IM で抗菌薬を処方されなくとも 50%に皮疹が出現したという報告もあり2)、自然経過によ


その後も症状はひどくなり、最終的に紹介された大病院で検査し、EBウイルスによる伝染性単核球症であることが発覚しました。


日本の『小児呼吸器感染症診療ガイドライン2017』でも、A群溶血性レンサ球菌(GAS)咽頭炎にはアモキシシリン ..

医師からはアモキシシリン服用とEBウイルス感染によるものと説明を受け、自然と治るため特に皮膚科には行かずに様子を見て構わないと言われました。

エプスタインバーウイルス(Epstein-Barr Virus=EBV)初回感染で発症する伝染性単核球症は、発熱、咽頭・扁桃(へんとう)炎や極度の倦怠(けんたい)感、肝障害、リンパ節や脾臓(ひぞう)の腫れなどの症状がみられます。発症中にアモキシシリン(AMPC)などのアミノペニシリン系抗生物質を投与すると、ほぼ全例に発疹が出現します。

[PDF] 7.伝染性単核球症 infectious mononucleosis

症例)20代男性 既往歴、併用薬なし
開始日:4日前から咽頭違和感と発熱あり。両側扁桃に白苔(はくたい)、黒色化したびらんを認めた。
インフルエンザ、COVID-19、溶連菌検査の結果、すべて陰性。
オーグメンチン配合錠250RS(クラブラン酸・AMPC250mg)、サワシリン錠(AMPC)250mg各1錠1日3回毎食後で服用開始。
開始4日後:2回目の受診。
前日38℃、咽頭痛。両側口蓋(こうがい)扁桃腫大あり、白苔なし。腹部に発疹あり、伝染性単核球症を疑い、オーグメンチン、サワシリン中止。EBV-VCA-IgM 2.5【陽性】、AST:69、ALT:217、γGTP:301、ALP:180
開始5日後:解熱、咽頭痛消失。
10日後:3回目の受診で、発疹、肝機能改善傾向。AST:28、ALT:53、γGTP:152、 ALP:99
その後、受診なし。

2週間ほど前から微熱と咽頭痛があり、耳鼻科を受診し、その際にペニシリン系抗生剤のアモキシシリンを処方され、1週間ほど服用しました。

EBウイルスによる伝染性単核球症(もしくは単核球症様症候群),サイト ..

成人の咽頭炎の多くはウイルス性であり、抗菌薬は不要である。特に咳、鼻汁、嗄声など咽頭以外の症状を伴う場合には、ウイルス性の可能性が高い。成人では細菌性咽頭炎は20%程度で、その多くがA群溶血性連鎖球菌(GAS)によるため、ペニシリンGまたはアモキシシリンで治療する。治療の目的は、症状の緩和(1-2日間罹病期間が短縮)、扁桃周囲膿瘍のような化膿性合併症の予防(NNT27)、周囲への飛沫感染予防(投与後24時間で感染性が減少)、リウマチ熱の予防(NNT3000〜4000)である1)

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さらに伝染性単核球症に誤ってペニシリン系抗菌薬を投与すると,皮疹は必発です。

アミノペニシリン系抗生物質の添付文書は、伝染性単核球症の患者には投与禁忌としています。
AMPCは、現状では溶連菌感染症の治療の第一選択であり、その他感染症治療でも幅ひろく使用されています。
溶連菌感染症と伝染性単核球症の症状は共通点もあり、AMPCの服用後に皮疹が発現し、あらためて検査をしてみると伝染性単核球症と判明する例も少なくありません。
アミノペニシリン系抗生物質を投与した伝染性単核球症の患者に発疹が生じた場合、薬剤アレルギーだけでなく、疾患による影響も考え、再投与可能かどうか慎重に検討する必要があります。不用意な抗生物質の投与は控えましょう。
(全日本民医連医薬品評価作業委員会)

治療4, 5)
ペニシリンG(バイシリンG®)が第一選択であったが、現在国内で流通していない。そのため、現在は、アモキシシリンを第1選択とする。ただし、EBウイルスによる伝染性単核球症(GAS咽頭炎と症状・所見が似ている)の場合、高率に皮疹を起こすので、注意して使用する。ペニシリンアレルギーがある場合にはクリンダマイシンを使用するが、即時型反応でなければセファレキシンを検討してもよい。日本ではマクロライド耐性溶連菌が増加しているのでクラリスロマイシンやアジスロマイシンは使わない。咽頭炎にレボフロキサシンや広域セファロスポリンを用いる意義はない。難治性、再発性の場合、扁桃周囲膿瘍などの重症例を疑う場合は、感染症コンサルトを考慮する。


また、伝染性単核球症というEBウイルスやサイトメガロウイルスによる咽頭炎との ..

伝染性単核症(infectious mononucleosis, 以下IM)は思春期から若年青年層に好発し、大部分がEpstein‐Barr ウイルス(EBV)の初感染によっておこる。主な感染経路はEBV を含む唾液を介した感染(一部、輸血による感染も報告されている)であり、乳幼児期に初感染をうけた場合は不顕性感染であることが多いが、思春期以降に感染した場合にIM を発症することが多く、kissing disease とも呼ばれている。EBV の既感染者の約15〜20%は唾液中にウイルスを排泄しており、感染源となりうる

風邪症候群(咽頭炎、centor criteria、伝染性単核球症

IM は、1889年Pfeiffer らによって腺熱として初めて報告された疾患で、IM という名称は1920年Sprunt とEvans らによって初めて用いられるようになった。その後1932 年にPaul とBunnell が異好抗体(heterophile antibody)を用いた血清学的な診断とIMとの関連について報告し、1937年Davidsohn はこの方法を応用して、さらに簡単で迅速なDavidsohn 吸収試験を開発した。しかし、この方法は特異性に欠けていた。
1964 年、Epstein, Barr らによってアフリカのBurkitt リンパ腫患者から新しいヘルペスウイルスが発見され、Epstein‐Barr virus (EBV)と命名された。IMとEBV との関係が報告されたのは、1968年Henle らによるものが最初である。
日本人でのEBV 抗体保有率に関しては1997年のKusuhara らの報告によると、12 〜23カ月齢児において54.5%〜55.8%であり

伝染性単核球症ペニシリンについて | 医師に聞けるQ&Aサイト


ほとんどがEBV の初感染によるが、一部サイトメガロウイルス(CMV)、HHV‐6 、アデノウイルス(ADV)、単純ヘルペスウイルス(HSV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、A型肝炎ウイルス(HAV)、B型肝炎ウイルス (HBV)、トキソプラズマ、リケッチアによっておこりうる。EBVはヒトヘルペスウイルス科γ亜科に属する約172kbp の2本鎖DNAウイルスで、直径は約150〜220nm である。ヘルペスウイルスの性質上、ひとたび宿主に感染すると一生その宿主に潜伏感染し、免疫抑制状態下で再活性化する性質を有する。
EBV はまず咽頭上皮細胞に感染し、そこで増えたウイルスが、主にEBV の標的細胞であるBリンパ球(一部、Tリンパ球やnatural killer (NK)細胞)に感染する。その機序は、EBV のenvelope蛋白であるgp350/220 と細胞の補体レセプターCD21 との結合で細胞に吸着することである。CD21は主にB リンパ球に発現しているが、T リンパ球、NK 細胞、咽頭上皮を含む上皮細胞にも発現しており、感染のターゲットとなり得る。その後ウイルスはendocytosis により細胞内に取り込まれ、ウイルスDNA はウイルス粒子の中では線状で存在し、潜伏感染状態では環状に変化し、核内で維持される。しかし、この状態ではウイルスは産生されず、一部の遺伝子(EBNA‐1,‐2,‐ 3a,‐3b,‐3c, ‐LP, LMP‐1,‐ 2a,‐ 2b, BARF0, EBER‐1,‐2)のみが発現している潜伏感染状態に入る。再活性化がおこると、まず前早期抗原(immediate early antigen :IEA ;BZLF1, BRLF 1)が作られ、その後早期抗原(early antigen :EA;酵素類)、後期抗原(late antigen :LA ;capsid 蛋白、envelope 蛋白)が作られ、ウイルス粒子の産生が始まる。
EBV がlytic cycle (増殖サイクル)に入るとviral IL‐10(vIL‐10)が産生されることが、Stewart ら(1992年)

43 伝染性単核球症(infectious mononucleosis)

4 〜6週間の長い潜伏期を経て発熱、咽頭扁桃炎、リンパ節腫脹、発疹、末梢リンパ球増加、異型リンパ球増加、肝機能異常、肝脾腫などを示す急性感染症である。また、中枢神経症状を呈する症例が認められる。発熱は高頻度に認められ、多くの場合38 ℃以上の高熱で1〜2週間持続する場合が多い。扁桃には偽膜形成を認め、口蓋は発赤が著明で出血斑を認めることもあり、咽頭痛を伴う。リンパ節の腫脹は1〜2週頃をピークとして全身に認められるものの、頚部が主である。

アモキシシリンを投与された.水痘・帯状疱疹ヘルペス抗体価の上昇はみ

発疹は主に体幹、上肢に出現し、斑状、丘疹状の麻疹様あるいは風疹様紅斑であり、その形態は多彩である。アンピシリン(ABPC)を 内服すると薬疹を生じて、鮮明な浸出性紅斑様皮疹や丘疹などを呈す。同時に赤血球沈降速度の亢進や、ポリクローナルな高ガンマグロブリン血症、リウマチ因 子、寒冷凝集素、抗核抗体の産生などが認められる。この現象はEBV によるIM のみならず、CMV によるIM においても認められる。
リンパ球増加は診断基準にも含まれており、特徴的な所見であるが、一部に白血球減少を認める場合もある。異型リンパ球は、Bリンパ球増殖に対しておこった CD4 陽性細胞や、NK 細胞から産生されたサイトカインにより、CD8 陽性cytotoxic T lymphocyte (CTL)が活性化したものであるといわれている。10%から中には50%と著増する場合もあるが、中には数%以下の症例も認められる。CD4/CD8 比はCD4 陽性細胞の減少、CD8 陽性細胞の増加により1以下である場合が多い。
肝機能異常はほとんどの症例で認められるが、AST/ALT の増加は第2週頃をピークとして300〜500IU/L 程度のことが多い。黄疸を伴うことはまれである。なかにはAST/ALT が数千IU/L と著明な肝機能異常を伴うことがあり、注意を要する。
肝脾腫の頻度は表1 に示すとおりで、肝腫大の方が頻度が高い。肝臓は肋骨弓下1〜2 横指触知されることが多い。脾腫に関しては、時に巨大脾腫から脾破裂に至ることもあるため、注意を要する。
合併症として認められる中枢神経症状には、無菌性髄膜炎、脳炎、急性片麻痺、Guillain‐Barre症候群、視神経炎、脳神経麻痺、末梢神経炎、 横断性脊髄炎、急性小脳失調、中枢神経系のリンパ腫などが含まれる。その他まれではあるが、溶血性貧血、血小板減少、再生不良性貧血、B細胞リンパ腫、心 筋炎、心膜炎、肺炎、気道閉塞などの報告もある。通常self‐limited な疾患であるが、遺伝疾患である伴性劣性リンパ球増殖症候群(X‐linked lymphoproliferative syndrome :XLP;Duncan 病)の患者では、先天的にEBV 特異的CTL 活性が誘導されないため、不死化したBリンパ球が減少しないことと、NK活性が低いことも原因となり、致死性伝染性単核症となる。ここでは詳細について触 れないが、IM とは別の病態である慢性活動性EBV 感染症の長期予後は依然不良である。
なお、一般にCMVによる場合は、EBVによる場合に比して、咽頭扁桃炎、巨大脾腫の頻度が少なく、異好抗体を産生しない。

[PDF] アモキシシリン(AMPC)投与後 の発疹に関する前方視的調査

VCA およびEA はIgG,IgM,IgA 抗体を測定できる。VCA IgM は通常、初感染急性期に検出されるが、乳幼児では検出されない場合があること、慢性活動性EBV 感染症の場合にも陽性を呈することがあるため、注意を要する。VCA IgG は回復期に上昇してくるが、年長児の方が早く上昇するので、IM の急性期から陽性であることが多く、その後陽性が持続する。一方、VCA IgA は上咽頭癌や慢性活動性EBV 感染症などの特異な病態の時に検出されることが多い。
EA IgG はIM の急性期の終わりから回復期にEBNA 抗体より早く検出され、数カ月の経過で陰性化する。その後再活性化に伴い再び検出されるようになる。EA IgM は急性期のほとんどの症例で検出されるが、検出期間が長いため回復期になっても陽性であることが少なくなく、解釈には注意を要する。
EBNA 抗体は感染後数カ月経過してから検出されるため、IMの急性期では陰性である。しかし、EA IgG とは異なり、その後陽性が持続する。EBNA抗体の上昇が遅く、EA IgM が陰性化してもなおEBNA 抗体陰性の時期がある場合があるので、注意が必要である。
いずれにしても、一つの抗体価のみでEBV 感染症の病態を把握することは困難であり、必ず急性期と4 〜6 週後の回復期、必要ならばさらに数カ月後の複数の血清を用いて結果を判断すべきである。
他に用いられる検査方法としてポールバンネル反応(Paul‐Bunnell reaction test )があるが、最近は上記のEBV 特異的抗体を用いて診断することが多いこと、日本のIM の患者においては陰性例が少なからず存在することから、この方法を用いることは少なくなっている。これは、IM 患者血清中にはヒツジ、ウマ、ウシ、ヤギの赤血球を凝集させる物質(heterophile agglutinin )が存在するが、この凝集素の特異な吸収パターンを利用したものである。
また最近では、分子生物学的手法を用いた診断が行われるようになり、定量的polymerase chain reaction (PCR)法を用いて血漿中のfree EBV genome 量を測定し、診断に応用できるようになってきた。Kimura らは

別の重症 発疹症例も、後にEBV感染併発が証明された。 小児科医にとって発疹出現頻度が高い印象を与えている 可能性が考えられた。

伝染性単核球症はEBウイルスやサイトメガロウイルスの初感染の際に呈する疾患であり,思春期以降にみられる。EBウイルスによる伝染性単核球症では発熱,咽頭痛,リンパ節腫脹などが特徴である。

[PDF] 浜松市内科医会 AAS 通報 20 抗菌薬投与中の小児の発疹

主な感染経路はEBウイルスを含む唾液を介した感染であり,乳幼児期に初感染を受けた場合は不顕性感染であることが多いが,思春期以降に感染した場合には伝染性単核球症を発症することが多く,kissing diseaseとも呼ばれる。発熱,咽頭痛,白苔を伴う扁桃腺腫大や頸部リンパ節腫脹といった症状・身体所見は溶連菌性咽頭炎に似るが,溶連菌性咽頭炎と思ってアモキシシリンを投与すると高率に皮疹が出現するため,両者の鑑別には十分に注意を払いたい。

[PDF] 亀田感染症ガイドライン 咽頭炎(version 2)

一般に,伝染性単核球症では後頸部リンパ節腫脹がみられることが多いのに対し,溶連菌性咽頭炎では前頸部リンパ節腫脹がみられることが多い。また,肝機能障害や異型リンパ球がみられる点も,伝染性単核球症の特徴である。なお,伝染性単核球症様の症状を呈する感染症として,ほかに急性HIV感染症,トキソプラズマ症が挙げられる。