フォシーガ錠の売上増加、BMS社からのロイヤルティ収入が増加した一方、オプジーボ点滴静注の薬価引き下げ、メルク社からのロイ
初めてトップ10入りしたのは、免疫チェックポイント阻害薬「イミフィンジ」(アストラゼネカ)、同「テセントリク」(中外製薬)、SGLT2阻害薬「フォシーガ」(小野薬品)、抗IL-4/13受容体抗体「デュピクセント」(サノフィ)の4製品。一方、後発医薬品の影響を受けた降圧薬「アジルバ」(武田薬品工業)、PPI「ネキシウム」(アストラゼネカ)、利尿薬「サムスカ」(大塚製薬)と、バイオシミラーが浸透してきた抗がん剤「アバスチン」(中外)はトップ10圏外となりました。
[PDF] 日本ジェネリック 2023年6月薬価基準収載製品一覧
2023年度に国内で最も売れた医療用医薬品は、MSDの抗PD-1抗体「キイトルーダ」。薬価ベースで前年度比22.5%増の1649億円(IQVIA調べ)を売り上げ、2年ぶりに首位となりました。2位は同社の新型コロナ治療薬「ラゲブリオ」。同薬は22年9月に一般流通を開始し、前年4位の同「ベクルリー」(ギリアド・サイエンシズ)に代わって市場に浸透。1487億円(前年度比116.4%増)を売り上げました。
対象:食事や運動または使用している血糖降下薬で血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者249例
方法:フォシーガ錠5mgまたは10mg(増量時)を 1日1回52週間投与
薬価(2024年4月1日以降)250.70 旧薬価(2024年3月31日まで)264.40
消化器領域への参入を機に営業体制も再構築しており、同薬は成長を牽引するドライバーに位置付けられています。パイプラインはステージ3を含む非小細胞肺がんに対する他剤との併用療法が控えており、現在、臨床第3相(P3)試験が進行中。非小細胞肺がんは18年に日本で初めて承認を取得した時の適応ですが、「日本市場は世界市場に比べて非小細胞肺がんで高いシェアを維持している」(同)といいます。
免疫チェックポイント阻害剤ではこれまで、他剤の市場拡大再算定に引きずられて薬価が下がる「共連れルール」が適用されるケースがありましたが、薬価制度改革によってこのルールから除外される可能性が出てきており、来年度以降、市場にも影響が出てきそうです。
薬価(2024年4月1日以降)169.90 旧薬価(2024年3月31日まで)178.70
2023年の国内医療用医薬品売上高トップは、前年に続いて免疫チェックポイント阻害薬「オプジーボ」(小野薬品工業)だったことが、調査会社エンサイスのスナップショットデータで明らかになりました。薬価ベースで1662億円を売り上げ、同「キイトルーダ」(MSD)との競り合いを制しました。上位10製品中6製品が1000億円を超え、うち4製品を抗がん剤が占めました。
初めてトップ10に入ったのは、サノフィの抗IL-4/13受容体抗体「デュピクセント」(8位)と小野薬品のSGLT2阻害薬「フォシーガ」(10位)。デュピクセントの売上高は薬価ベースで866億円。アトピー性皮膚炎を中心に処方が増え、前年度から38.9%の伸びとなりました。フォシーガは、21年に追加された慢性腎臓病の適応で使用を広げ、34.7%増の761億円を販売。順位も昨年の14位から4つ上げました。
フォシーガ錠10mgの基本情報(薬効分類・副作用・添付文書など)
初めてトップ10入りしたフォシーガは、売上高が821億円に達しました。前年は圏外だったため比較はできませんが、販売する小野薬品の23年4~9月期売上高は前年同期比36.1%増。もともとの2型糖尿病の適応に加え、慢性心不全と慢性腎臓病の追加が市場拡大の原動力です。今年1月には慢性心不全で、左室駆出率を問わずに処方できるようになりました。