夜間頻尿・睡眠状態に対するタダラフィル錠の有効性・安全性の検討


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夜間頻尿・睡眠状態に対するタダラフィル錠の有効性・安全性の検討


介入1, タダラフィル5mgを1日1回経口投与を12週間継続投与

私はいつも、ジェネリック薬品はすぐに自分で処方をせずに、3~4か月の間は様子を見て、他の泌尿器科医の意見などを聞きつつ、採用するかどうかを決めているのですが、タダラフィルにはシアリスやザルティアと同様の効果が期待できそうで、当院でも採用することとしました。

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夜間頻尿・睡眠状態に対するタダラフィル錠の有効性・安全性の検討

泌尿器科においてタダラフィル20mg(シアリス後発品)の取り扱いを始めました。 ..

ED治療に用いられるシアリスと前立腺肥大症(主に夜間頻尿や不快感の改善に役に立つ)に用いられるザルティアは成分的には同じ薬です。

【Q】このたび,タダラフィル(ザルティア)の適応症状が拡大された。これまでの適応症状をふまえて,新しく適応となった前立腺肥大症(benign prostatic hyperplasia:BPH)などへの具体的な処方例を。また,ほかの薬剤との相互作用についても併せて。 (北海道 U)
【A】 筆者はこれまで,タダラフィルでは前立腺肥大症に伴う下部尿路症状(BPH/lower urinary tract syndrome:LUTS)を有する新患への単独投与,α1遮断薬効果不十分例への追加投与,5α還元酵素阻害薬との併用投与,あるいはα1遮断薬からの切り替え投与などを経験している。
タダラフィルは,以前より勃起不全(erectile dys-function:ED)治療薬,肺動脈性肺高血圧症(pulmonary arterial hypertension:PAH)治療薬としての承認を取得しており,今春,BPH/LUTS改善薬としても発売された。本剤は,膀胱出口部閉塞改善作用,骨盤内血流改善作用,求心性神経活動抑制作用などの下部尿路に対する作用に加え,抗炎症作用,抗酸化作用,血管内皮保護作用などの多岐にわたる薬理作用を有しており,LUTSに対する有効性が確認されている。

(1)新患に対する単独投与
従来,ホスホジエステラーゼ(PDE)5阻害薬は比較的若年層の患者に効果を発揮しやすいとの報告が散見されている(文献1)。当院では,50歳代から70歳代半ばまでの比較的若く活動的なBPH/LUTS患者に対しては,タダラフィルの多彩な薬理作用による患者満足度の向上を期待して,第一選択薬として積極的に処方している。これまでの経験から,本剤投与によりおおむねα1遮断薬と同程度の有用性が確認されている。実際,投与開始2週間目から頻尿や尿勢低下が改善した症例を経験している。

(2)α1遮断薬効果不十分例に対する追加投与
これまでにα1遮断薬のシロドシンを服用しているED患者が,シロドシンを継続した上でEDに対するタダラフィルを合わせて服用したところ,過活動膀胱症状を含め,排尿症状が有意に改善したことを報告した(文献2)。このことは,α1遮断薬のみでは効果が不十分な症例に対する併用療法の有用性を示唆している。実臨床においても,α1遮断薬を服用しても十分な満足が得られない患者に,タダラフィルを併用投与することで,排尿症状がより改善し,患者満足度の向上を認めた症例を経験している。

(3)5α還元酵素阻害薬との併用投与
海外では,フィナステリド単独投与と比べタダラフィル併用により,国際前立腺症状スコア(IPSS),国際勃起機能スコア(IIEF)が有意に改善したことが報告されている(文献3)。一般に,前立腺容積が大きな症例はα1遮断薬,あるいはタダラフィル単独では効果が劣る可能性が考えられる。5α還元酵素阻害薬の適応となる30cc以上の大きさの前立腺を有するBPH/LUTS患者に対しては,5α還元酵素阻害薬とタダラフィルの併用療法も選択肢のひとつになるものと考えられる。

しかし,最大尿流量に対する効果は,タダラフィル 5 mg およびタムスロシンともにプ ..

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タダラフィルの夜間頻尿および夜間睡眠状態の改善効果につき検討する

とはいえ、ED治療薬と同じPDE5阻害作用を利用した前立腺肥大症による排尿障害改善薬は日本で初めてですので大変注目されています。そして注目すべき点がもう一つあります。一般名称がシアリスと同じタダラフィルという点です。つまりタダラフィルはED治療の適応、前立腺肥大症による排尿障害の適応、動脈性肺高血圧症の適応の薬が存在しますが、容量や形状、コーティングが異なります。ザルティア錠は「前立腺肥大症に伴う排尿障害」に処方した場合のみ、保険適用になります。そのため港区きつかわクリニックでは、当院にてIPSS、超音波に前立腺体積の測定、尿流測定・残尿測定、PSA検査などの諸検査をお受けいただき、排尿症状のある前立腺肥大症と診断した、適応のある50歳以上患者さんにPDE5阻害薬を処方させていただいております。

れ、タダラフィル5mg 1日1回投与は前立腺肥大症に伴う排尿障害に対して有効である.

PDE5阻害薬(タダラフィル)は、α1遮断薬や5α還元酵素阻害薬(5-ARI)とは異なる機序で、前立腺肥大症に伴う排尿障害を改善します。
タダラフィルは、尿道や前立腺の平滑筋細胞においてホスホジエステラーゼ5(PDE5)を阻害することにより、局所のcGMPの分解を阻害し平滑筋を弛緩させます。
これにより血流及び酸素供給が増加し、前立腺肥大症に伴う排尿障害の症状が緩和されるものと考えられています。
また、蓄尿期においては膀胱括約筋を弛緩させて尿を貯めやすくするだけではなく、NOが膀胱にいく血流量を増加させ肥厚硬化してしまった膀胱壁が柔らかくなり尿を貯めやすくすると考えられています。
つまり、PDE5阻害薬は前立腺や膀胱などの若返りを促しているとも考えられます。

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投与開始12週後の夜間頻尿を中心とする下部尿路症状および睡眠スコアの改善


効能または効果は,「男性における夜間多尿による夜間頻尿」である。 ..

夜間頻尿は,男性下部尿路症状のなかでもQOL(quality of life)に最も影響を与える症状の1つである1)。薬物療法としてα₁遮断薬,抗コリン薬,β₃刺激薬などが用いられることが多いが,その効果は十分とはいえず2),異なる作用機序を有する新たな治療薬の出現が望まれてきた。
タダラフィルは,PDE5(phosphodiesterase type 5)を阻害し,NO-cGMP(nitric oxide-cyclic guanosine monophosphate)系を賦活化することによって男性下部尿路症状を改善する薬剤であり3),既存の薬剤とは異なる作用機序を有する。その他にも,骨盤内⾎流の改善,求心路への作用,抗炎症作用など多彩な作用を有する3)4)。われわれは以前,タダラフィルが夜間頻尿を含む下部尿路症状を改善すること,QOLを改善することを報告した5)6)。他の論文でもタダラフィルの夜間頻尿改善効果が報告されている7)8)が,Oelkeらは「タダラフィルによる夜間頻尿の改善効果は有意ではあるが非常に小さく,臨床的意義には疑問が残る」と報告している7)。しかしながら,これらの解析に用いられた文献をみてみると,夜間頻尿患者を対象に夜間排尿回数を主要評価項目として検討した研究は少なく7),タダラフィルの夜間頻尿に対する有効性について排尿記録を用いて評価した報告も認められない。
本研究では,夜間排尿回数2回以上の前立腺肥大症患者を対象に,タダラフィルの夜間頻尿に対する効果について排尿記録を用いて検討した。同時に,夜間頻尿に対する疾患特異的QOL質問票であるN-QoL(Nocturia-QoL questionnaire)を用いて,QOLに対する効果についても検討した。

※低用量タダラフィルはサワイ、トーワなど国内製薬会社の医薬品を採用. 診療内容一覧. 腎・泌尿器科疾患. 尿潜血陽性・血尿. 夜間頻尿.

PDE5阻害薬(一般名:タダラフィル)が2014年4月17日に発売が開始されました(商品名:ザルティア錠2.5mg、ザルティア錠5mg)。「前立腺肥大症による排尿障害」を適応として厚労省に承認された薬剤です。排尿障害治療薬として、健康保険で処方できるようになりました。きつかわクリニックでも多くの患者様に処方させていただき、好評をいただいています。ザルティア錠の主成分であるタダラフィルは、既に2007年9月から勃起不全治療薬(商品名:シアリス)として、2009年12月からは肺動脈性肺高血圧症治療薬(商品名:アドシルカ)として、臨床使用されています。

頻尿、夜間頻尿、尿意切迫感 さらに排尿後症状として 残尿感、排尿後尿滴下

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①夜間頻尿を有する患者 (OABSSトータルスコア≧3かつ Q2≧2)
②主治医が試験参加を妥当と判断した患者
③他人の補助なしに質問票の内容が理解でき、自力回答が可能な患者
④文書にて同意の回答を得た患者