イソトレチノインの効果と当院のニキビ治療の流れについて解説します。
イソトレチノインは胎児の先天異常、奇形、流産、早産、死産のリスクがあると言われています。そのため、妊娠中の服用はできません。また服薬後6ヶ月は妊娠してはいけません。 その他、授乳中の内服や、服用開始から6ヶ月間の献血もNGです。詳しくは上記の「【重大な副作用・注意】イソトレチノイン内服中に妊娠・授乳はNG」欄をご確認ください。
そんなイソトレチノインの効果に関する悩みを当記事では解決します。
2ヶ月前から炎症がどんどん強くなり、硬結嚢腫が多発するようになったため、近医では手に負えなくなり、大学病院を紹介されました。しかし、大学病院でも近医と同様の保険治療が行われ、2ヶ月間で変化が認められず、ご両親が当院へ転院を希望し、受診されました。
効果を実感するタイミングには個人差はありますが、通常 16〜24 週間後(4ヶ月~6ヶ月)となります。おおむね内服を5ヶ月継続したときには、3~5年を目安にニキビができにくい肌状態になると言われています。一方で患者様によっては軽度再発する場合もあり、ベピオゲルやディフェリンゲルなど外用薬などによる再発予防のための維持治療が必要です。
・レーシック手術前後6ヶ月はイソトレチノインの服用をお控え下さい
海外の研究では思春期の重症ニキビはメンタルに悪影響を及ぼし、生活の質を著しく低下させ、自殺念慮を引き起こす頻度が男性で3倍以上、女性で2倍以上になると報告されました(文献2)。しかし、近年のメタ解析ではイソトレチノイン内服治療によってうつ症状が著明に改善され、うつ病のリスク増加と関連しないことが示されました(文献3)。また、台湾においてイソトレチノイン内服治療患者29,943名を調査したところ、治療期間が長期に及んだり投与量が多くなっても、精神障害を起こすリスクは上昇しなかったと報告されました(文献4)。同じアジア人での研究結果は重要な意味を持つと考えられます。
1982年~2000年までの間にイソトレチノイン内服治療を受けた患者で431例のうつ病、自殺/自殺企図/自殺念慮があったことを米国FDAが報告しました(文献1)。このうち実際の自殺者は37名(男性31名、女性6名)、年齢の中央値17歳で若い男性に多かったことが報告されています。米国FDAは警告を発し、1998年より添付文書に精神疾患がある場合は慎重に投与すべきと記載されるようになりました。しかし、イソトレチノイン内服治療と精神疾患との因果関係は不明な点が多く、今日まで多くの論争があります。
イソトレチノインは、毛穴の開きや黒ずみにも効果が期待できます。
イソトレチノイン服用開始後、好転反応として一時的にニキビが増えたり赤みが出る症状がございます。期間としては服用開始後1週間から1ヶ月程です。この時期は悪化してしまったのかと不安になることもあるかと思いますが、根気強く治療をしていくことが大切です。
さらに2023年の最新の世界的なコホート研究でも自殺やうつ病のリスクを上昇させないことが報告されました(文献5)。この研究ではイソトレチノイン内服群と抗生剤内服群とを比較し、カプランマイヤー曲線を用いてイソトレチノインを内服した方が自殺率が低くなることが証明されました。ただし、この論文にはいくつかの批判もあります。例えば両群の患者背景(特に精神疾患の重症度)が異なることや観察期間が長すぎるなどバイアスがあると指摘されています(文献6)。これに対してKridinらは、重症ニキビ患者はもともと精神疾患を抱えるリスクが高く、むしろイソトレチノインの安全性を過小評価していると反論しています。また2024年の最新のメタ解析でもイソトレチノインは自殺や精神疾患のリスクを高めることはなく、むしろ治療後2~4年で自殺企図のリスクが低くなると結論づけられています(文献7)。
イソトレチノインの服用期間は、絶対に妊娠しないようにしてください。
イソトレチノインの副作用として特に報告されているのが唇や肌の乾燥です。服用期間中は多くの方で乾燥症状が見られ、辞めた後も皮脂の抑制を実感していただけます。その他の副作用には薬疹や頭痛、めまいや吐き気などがありますが、全員に起こる訳でなく稀な症状です。怖いイメージを持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、適宜医師までご相談いただければ特段副作用もなく治療していけます。副作用について詳しくは上記の「イソトレチノインの副作用」欄をご確認ください。
服用期間中とその前後1ヶ月間に性行為をする場合は、必ず避妊を行ってください。
服用期間中とその後1ヶ月間は妊娠、授乳、献血をしないでください。
※妊娠女性への輸血により、胎児にイソトレチノインの影響が生じるおそれがあります。
下記のような対策により、イソトレチノインの効果を最大限に高めましょう。
イソトレチノインの服用期間は個人の肌の状態により異なりますが、一般的にはです。
ため、イソトレチノインをご検討している方も気軽に服用開始できます。
当院のイソトレチノイン治療には、しており、以下のような値段設定となっております。
以下では、イソトレチノインの治療期間と服用量について解説します。
・イソトレチノインを服用中に妊娠した場合や妊娠中の服用は、短期間の使用や少量であっても胎児に先天異常や流産、早産、死産の危険性が極めて高くなりますので絶対に避けてください。
・そのためイソトレチノインの投与期間中と投与を終了してからの一定期間(女性の場合は内服終了後6ヶ月間、男性は内服終了後2ヶ月間)は決して妊娠しないようにして下さい。(※妊娠をお考えの女性は、イソトレチノイン治療と妊娠の計画をしっかり立てた上で、治療を検討していただく必要があります。)
・イソトレチノイン服用中の授乳も絶対に避けて下さい。
・イソトレチノイン服用中および最終服用日から6ヶ月間は献血をしないようにしてください。(献血から作られる血液製剤は妊婦に使用される恐れがあり、胎児がイソトレチノインの影響を受ける可能性があります。)
イソトレチノインの副作用には、頭痛や吐き気などが見られる場合があります。
処方に際して内服前と1ヶ月に
1回の妊娠反応検査が必要です(女性)。
イソトレチノインを服用すると精神疾患を引き起こす可能性があります。
イソトレチノインにはさまざまな副作用が知られているため、「使うのが怖い」と感じる方もいることでしょう。副作用は早期に発見することで、副作用症状の悪化を予防できます。ここでは副作用が怖いときに注意すべきことを紹介します。
【ニキビ治療】イソトレチノインの内服を辞めた後の副作用について
イソトレチノインはのリスクがあると言われています。
そのため、
また、です。
もし妊娠した場合には、すぐに服用を中止し医師までご相談ください。
※当院では難治性ニキビに対するイソトレチノイン内服やニキビ跡(ニキビ痕)の ..
イソトレチノインは保険治療で処方される内服薬よりも、です。(なお、です。)
イソトレチノインの副作用に怖いイメージを持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、適宜医師までご相談いただければ特段副作用もなく治療を行っていくことができます。
そのため少しでも以下のような副作用や、違和感を感じたら医師までご相談ください。
イソトレチノインを服用することで、角化異常を正常化し、毛穴の ..
①重症/難治性ニキビがうつ症状を増悪させるという報告があり、イソトレチノイン内服治療によりうつ症状が改善する可能性がある
トレチノイン)を約3年ほど続けて飲んでいるのですが、調べたら休薬期間が必要とあったのですが大丈夫でしょうか、、イソトレチノインの服用 ..
イソトレチノインは皮脂分泌を抑制する作用があるため、ほとんどの患者さまに皮膚や粘膜が乾燥する副作用が生じます。肌の乾燥が気になるときには、唇にはワセリンを、肌にはローションやクリームなどの保湿剤を塗布してください。
ニキビ治療 (イソトレチノイン)– Acne Treatment Isotretinoin
イソトレチノイン服用中は日焼けの影響を受けやすくなります。そのため、長時間紫外線を浴びることは避けてください。そして、必ず日焼け止めをご使用ください。
途中で服用をやめると効果が持続しない場合があるので、注意が必要です。 一般的には6ヵ月程度の服用が推奨されますが、個人差があります。
ニキビができないからといって服用を辞めるのではなく、継続して服用すると治療終了後も長期的な再発防止効果が得られます。
【ニキビ/毛穴】第2回イソトレチノイン服用の疑問にお答えします
重大な副作用として、胎児の催奇形性があるため、
内服中及び内服中止後1ヶ月間は必ず
避妊を行っていただきます。
アメリカのiPLEDGEプログラムに準拠し、
処方に際して内服前と1ヶ月に
1回の妊娠反応検査が必要です(女性) 。
1日1回の内服で効果が期待でき、20週間の服用を終えた後には、3~5年間ニキビが出来にくい状態が続くことが報告されています。 【説明】
内服期間は患者様の症状などによって異なりますが、通常 16〜24 週間(4ヶ月~6ヶ月)服用します。おおむね内服を5ヶ月継続したときには、3~5年をニキビができにくい肌状態になると言われています。
ホルモン治療薬(スピロノラクトン) | 錦糸町皮膚科内科クリニック
難治性ざ瘡患者に対するイソトレチノイン(国内未承認)治療について、累積投与量(220mg/kg未満または以上)をベースとした高用量治療群と低用量治療群の患者について比較検討した結果、高用量のほうが有意に有効で、有害事象を増大することなく再発を抑制することが示された。米国・ノースカロライナ大学のRachel C. Blasiak氏らが、前向き観察介入試験の結果、報告した。JAMA Dermatology誌オンライン版2013年10月30日号の掲載報告。
イソトレチノインは、最も有効なざ瘡治療薬であるが、理想的な投薬方法は明らかではない。
研究グループは本試験において、累積投与量が高値の患者におけるざ瘡の再発およびイソトレチノイン再治療の発生割合と、副作用プロファイルの変化について調べることを目的とした。
試験は2008年8月1日~2010年8月31日まで、3次医療を提供する大学病院で複数の医療従事者の協力を得て行われた。
患者へのイソトレチノイン治療は、医師の判断に基づき行われ、評価は、累積投与量に基づき2群(220mg/kg未満群または以上群)に分類されて行われた。
主要評価項目は、12ヵ月時点のフォローアップにおける再発率(イソトレチノイン治療コース後の局所または経口のざ瘡治療薬による治療が行われていた割合)または再治療率(イソトレチノインによる再治療が行われていた割合)、および12ヵ月間の治療の間または治療後に患者が経験した副作用であった。
イソトレチノイン治療の累積投与量の主な評価は以下のとおり。
・試験に登録されたのは、合計180例のほかの治療が無効のざ瘡患者であった。そのうち116例(64.4%)が12ヵ月時点のフォローアップを受けた。
・12ヵ月時点で、患者の97.4%が「にきびが改善した」と報告した。
・全体では12ヵ月時点の再発率は32.7%、再治療率は1.72%であった。
・イソトレチノイン低用量治療群では、再発率は47.4%(95%信頼区間[CI]:32.3~63.0%)であったのに対し、イソトレチノイン高用量治療群は26.9%(同:18.3~37.8%)であった(p=0.03)。
・両群におけるほぼ100%の患者が、治療期間中に口唇炎と乾皮症を呈した。
・イソトレチノイン高用量治療群では皮膚炎が認められた患者の頻度が有意に高かった(53.8%対31.6%、p=0.02)。
・そのほかの副作用は、両群間で有意差は認められなかった。
・著者は、「本試験において投与されたイソトレチノイン量は、先行試験で使用されたものよりもかなり高値なものであった」と述べたうえで、イソトレチノイン治療完了後1年時点において、220mg/kg以上の投与を受けた患者のほうが、再発リスクが有意に減少したことが判明したことを報告した。また、高用量治療群で治療中にみられた唯一の副作用は発疹であったことも報告した。
・以上を踏まえて著者は、「今回の試験の結果は、イソトレチノインによるざ瘡治療は、高用量のほうが有意な有効性を示し、副作用を増大することなく再発を抑制することを示すものである」と結論している。
アクネトレントは経口イソトレチノインというビタミンA類似薬の一種です。 · 服用方法
イソトレチノインは
皮脂腺からの皮脂分泌を抑制し、
さらには皮脂腺自体を縮小させる効果があるため、
一定の副作用はあるものの非常に効果の高い治療薬です。
認可されている欧米では重症ニキビに対する
第1選択とされています。