現在、アモキシシリン(AMPC)は、本邦で承認されている小児の最大投与
我が国での使用量は0.1%L型アドレナリン0.1〜0.3ml/kgを生理的食塩水2mlに混じてネブライザー投与を行うのが一般的であり、体重別では0.01ml/kgを基準にしているところが多い。最大1.0ml/kgまで使用可能とする報告もあるが、添付文書では1回投与量は0.3ml/kg以内と記載されており、今後の検討が必要である。
ペニシリン系経口抗菌薬(高用量が望ましい*) *例:アモキシシリン 1.5g~2g.
推奨: 小児の市中肺炎に対して、細菌性肺炎が疑われる場合、臨床症状の改善、副作用の軽減、費用対効果を考慮し、アモキシシリン/アンピシリンを5日間投与することを推奨する。
*1 アメリカでは50mg/kg(最大1g)の1日1 回投与・10日間も推奨されている。
*2 我が国ではマクロライド耐性菌が多いため注意する。
*3 我が国ではカプセル製剤のみである(75mgまたは150mg)。クリンダマイシン耐性菌に注意する。
リンの用量として,前版のガイドラインに準じて成人で 2.0 g としたのが ..
治療4, 5)
ペニシリンG(バイシリンG®)が第一選択であったが、現在国内で流通していない。そのため、現在は、アモキシシリンを第1選択とする。ただし、EBウイルスによる伝染性単核球症(GAS咽頭炎と症状・所見が似ている)の場合、高率に皮疹を起こすので、注意して使用する。ペニシリンアレルギーがある場合にはクリンダマイシンを使用するが、即時型反応でなければセファレキシンを検討してもよい。日本ではマクロライド耐性溶連菌が増加しているのでクラリスロマイシンやアジスロマイシンは使わない。咽頭炎にレボフロキサシンや広域セファロスポリンを用いる意義はない。難治性、再発性の場合、扁桃周囲膿瘍などの重症例を疑う場合は、感染症コンサルトを考慮する。
解説: 予防投与として認可されている抗インフルエンザ薬はノイラミニダーゼ阻害薬(NAI)であるオセルタミビル(タミフル)、ザナミビル(リレンザ)、ラニラミビル(イナビル)とキャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害薬であるバロキサビルマルボキシル(ゾフルーザ)である。全て保険適応外である。オセルタミビル、ザナミビルの一日あたりの予防投与量は治療量の半量で期間は治療量の倍である。ラニラビルは単回投与であり、投与量は10歳未満および10歳以上で治療量と同量であるが、10歳以上であれば2日間に分けることも可能である。バロキサビルは、10mg錠が予防内服投与適応外である。
*4 : スルタミシリン,アモキシシリン・クラブラン酸(いずれも高用量が望ましい。具体的な
成人の咽頭炎の多くはウイルス性であり、抗菌薬は不要である。特に咳、鼻汁、嗄声など咽頭以外の症状を伴う場合には、ウイルス性の可能性が高い。成人では細菌性咽頭炎は20%程度で、その多くがA群溶血性連鎖球菌(GAS)によるため、ペニシリンGまたはアモキシシリンで治療する。治療の目的は、症状の緩和(1-2日間罹病期間が短縮)、扁桃周囲膿瘍のような化膿性合併症の予防(NNT27)、周囲への飛沫感染予防(投与後24時間で感染性が減少)、リウマチ熱の予防(NNT3000〜4000)である1)