□知らんのかボーイ、サイコガンのパワーってやつは……その時の精神力の大きさに比例するんだ!


RoHS 指令違反の部品は、その後も工場で次々と見つかった。台湾は比較的管理がしっかりしている印象を持っていたのだが、製品に組み込むコントローラーのカバーを開けてみて、すぐに部品を止めている六価クロメート処理の黄色いネジが目に付いた。詳しく調べてみるとネジだけでは済まず、小板金とスピーカーなど数点に六価クロメート処理が見つかった。私たちがやったように、コントローラー組み立て工場の壁に六価と三価のクロメート処理色サンプルを掲げておけば、一目で不適合が判断できたのに…。
コントローラーには「Made in Taiwan」のラベルが貼ってあるが、中身の部品やユニットは大半が台湾以外のアジア製造品になっている。「Made in ***」と書かれていても、「最終組み立て国」の意味しか持っていないことを認識した。


メンテが明けるとどうなるの? ↪︎知らんのか、メンテが始まるってネタで知りました。

RoHS指令が施行になって1年ほど経つ頃、欧州の環境担当者とディスカッションを持った。私たちがRoHS対応のために実行したことを紹介した後、EUではどのような対応状況かを質問してみた。 「英国某メーカーの製品はRoHS指令に抵触の部品が見つかったが、対応のないまま売り続いている。英国政府系の調査では、99%の製品が99%の確率でRoHS指令対応がとられているが100%達成の製品はまだ見つからない」 この話を聞いて、日本企業との差に唖然としてしまった。日本の企業は万に1つも違反を許さない姿勢で対応を進めている。もしやRoHS指令は関税障壁では… と思ったが、これまで何万トンというオーダーで電気電子製品に入って市場に出されていた鉛だけでも計算上は1千トンレベルに減ったことになる。もしかしたら、欧州は日本よりも成熟した社会理念で動いているのかもしれない。

量産初期に「問題なし」と判定されたプラスチック部品が、量産が安定してから蛍光エックス線分析検査で鉛基準オーバーで引っ掛かった。聞き取り調査で、量産の途中でコストダウンのために海外の部品メーカーに変えていたことが分かった。量産初ロットではだれもがRoHS 対応が確実にできているか、必死で確認を行っているが、量産がうまく流れ始めると次の機種の確認に目が移ってしまい、メーカーの切り替わりなどの変化に気が付かない。部品発注先とは「製造条件を変える場合はRoHS 適格確認と当社への通知」の義務条項を結んではいるが、下請け先、孫請け先にまで正確に伝わっているか、それが海外のメーカーの場合でもきっちり伝えられているか…? ずっと続く懸念になっている。
国内での部品作りでもこんなことがあった。塩ビパイプを加工した部品のロットの中に微妙に色合いが違う部品が混じっている。分析に掛けてみると鉛が高濃度で検出された。発注先に問いただしたところ、製造能力が足りなくなったので、協力工場にスポット製造依頼を掛けたとのこと。スポット依頼を受けた工場が、鉛を含まない「上水道用塩ビパイプ」を使うべきところを「一般用塩ビパイプ」を使うという選定ミスを犯していた。
日本のモノ作り現場では、製造能力が足りなくなった場合には、協力工場に図面を送って製造してもらう「協力工場ネットワーク」ができているところが多い。このようなスポット的な場合にも「製造先変更通知」が発行されているか…? なかなか実行できていない課題だと思っている。 まして、いまやインターネットを通して海外とも簡単に部品の製造データがやり取りできてしまう。協力工場ネットワークの管理が重要な課題になっている。

>>コブラの最終回、誰も知らない 超有名なコピペを知らんのか?夜が明ける

RoHS指令への対応のためにどれほどの負荷をかけたことか… いま振り返って思い出している。指令施行の1年前には、1万点からの対応未確認部品があり、四苦八苦していた。 全ての部品はエクセルシートに載せ、調達先/材料名/型番/表面処理内容/リスクレベル/分析データ/保証書有無、など十数項目すべてを埋めていく。不明項目が一つでも残ると量産許可は出ない。部品調達先からは「材料メーカーに問い合わせをかけているが、RoHS規制化学物質の含有有無回答が出てこない」と言ってくる。開発メンバーで手分けして材料メーカーに電話を掛けまくり、何日もかけて問い合わせたが、最終的に確認がとれないものが1割近く残った。最後は確認がとれなかった部品を大きな倉庫に集めて、Nitton社の蛍光エックス線分析装置で分析にかけた。
日本のいくつかの企業と技術交流させていただいたが、各企業とも必死になってRoHS指令対応を進めていた。オランダ税関での「ゲーム機のカドミウム指令違反摘発事件」が大きく影響していたと思われるが、同時にEU環境委員長の理念がこれほど世界を大きく動かすものか、と感動したのを覚えている。

RoHS 指令違反のEUでの摘発情報は、EU-Rapex(EU緊急情報システム)によって各国に通知、公開される。その公開情報を見てみると毎年数件あり、ほとんどが家電製品での鉛半田の指摘になっている。「原因国」についての記述もあり、中国が大半を占めている。いまや世界の家電製品の大半を中国が製造しているのだから当然の結果とも思えるが、これ以外にもう一つ、中国RoHS の内容にも原因の一端があるように思っている。
中国RoHS は2007 年に施行したが、対象が電子情報製品ということで家電製品が入っておらず、また具体的に対象製品を示す「国家重点管理目録」が10 年間空っぽのままで、鉛、カドミウムなどの削減推進機能が果たせていない。中国でのモノ作りは、鉛フリー、カドミウムフリー対策の実施を強制されることなく進んでいる。国内向けにRoHS 規制物質対応をしていなければ、EU輸出品に対しても対応抜けが多くなってもおかしくない。そしてEU-Rapex で中国製品の問題の報告が上がると、各国とも中国製品をより厳しくチェックすることになるのは当然の帰結だ。中国RoHS については次のコラム欄で紹介する。

知らんのか ボダは生き返らない - 名無しさん (2022-10-21 17:52:05).

今回の中国での生産委託はEU RoHS発効前で、しかも中国国内でのみ販売する製品だったため、EUの化学物質規制を全く気にすることなく済ませられた。もしここでRoHS対応が必要な製品を委託していたら… 今振り返って考えてみたが、どんな風に管理しなければならなかっただろう、なかなか答えが出てこない。多くの企業が中国に進出しているが、それぞれにきっと商習慣の違いの克服に大変な努力をされたことだろう。一度詳しく話を聞いてみたいと思っている。

なぜ日本がRoHS 指令の発信国にならなかったのだろう、と考えることがある。日本こそカドミウムと水銀の健康被害を一番経験している国なのだが…。
カドミウムは稲の穂に蓄積される。神通川の上流にある亜鉛・鉛鉱山で鉱石を洗浄した排水が浄化処理されることなく流された。その排水には多量のカドミウムが溶け込んでおり、下流の田畑に引き込まれた。その水で育てられた米を食べた人たちは腎臓を壊し、カルシウムが身体から尿と一緒に出て行ってしまった。全身の骨がスカスカな状態になり、つまずいただけで足の骨が折れて、皆「痛い、痛い」と泣き叫ぶ。これがイタイイタイ病。1968 年に公害病と認定されたが、対応をとるまでにどれほどの人たちが苦しんだことだろう…。
水銀禍については詳しく述べるまでもないだろう。工場から排出された有機水銀が水俣湾の魚に蓄積されて人の口に入り、人の神経を侵してしまった。水俣病の原因と言えば世界中の誰もが分かる。これほどはっきりした公害を経験した国なのだが、日本にはRoHS 指令に相当する法律はない。

まさに、コブラの知らんのかネタ状態。 そんな中、3月の終わり頃に某理事会終了 ..

中国と日本との行ったり来たりが3か月ほど経ったころ不思議な光景に出会った。部品が納入されてきたのだが、マネージャーが事務所の女性までかり集めている。何をしているのかついて行ってみると、戸棚のカギを開けノギスを取り出して手渡している。ノギスを受け取った女性たちは窓際の長いテーブルの前に一列になって座り、箱に入った部品を図面を見ながら測定し始めた。測定が終わった部品は空いた箱に入れていくが、2~3個横に分けられている。
「何をしているの?」日本語で聞いたのだが、マネージャーが気が付いて通訳に説明してくれた。 「部品の受け入れ検査をしている。入ってきた部品の2割以上に不良が見つかればそのロットの全部品を返し、納品側は作り直しをして持ってくる。2割以下だと不良の部品だけ作り直してくる」とのこと。 「納入品に検査表はついていないの?」との私の質問に、「検査表とは何…?」と驚くような返事が返ってきた。納品元では部品の出荷検査もしていないようなのだ。マネージャーに「もしこちらで検査しなかったらどうなるの?」と再度質問をなげかけると、「受け入れ伝票にサインしてしまうと、後に不良品が見つかっても作り直してもらえない。ここでしっかりチェックをしないと大変なことになる」 当然といった顔で返事を返されてしまった。
日本では納品元が出荷検査を行い、そのデータを検査表に記載して納品の際に一緒に付けてくるのが普通になっており、当然中国でも同じことが行われているものとばかり思い込んでいた。日本では同じ工場の中でも「上流品質管理」は当然になっていて、下流の工程に流す際はしっかりしたチェックを行っている。ここでは受入れ側が管理責任を持っている。商習慣の違いとは言いながら、とてつもなく大きな違いがあることを思い知らされた。
「市場で生きたものしか買わない…」、日々の習慣と一貫するものを感じた。

RoHS 指令で一番の成果をあげるとすると、私は鉛/ 錫半田から鉛フリー半田への切り替わりを選びたい。鉛/錫半田は100 年以上かけて築いた信頼性を基盤に持っている。多分、日本でもアメリカでも、「鉛が健康、環境に良くないから、鉛/ 錫半田から鉛フリー半田へ切り替えたい」と政府が言って、業界が動いてくれたかどうか…と思うほどの大きな技術基盤。これを数年で切り替えてしまった。
28 か国を束ねるEUだからこそできたように思っている。28 か国ともなると各国の利害を調整していたのではまとまらない。理念で動かすしかない。理念が鉛フリー半田という新しい技術を進めさせて、100 年以上の技術にとってかわったことは、EU委員会の大きな自信になったことだろう。そしてRoHS は新しい理念「内分泌撹乱の疑いの高いフタル酸エステルを、より安全と思えるものに切り替える」に動き出した。2019 年からは、電気電子製品には4 種のフタル酸エステルが使えなくなる。RoHS指令は4 年ごとに規制物質、適用除外の見直しを行い、進化する法律になっている。


」 「知らんのか 住民税が来る」 知らんのか (しらんのか)とは【ピクシブ百科事典】 このコピペ。コブラ ..

工場の事務所で技術移管の打合せが始まった。図面と黒板を使ってポイントの説明をしていくのだが、通訳が入るために倍の時間がかかってしまう。しばらくしてお互いに要領が分りはじめると、「この模具(金型)で作った塑(成形品)を組み立てて…」などと黒板に書いて、日本語で話しても理解できることが増えてきた。漢字の有難さを感じる。
10日間ほどの技術やり取りを終えると、次回の打合せ日程とそれまでにお互いがやっておく事項を確認し合い、中国語と英語にして相互の書類に責任者サインを行う。相互の確認事項としては、こちらは中国で入手できる材料について日本で強度や耐久性評価を行う、相手側は指定された材料を調達していくつかのパーツを試作しておく、など全体のスケジュールに従って決める。相手側責任者は工場長で、この会社のたった二人しかいない共産党員の一人。もう一人は董事長(社長)で会社運営と営業を担当している。希望すれば誰でも党員になれるものとばかり思っていたが、ここでは技術や経営のトップしか入れない超エリートの集団のようで、工場長からは何度か自慢話を聞かされた。当時は商談のために香港に行けるのも二人だけだった。
日本に戻るとこちらの役割の手配に入る。日本で開発の業務も持っていたので、戻ってくると仕事の処理に追われてしまう。中国行きの日程が近づいてくると、役割の達成内容を確認して英語のレポートに仕上げる。

知らんのかのイラストやマンガは109件、#知らんのかの小説、SSは2件投稿されています。

最後に「私たちはEUと同じ法律は作りません。この法律には適用除外は一切設けません」と自慢するように言った。確かに環境保護期限の明示義務や包材材質の記載義務など、EUのRoHS 指令とは違ったものになっているが、「適用除外」がないと現実にモノ作りができない。例えば高濃度鉛半田が使えないとIC が作れない、鉄やアルミに鉛添加しないと綺麗な切削加工ができない、セラミック部品に鉛添加が認められないとピエゾ素子などが作れない、など製品作りに不可欠のものがあり、EU RoHS では「適用除外」としている。
「本当に適用除外を一切設けないのか?」と確認の質問を投げ掛けてみた。通訳が悪いのか、それとも質問の意図が理解できなかったのか、戻ってきたのは「私たちの法律には適用除外は一切ありません」と、説明時と同じ言葉。この時、この法律では「国家重点管理目録」に記載できる製品は出てこない、と直感した。同時にこの法律の意図は何か、理念はいったいどこにあるのか、疑問を持った。
「環境保護期限マークと含有物質名称・含有箇所を明記した表作成の義務」は、多分日本版RoHS と呼ばれる「J-MOSS」(家電製品に6 物質の含有情報公開を義務付けた法)に対抗したもの。「包材は安全なものを使用し、包材に材質マークを付ける」は、欧州の包材重金属指令と日本の資源有効利用促進法を参考にして作ったもの、と思える。
公示されると、その内容はびっくりするものだった。対象が電子情報製品という話だったが、素材、部品から、その製品の製造機、金型までが管理対象になっている。当然のことながら「国家重点管理目録」は空っぽ。
2007 年に法律が施行されると、色々なトラブル情報が入ってきた。一番多いのが、「包材マークがついていない」と言われて通関でとめられること、次に環境保護期限マークがついているかはっきりしない、として開梱されること。海外からの荷物の通関での開梱トラブルは非常に多いようで、私自身も北京の友人に送った小包みを二度も開梱され、いずれも梱包がボロボロになった状態で届いている。

目当てのものが出ないならどうなる? 知らんのか?出るまで回す。 ..

広州に近い街で訪問した企業は、地方都市政府が資金を出して作った従業員100人ほどの規模で、中小の工場をあつめた工場団地の一角に位置を占めている。作っているのは私たちと類似の製品で、彼ら独自の設計による製品である。価格が私たちの製品の4分の1と安価なことで多くの注文があり、トレーニングルームを兼ねた工場倉庫に十数台の完成品が並べられていた。

俺の名を知らんのか?一生忘れないように耳に刻むがいい。 AM..

2012 年の改定で、規制製品をCCC認証(中国の安全環境規格認証で、中国の認証機関の審査を受ける)の対象にしようとしたが、ここでも適用除外が設定されなかったために対象製品を決めることができず、「国家重点管理目録」は空っぽのままで、その後この「電子情報製品汚染抑制管理弁法」はボツになっている。
2016 年になって改定された。さすがに素材や金型まで含めた電子情報製品では無理があると理解したのか、「電器電子製品有害物質使用制限管理弁法」という名称に変わり、対象も家電・IT 製品を含めた内容に変わっている。2016 年7 月から施行されたのだが、ここでも適用除外項目が明示されておらず、規制物質禁止となる具体的な製品リスト「有害物質使用制限管理目録」は空っぽのまま。
最初の中国RoHS 法から10 年経った2017 年6 月、やっと対象製品リスト案が提示された。今度は「適用除外項目を設ける」との記載があった。
中国RoHS の法律化の目的は何だったのだろう…。中国の環境汚染の実態を考えると、EU RoHS をそのまま持ってくるのが一番だったと思うのだが…。中国の通訳から以前に聞いた「メンツを失うことが一番怖い」という言葉を思い出した。

コブラからスーパーコブラへ。 そしてスーパーコブラから…私、..

上海郊外の企業はペガサスという洒落た名前が付いていて、若い経営者が運営している。私たちと類似の製品を製造しており、よく売れていると見えて多くの製品がラインで仕掛かっている。内部の構造はしっかり作られているが、使われている材質に耐久懸念のあるものが見つかった。日本では新規素材の耐久性確認に数年かけることもあり、技術蓄積のベースがあるが、ベンチャーで始めたばかりの企業にとっては難しい課題なのだろう。 「2年ほどで耐久限界がくる材質だから変えた方がいいよ」とアドバイスをしたら、「2年ももてば十分」と回答が返ってきた。
中国の客たちは安いペガサスの製品を買って商売を行い、2年経ったら儲かったお金で日本製に買い替えるのだという。ちょっと乱暴な考え方だと思ったが、いまの中国に新しいベンチャーが驚くほど次々に出来てきている事情が少し分かったような気がした。技術が完成してから起業しようというのでは間に合わないほどの社会情勢の変化がここにはあった。
この経営者からも、私たちの製品マニュアルを要望された。日本では競合するかもしれない相手にこのような要求をすることはないが、彼らは目的のためには一切躊躇することがない。今の中国の若い人たちに、とてつもない向上意欲を感じさせられた。

素材にはダイワが誇るSVF compile-X nanoplusを採用。 アイテム紹介

上海の郊外へタクシーで30分も出ると、一気に田舎の風景に変わった。畑が広がり、水をためたクリークにはアヒルの群れが泳いでいる。のんびりしたドライブに聞こえるかもしれないが、いつ事故に遭うかとビクビクしながら乗っていた。道路の一番端をリヤカー、その内側を自転車、その内側をオートバイ、そのオートバイを追い抜くためタクシーはほとんどセンターラインを跨ぎっぱなしで、100キロ近い速度で走っていく。対向車線も同じ状況なのだが、こちらのタクシーは決して譲ろうとはしない。何度もギリギリのタイミングでかわす。時には相手側車線にかわすことまであり、命がけの運転に必死でつっぱっていた足がつりかけてしまうほどだった。
「決して譲ろうとしない」気質は、この後の中国での交渉で何度も感じたこと。何がこの気質を作ったのだろう、私たち日本人の気質が譲りすぎるのか…

測定でクロムが高濃度で検出された場合、六価クロムなのか安全な三価クロムなのか、それとも金属クロムなのか、判断しなければなりません。

私自身は機械屋で化学物質規制には素人ながら、EUのREACH規則がなぜ今頃になって施行されたのだろう、と以前から疑問を持っていた。
世の中にはCAS登録された化学物質が1 億種に達し、日本だけでも毎年100 万種以上の新規化学物質が世の中に出されていると聞いた。当然作り出して世の中に出すには安全性や環境への影響は確認しているはず、と思っているのだが… 実態はどうなのだろう。
1950 年代、PCB(ポリ塩化ビフェニル)と呼ばれる油が日本で工業生産され、熱にも強く、劣化もせず、「夢の油」として電気トランスや熱冷媒に使われた。「夢の油」… そう1968 年に「カネミ油症事件」が起きるまでは…。米ぬか油の精製の冷媒に使われていたPCB が配管の小さな亀裂から漏れ出して米ぬか油を汚染、それを口にした人たちが食中毒を起こし重症に陥った。患者本人だけでなく患者の赤ちゃんにまで皮膚が黒くなる症状が現れた。猛毒といわれるダイオキシン被害に似た症状が全身に出て長く苦しんだ事件。
大量に作られたPCB は、熱に強い、劣化しないという性質が災いしてなかなか分解が進まず、いまも多くが各企業の倉庫に厳重保管されている。カネミ油症事件がきっかけで、1973 年に日本で「化審法(化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律)」ができ、新規化学物質は市場に出される前に審査されるようになった、と聞いている。
これによって化学物質のリスクはなくなったのだろうか? アスベストも大量に使われ、30 年経ってから中皮腫の原因が問われている。化学物質管理は、使ってみて事件が起きてから危険性が認識され規制がかけられる「後追い管理」にならざるを得ないのだろうか?

ソロネ(@sorone_5) さんのマンガ一覧 : リツイート順

2000年頃のこと、私たちが開発した製品を中国に輸出していたが、日本からのハイテク製品とみなされて40%からの関税をかけられていた。輸送経費などを含めると国内の2倍近い価格になり、当時メイドイン・ジャパン製品は高い人気を得ていたが、現地製のものの3倍以上の価格にもなると中国での販売に厳しい状況を呈していた。そこでキーパーツを日本から輸出し、残りの部品を中国で製造して組み立てることでコストダウンを図ろうということになり、委託できる企業さがしに出かけた。中国販売担当のエキスパートメンバーが探してくれた候補先を、1週間ほど掛けて訪問調査した。