持効型)を使用するのが一般的です。

内服薬のリベルサスについては比較的流通が保たれているようです。また、糖尿病 ..

糖尿病の注射剤には、インスリン製剤とGLP-1受容体作動薬、そしてGIP/GLP-1受容体作動薬の3つのカテゴリが存在します。これらの薬剤は、糖尿病の内服薬のみでは良好な血糖コントロールが困難な場合に使用されることが一般的です。

:セイブル(ミグリトール)、ベイスン(ボグリボース)、グルコバイ(アカルボース)
これらの薬剤は、糖質の分解を阻害して腸からのブドウ糖の吸収をゆっくりにすることで、食後の血糖上昇を抑える作用があります。このタイプの薬剤は3種類存在し、それぞれ異なる特徴を持っています。
ベイスンとグルコバイには糖尿病発症予防効果があり、ベイスンは耐糖能異常(いわゆる糖尿病予備軍)の方に使用できます。副作用については、セイブルとベイスンでは下痢や軟便が多くみられ、グルコバイでは便秘が多いという特徴があります。
また、当クリニック院長が所属していた日本医科大学では、この3種類の効果を比較する研究がされ、このうちセイブルにのみ体重減少の効果が報告されました。(


[PDF] リベルサス錠に関する費用対効果評価 [第 1.0 版]

受容体作動薬は糖尿病治療のために作られた薬なのですが、近年の研究で心臓・腎臓を傷めてしまった患者さんに大きな利益をもたらされることが実証されており、上図にもある通り、最近では心血管疾患・慢性腎臓病を患っている患者さんに受容体作動薬を投与しましょう、という動きが加速しています。

リベルサス錠(以下、本剤)に含まれるセマグルチド(遺伝子組換え ..

肥満を合併する、インスリン血糖値を下げるホルモンは潤沢に出ているが、それがうまく効いていない「インスリン抵抗性」が想定される患者さんでは優先順位第位、肥満のない、インスリンを自前で作る力がもともと体質的に弱い「インスリン分泌不全」が想定される患者さんでは優先順位は下位、下から番目となっています。体重減少が期待できるため、肥満のある患者さんには優先的に投与を検討するのですが、これ以上減量の必要のない、投与によってかえってやせすぎとなってしまう懸念のある患者さんにおいては優先順位が低くなります。

Dias S, Welton NJ, Sutton AJ, Caldwell DM, Lu G, Ades AE

毎回出している「型糖尿病の薬物療法のアルゴリズム」を見ると、受容体作動薬は、肥満・非肥満によって薬物選択の優先順位が大きく異なることがわかります。

リベルサス(経口セマグルチド)の臨床試験についてまとめています。

余談ですが、受容体作動薬は上述のメカニズムによる体重減少が期待できるため、以前紹介した阻害薬と同様、一部の自由診療クリニックなどで若年女性などをターゲットに、糖尿病ではないがダイエットをしたい、という方に向けて自費で処方されているようです。しかし、これまで述べてきたような注意点に留意し、処方に精通した医師が慎重に投与すべき薬と考えますので、私はあまり好ましくないことだと考えています。ただ、現状未発売ではあるものの、「糖尿病ではない、しかし肥満による合併症高血圧症、脂質異常症などを有する患者さん」でも保険で使える受容体作動薬の発売が近々予定されています。使用する患者さんは適切に選ぶ必要がありますが、糖尿病のない患者さんでも受容体作動薬による体重減少の恩恵を受けられる時代が近づいています。

しかし、内服薬のリベルサス®は、胃で吸収されやすくするために、下図の ..

:シュアポスト(レパグリニド)、グルファスト(ミチグリニド)、スターシス(ナテグリニド)、ファスティック(ナテグリニド)
速攻型インスリン分泌促進薬は、膵臓を刺激してインスリン分泌を増加させる薬剤です。この薬剤はスルホニル尿素薬に類似していますが、内服してからの効果発現がより早いため、食後の血糖値を効果的に下げるのに役立つ薬剤です。また作用時間が短いため、低血糖のリスクは存在しますが、スルホニル尿素薬と比較してそのリスクが低いのが特徴です。

[PDF] 糖尿病薬のトリセツ」 大阪市立総合医療センター WEBセミナー

私は外来で、リベルサスをうまく内服できている方に「薬は家のどこに置いているか」「分間どのように過ごしているか」を必ず伺うようにしています。前者は、大体寝室かリビングの目につくところに置いて、朝目覚めたら視界に入るようにしている、という方が大多数で、人数的にもほぼ半々です。後者は様々で、テレビや新聞、やスマホで時間をつぶす方、身支度にあてる方、朝シャワーに入るのでそれで時間が過ぎる方、家事を行う方、あるいは内服後寝てしまっても構わないので、二度寝して起きたら時間が過ぎている、という方、いろいろな方がいらっしゃいます。

肥満2型DMへの経口セマグルチド、最適な用量・期間は?/Lancet(2023/07/07掲載)

:リベルサス(セマグルチド)
GLP-1受容体作動薬は、体内で分泌されるインクレチン(GLP-1とGIP)とは異なり、DPP-4で分解されにくいため、膵臓のGLP-1受容体を刺激してインスリン分泌を増加させ血糖値を下げます。GLP-1受容体作動薬は、胃や腸での吸収が難しく、また消化酵素によって速やかに分解されるため、以前は注射剤の形態しか存在しませんでした。しかし、サルカプロザートナトリウム(SNAC)という吸収促進剤の開発により、GLP-1受容体作動薬の経口製剤であるリベルサスが市場に登場しました。
リベルサスは他のGLP-1受容体作動薬と比較して治療費が抑えられる利点もありますが、服用方法はやや複雑です。空腹時に120 mL以下の水と共に服用し、その後30分間は飲食を控える必要があります。また、他のGLP-1受容体作動薬と同様に、便秘や下痢、嘔吐などの消化器症状が副作用として発生することがあります。
リベルサスを含むGLP-1受容体作動薬は、食欲を抑制し体重減少の効果を持っています。このため、最近では糖尿病でない人が、ダイエットや美容の目的で使用するケースが増加しています。しかし、このような適応外使用に関しては、日本糖尿病学会と同様に、当クリニックでも推奨していません。おすすめできない理由についてはをご覧ください。

[PDF] 主な糖尿病治療薬の腎機能に応じた処方提案 ver3.0

:ジャヌビア(シタグリプチン)、グラクティブ(シタグリプチン)、テネリア(テネリグリプチン)、トラゼンタ(リナグリプチン)、ネシーナ(アログリプチン)、オングリザ(サキサグリプチン)、エクア(ビルダグリプチン)、スイニー(アナグリプチン)、マリゼブ(オマリグリプチン)、ザファテック(トレラグリプチン)
食事を摂ると、GIP(グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド)とGLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)というホルモンが小腸から分泌されます。これらの2つのホルモンを総称してインクレチンと呼び、膵臓に対してインスリン分泌を促進します。しかし、インクレチンはDPP-4(ジペプチジルペプチダーゼ-4)という酵素によって速やかに分解されてしまいます。DPP-4阻害薬は、このDPP-4の働きを90%以上抑えることでインクレチンが分解されにくくなります。これにより、インクレチン濃度が増加し、膵臓からのインスリン分泌が促進され、血糖値を下げることができます。
この薬剤は、血糖値が高いときには効果がしっかり現れ、逆に血糖値が低いときには効果が弱まるため、低血糖のリスクが少ないことが特徴です。また、他の副作用も比較的少ないため、日本ではよく使用されている薬剤です。

ルセフィ, 1日1回内服, 腎臓での糖の再吸収を抑え、尿中に糖 ..

さらに、そこから「少なくとも」分間は、他の飲み物、食べ物、薬は一切摂らず、胃の中で先ほど飲んだ水と薬をそのままにしておく必要があります。分を越せば、そこで物を口にしてもよいですし、時間、時間とそのままにしておいても大丈夫です。時間が長くなればその分胃の中で薬が吸収されますので、例えば薬の効きがいまいちだ、という場合は内服後分より多く時間を置くことで効果を強められる可能性があります。

造影CT検査を受けられる患者様で、糖尿病薬を服用している患者様へ

ほかにも医師の判断によってはリベルサスの服用を控えたほうがよいとされる方もいます。当院では、健康診断結果や採血の結果を見ながら医師がリベルサスを処方していますが、治療中の疾患がある方や他の薬を服用中の方は事前に医師にご相談ください。

【公式】HAL内科・糖尿病内科 | 2022年4月開院 | 成田駅徒歩1分

まず、胃の中が空っぽの状態で内服することが重要ですので、朝一番の、日のうち最初に口に含む水で内服することが必要です。お茶やジュースではなく、水で内服してください。水の量も注意が必要で、コップ半分程度の水でなくてはなりません。多すぎると胃で薬がうまく吸収されず、少なすぎると今度は胃の中で薬がうまく溶けないようです。

【販売終了】【定期】リベルサス錠 14mg ダイエット薬の通販

以下に当てはまる方はリベルサスの服用はできません
・妊娠中、授乳中、妊娠を希望している方
・糖尿病を治療中の方
・膵炎などの膵臓疾患に罹ったことがある方
・未成年、60歳以上の方
・重度の胃腸障害がある方
・過度のアルコール摂取者 等