そのため、カナグル、フォシーガ、ジャディアンスを中心に説明します。
上図は阻害薬を内服した人、そうでなかった人の心臓病の発生率を比べた研究なのですが、青色の線の「」と書かれた阻害薬を内服した人達において、心臓病の発生率が内服後年、年・・・と経過するにつれてどんどん下がっていき差がついていることが伺えます。これまで糖尿病の薬でこれだけ心臓病の発生率を低下させた薬はありませんでしたので、とても大きなインパクトがありました。
今、期待のお薬 vol.2 SGLT2阻害剤 余分な糖を尿から捨てるお薬
カロリー換算で約240kcal~400kcalの糖が1日で排出されるカナグルは、続けて約3ヶ月の内服で、効果が現れます。
下図は、カナグル100mg投与後の1日あたりの尿糖の量の推移を示した図です。
(カナグルの2型糖尿病患者を対象にした第I相反復投与試験より)
カナグルは、半減期(血中濃度が半分になるまでの時間)が10.2時間と長いため、投与中止した後も、しばらく尿糖の排泄が続いています。
カナグルを投与すると、すべての人で尿糖が100g増えるかというと、そういうわけではありません。
日本人2型糖尿病の人を対象とした他の臨床研究では、カナグル100mgを投与した後の尿糖が増えた量は、平均 45.1g/gCreであったと報告されています。
(尿糖の排泄量は、一日均等ではないため、両者を比較するのは、若干無理がありますが。)
デベルザ/アプルウェイ: ; ジャディアンス:9.88h ; カナグル:10.2h ; ルセフィ:11.2h ; フォシーガ:12.1h
BMI27以上の376人に、カナグル50mg・100mg・300mgを投与する群とプラセボ(偽薬)群に分け、12週間後の体重減少率を比較した論文によると、最高で100mg投与の-2.9%、全体平均で-1.6%の体重減少率が確認されたという海外のデータがあります。
SGLT2阻害薬には、食前・食後の一日にわたり血糖値を下げる作用があることが分かりました。
次に、HbA1cの低下作用を見てみましょう。
縦軸:HbA1c変化(%)
ジャディアンス 左 10mg 右 25mg
BMI:左:やせ 中:普通 右:肥満
腎不全の適応:フォシーガのみ(カナグルはDM合併のCKDのみ適応)
阻害薬は糖尿病治療のために作られた薬なのですが、近年の研究で心臓・腎臓を傷めてしまった患者さんに大きな利益をもたらされることが実証されており、最近では糖尿病がなくても心不全・慢性腎臓病を患っている患者さんに阻害薬を投与しましょう、という動きが加速しています。
マンジャロには、強力なHbA1低下効果と体重減少効果があることが報告されています。
2型糖尿病を対象とした海外での研究データですが、これまでに日本で販売されていた糖尿病治療薬の中で最も体重減少効果が強いとされていたオゼンピックと比較しても非常に強いHbA1c低下効果と体重減少効果があることが示されています。
SGLT2阻害薬とは?医師が解説します。 | CLINIC FOR
SGLT2阻害薬は、尿中に糖分が漏れることで、血糖が下がる薬です。
尿糖はどの程度漏れたり、血糖値は下がるのでしょうか?
SGLT2阻害薬には、血糖を下げる働き以外にも、多様な良い効果があることが報告されています。
同じく、保険適応は主に『糖尿病』ですので、ダイエット薬としては使用できません。 お薬の名前としては、
薬価は、通常用量だと、1日あたり約200円です。(薬価は、2019年11月時点)
一月あたり、6000円となり、保険3割負担だと、一月 約1800円になります。
SGLT2阻害薬は、多くのメーカーから発売されています。
しかし、すべての薬剤が、全世界で販売されているわけではなく、海外展開が進んでいない薬は、臨床研究が進みません。
PUBMEDという論文の検索サイトで、臨床試験の論文(clinical trial)が、何本、報告されているのか調べると、次のようになります。(2019年11月時点)
通常、1日1回20mgを投与します。 カナグル(カナグリフロジン製剤)
日本では、SGLT2阻害薬は、2014年4月から使用されています。
下記は、2019年11月時点で、日本で保険適応のあるSGLT2阻害薬の一覧になります。
[PDF] 2 当院採用の糖尿病治療薬における腎機能に応じた投与量一覧
余談ですが、阻害薬は余分な糖の排泄、尿量増加によるダイエット効果が期待できるため、一部の自由診療クリニックなどで若年女性などをターゲットに、糖尿病ではないがダイエットをしたい、という方に向けて自費で処方されているようです。しかし、これまで述べてきたような注意点に留意し、処方に精通した医師が慎重に投与すべき薬と考えますので、私はあまり好ましくないことだと考えています。
[PDF] 愛媛大学医学部附属病院 医薬品集 FORMULARY
SGLT2阻害薬には、体重減少作用があることが報告されています。
(プラセボ群では平均 68.6kgから、0.8kg(約1%)の体重減少を認めました。)
縦軸:HbA1c変化(%)
ジャディアンス 左 10mg 右 25mg
BMI:左:やせ 中:普通 右:肥満
体重が減少した際に気になるのは、体重が減ったのは、筋肉が減ったのか、脂肪が減ったのかです。
ルセフィ(ルセオグリフロジン)を、日本人2型糖尿病患者さんに、52週間にわたり投与して、体重推移や脂肪量などの変化を検討した研究の結果は次のようになりました。
体重は 平均78.6kgから、3.1kg減少しました。
次の図は、体脂肪量と除脂肪体重の時間経過をみたものです。
除脂肪体重は、有意差はありませんが、若干減る傾向が認められます。
体脂肪量は、時間が経つにつれて減少していき、52週後には、約2.5kg減少しています。
体重減少の機序としては、尿中に糖分が漏れて、カロリーのロスが生じることが一因と考えられます。
しかし、尿糖の排泄量が少ない腎機能が悪い人でも、同程度に体重が減る事から、尿糖の排泄量の増加以外の機序もありそうです。
フォシーガとはどんな薬?ダイエット効果と痩せる理由について解説
この原尿ですが、健常成人では、1日150Lの血液をろ過して作っています。
原尿中のブドウ糖を、そのまま外に出すともったいないため、腎臓の尿細管という所で、SGLT1、SGLT2という蛋白質を通じて、体内に再吸収されます。
SGLT1とSGLT2は両方とも、糖分の再吸収に関わっており、原尿中のブドウ糖の約9割が、主としてSGLT2により再吸収されます。
上図は、SGLT2阻害薬のカナグリフロジン(カナグル)により、腎臓の尿細管で、SGLT2が阻害され、尿中に大量の糖分が漏れる様子を描いたものです。
ところで、SGLT2阻害薬を飲むと、どのくらい尿糖が増えるかご存知でしょうか?
これは、角砂糖(1個 3~4g)では、だいたい、20個~30個分に相当します。
結構、多くの糖分が外に出ていきますね。
1日のうちにインボカーナによって排出される糖は、カロリーに換算すると約240kcal~400kcalになります。 ..
SGLT2阻害薬はどうやって効いているのかを説明する前に、腎臓でどうやって尿が作られているかを説明します。
尿の作り方は、次の通りです。
高血圧・糖尿病など | 最期までおうちで暮らすために必要なこと
糖尿病治療薬として、世界中で承認されており、副次的に減量効果があることが報告されています。海外では、GLP1注射製剤が肥満治療薬として承認されていますが、飲み薬ではまだ承認されていません。 ただし、内服GLP-1製剤でも注射と同様に減量効果は確認されています。
GLP-1製剤の減量効果を比べたレビューが報告されており、GLP-1製剤の中で減量効果が高いのは、ビクトーザ(注射)、オゼンピック(注射)、リベルサス(飲み薬)の3剤であることがわかっています。
換算式 JDS値+0.4=NGSP値; 糖尿病治療に世界で100兆円(世界の医療費の15%)が ..
SGLT2阻害薬を飲むと、血圧低下作用があることが報告されています。
血圧の低下するメカニズムは完全に解明されていませんが、一つの機序として、ナトリウムの利尿作用によると考えられます。
カナグル(私費)はカーボ比変わるし 微量のケトンは出るはセララ(降圧剤)との ..
SGLT2阻害薬は、腎臓で糖分を再吸収しているSGLT2(sodium glucose cotransporter 2 : ナトリウムとグルコースを運ぶ蛋白)の働きを抑える事で、尿から多量の糖分が漏れるようにする経口血糖降下薬です。
尿から糖分が多量に漏れると、血糖値は低下します。
SGLT2阻害薬には、血糖値を下げるだけでなく、様々な良い効果がある事が報告されています。
ジャディアンス | オンライン | 業界最安水準 | 診察料・送料・無料
当サイトは、糖尿病に関連した薬剤や医療機器の情報を
医療関係者の方に提供するサイトです。
フォシーガで本当に痩せる?効果・飲み方・メトホルミン併用の真実
特定のSGLT2阻害薬には、腎保護作用があることが報告されています。
下図は、2型糖尿病のアジア人の患者にジャディアンスを投与して、経時的に腎機能が悪化するかを見たデータです。
縦軸:腎機能(eGFR)
横軸:経過時間(週)
また、糖尿病性腎症のアルブミン尿の進展抑制にも効果があることが報告されています。
糖尿病性腎臓病をもつ患者さんには、SGLT2阻害薬は良さそうですね。
スージャヌ配合錠(ジャヌビアとSGLT2阻害薬との配合剤)
GLP-1製剤はこれまで注射のみしかありませんでしたが、新たに内服薬(商品名:リベルサス)が発売されました。日本では糖尿病治療薬として保険適応になっており、肥満治療薬としての保険適応は無いため、自費診療となります。