イソトレチノインの服用期間は、絶対に妊娠しないようにしてください。
副作用・リスク:皮膚および唇の乾燥、中性脂肪値の上昇
上記で解説したように、イソトレチノインは妊娠中の人は服用できません。
いくつかの前向き研究がありますが、ほとんどのものがイソトレチノインとうつ、自殺との関連性を示していません。
しかし、この研究は業界主導で行われたことや、皮膚科医が抗うつ薬処方の前にイソトレチノインを中断した可能性などを考慮していないと指摘されています9。
ため、イソトレチノインをご検討している方も気軽に服用開始できます。
中等度~重度のニキビ患者132人に、イソトレチノイン治療と保存療法を行い比較したところ、抑うつ症状の発生率に違いはありませんでした11。
2019年に102人の青年で、生活の質、うつ、不安、自殺、社会不安、強迫神経症の症状を評価した研究では、イソトレチノイン治療も抗生物質治療も影響を与えず、逆に治療前と比較して生活の質、社会不安、強迫神経症のスコアに改善が見られました12。
正しく服用しなければ、副作用も現れやすくなるため注意が必要です。
※うつ病などの精神疾患があっても当院では治療可能です。詳細は診察時にご相談ください。
isotretinoinは、海外では重症の尋常性ざ瘡(にきび)に対して用いられており、本邦では未承認であるが自由診療での処方やインターネット販売で入手が可能である。isotretinoinは、尋常性ざ瘡に対する有効性が示されている一方、自殺やうつ病などさまざまな精神疾患との関連が報告されている。しかし、isotretinoinと精神疾患の関連について、文献によって相反する結果が報告されており、議論の的となっている。そこで、シンガポール国立大学のNicole Kye Wen Tan氏らは、両者の関連を明らかにすることを目的として、システマティック・レビューおよびメタ解析を実施した。その結果、住民レベルではisotretinoin使用と自殺などとの関連はみられず、治療2~4年時点の自殺企図のリスクを低下させる可能性が示された。JAMA Dermatology誌オンライン版2023年11月29日号掲載の報告。
2023年1月24日までにPubMed、Embase、Web of Science、Scopusに登録された文献を検索し、isotretinoin使用者における自殺および精神疾患の絶対リスク、相対リスク、リスク因子を報告している無作為化試験および観察研究に関する文献を抽出した。関連データを逆分散加重メタ解析法により統合し、バイアスリスクはNewcastle-Ottawa Scaleを用いて評価した。メタ回帰分析を行い、不均一性はI統計量で評価した。
主要アウトカムは、isotretinoin使用者における自殺および精神疾患の絶対リスク(%)、相対リスク(リスク比[RR])、リスク因子であった。
主な結果は以下のとおり。
・システマティック・レビューにより、合計25研究(162万5,891例)が特定され、そのうち24研究がメタ解析に含まれた。
・全25件が観察研究で、内訳は前向きコホート研究10件、後ろ向きコホート研究13件、ケースクロスオーバー研究1件、ケースコントロール研究1件であった。各研究の対象患者の平均年齢の範囲は16~38歳、男性の割合は0~100%であった。
・1年絶対リスクは、自殺既遂0.07%(95%信頼区間[CI]:0.02~0.31、I=91%、対象:7研究8コホートの78万6,498例)、自殺企図0.14%(同:0.04~0.49、I=99%、7研究88万5,925例)、自殺念慮0.47%(同:0.07~3.12、I=100%、5研究52万773例)、自傷行為0.35%(同:0.29~0.42、I=0%、2研究3万2,805例)であったのに対し、うつ病は3.83%(同:2.45~5.93、I=77%、11研究8万485例)であった。
・isotretinoin使用者は、非使用者と比べて自殺企図のリスクが、治療2年時点(RR:0.92、95%CI:0.84~1.00、I=0%)、3年時点(同:0.86、0.77~0.95、I=0%)、4年時点(同:0.85、0.72~1.00、I=23%)のいずれにおいても低い傾向がみられた(いずれも対象は2研究44万9,570例)。
・isotretinoin使用と全精神疾患との関連はみられなかった(RR:1.08、95%CI:0.99~1.19、I=0%、対象:4研究5万9,247例)。
・試験レベルのメタ回帰分析において、高齢であるほどうつ病の1年絶対リスクが低い傾向にあった。一方、男性は自殺既遂の1年絶対リスクが高い傾向にあった。
著者は、「今回の所見は心強いものだが、引き続き臨床医は統合的な精神皮膚科ケア(holistic psychodermatologic care)を実践し、isotretinoin治療中に精神的ストレスの徴候がみられないか観察する必要がある」とまとめている。
以下では、イソトレチノインの治療期間と服用量について解説します。
【入手経路】
医師らが個人輸入しています。
イソトレチノインの個人輸入についての厚生労働省の注意喚起はこちらをご確認ください。
過去の前向き研究はランダム化や盲検化されたものではないため、大規模なランダム化二重盲検試験(RCT)が必要なのですが、イソトレチノイン服用中は乾燥などの皮膚症状が出るため、RCTを行うことが難しいのが実情です。
イソトレチノインを服用すると、肝機能が低下することがあります。
データベースの中には、2821人のイソトレチノイン使用者が含まれており、結果は、イソトレチノインの使用とうつ病の発症との関連性は認められませんでした6。
イソトレチノインを服用すると精神疾患を引き起こす可能性があります。
イソトレチノインと、うつ、自殺との関連を過去の論文データベースをもとに調べた2005年のレビューでは、因果関係は明らかではないとされていますが10、2012年のレビューではイソトレチノイン投与とうつ、自殺との関連を示唆しています9。
イソトレチノインを服用すると一時的にニキビが悪化する可能性があります。
イソトレチノイン服用前後とその後3か月に1度、採血をすることにより治療中の患者様の健康状態を正確に把握し続けることにあります。採血は、副作用の兆候を早期に発見するために重要です。
そのため、イソトレチノインの服用は自己負担となることを理解しておきましょう。
1999年6月から2000年3月までの間に、アメリカの薬局データベースから抗うつ薬とイソトレチノインのどちらを最初に投与されたかの調査が行われました。つまり、イソトレチノイン処方後に抗うつ薬の処方が増えるか否かの調査です。
尋常性ざ瘡へのisotretinoin、自殺・精神疾患リスクと関連せず
2017年に、アメリカ皮膚科学会雑誌に31のコントロール、および非コントロール前向き研究をまとめたレビューが掲載されました。イソトレチノイン治療とうつ病のリスク増加との関連は明らかではなく、逆にイソトレチノイン治療後にうつ病の有病率が低下する可能性が報告されています13。
精神神経系, うつ、精神病(幻覚、幻聴)、自傷行為、自殺企図などの重大な精神疾患
当院ではイソトレチノイン以外にスピロノラクトンによるホルモン治療も行っています。作用メカニズムの観点から女性のみ対象となりますのでご注意ください。スピロノラクトンは利尿薬や心不全治療薬として使われる薬剤ですが、抗アンドロゲン作用があり男性ホルモンを抑え、ニキビに対して高い有効性があることが知られています。イソトレチノインほどではありませんが、通常の保険治療よりも強力な治療効果が期待できます。また安全性が高く、イソトレチノインよりも治療費を抑えることができます。デメリットとして効果が現れるまで多少時間がかかり、中止後は再発しやすいことです。内服4カ月(早ければ1~2カ月)で徐々に効果が現れ、1年後の有効率は95%以上です。
イソトレチノイン(自費ニキビ治療) | 渋谷スクランブル皮膚科
イソトレチノインは、医師や薬剤師などの専門家による緊密な指導の下でのみ使用される必要がある。
妊娠又は妊娠している可能性がある場合、胎児に先天異常、流産、早産、死産を引き起こすおそれがある。
ひどい頭痛や、目のかすみ、めまい、吐き気、おう吐、脳卒中、下痢、筋力低下などのほか、 重大な精神症状 (うつ、自殺など)の副作用を生じることがある。
【重大な副作用・注意】イソトレチノイン内服中に妊娠・授乳はNG
イソトレチノインは、重度のニキビや難治性のニキビに対して効果を発揮する治療薬です。
しかし、イソトレチノインは、その効果の大きさと同じくらい、副作用には注意が必要です。
そのため、自分がイソトレチノインを使用できるかどうかを確認するためにも、内服する際には皮膚科専門医の指導を必ず受けてください。
初めてニキビを治療する方は、をご覧ください。
飲むニキビ薬「イソトレチノイン」は怖い?副作用や服用時の注意点
初期量として1日100~200mgで開始し、効果判定しながら徐々に減量します。費用を抑えつつも即効性と高い有効性を狙うなら、最初の1~2カ月間はイソトレチノインを内服し、その後はスピロノラクトン少量内服に切り替えてメンテナンスを図るという方法もあります。別の方法としてイソトレチノインを5~6ヵ月内服して寛解状態を得てから、再発予防目的にスピロノラクトンを少量で数カ月~2年程度内服するのも悪くはありません。
もし、妊娠した場合は、すぐに服用を中止し医師に相談してください。 □その他の副作用
イソトレチノインの服用には、さまざまな注意点があります。ここではイソトレチノインを飲むタイミングと代表的な注意点について紹介します。
胎児の催奇形性、鬱、精神病などの精神疾患の副作用も報告されています。
本来は高血圧の薬で大きな副作用はありません。通常は高血圧のある高齢者に投与する薬剤であり、これを成人女性のニキビ治療に使用するため、特有の注意点があります。
妊娠中や妊娠計画中にニキビを治療したい場合は、使用可能な薬はどれか担当医に相談するようにしましょう。 精神疾患の可能性
また、イソトレチノインの服用方法やおすすめのクリニックについても紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。
人口ベースの研究では、イソトレチノイン治療を受けているニキビ患者における神経精神疾患またはIBDのリスク増加は確認されていません。
上記のような副作用があるとされていますが、先述したように欧米ではメジャーな薬なので、必要以上の心配はいりません。
Majorうつ病の根底にある尋常性ざ瘡におけるイソトレチノイン
イソトレチノインとうつとの関連性には決着がついていませんが、イソトレチノインはPET検査で脳機能の変化に影響していることが示唆されています17。症例報告は多数あり、現時点では精神的な副作用がある(可能性がある)として対処すべきです。
Majorうつ病の根底にある尋常性ざ瘡におけるイソトレチノイン:症例報告と文献レビュー【JST ..
1日1~2回、食後に服用してください。 一般的には20mgから服用を開始し、症状などを確認しながら投与量を調整します。イソトレチノインを飲む量や回数は、症状や体重などにあわせて調整しています。必ず医師の指示に従い、決められた用法・用量を守って服用してください。