トリアムシノロンはプレドニゾロン、デキサメタゾンなどにみられる浮腫・ナトリ
ステロイド外用薬を塗ると皮膚が黒くなるといわれていますが、それはまったくの誤解です。一般に私たちの皮膚の表皮にはメラニン色素がたくさんあり、紫外線を防いでくれる働きがあります。しかし、アトピー性皮膚炎のように皮膚の炎症が長引くと、表皮が壊れてメラニン色素が真皮に落ちてしまいます。真皮に落ちたメラニン色素は体外になかなか排泄できませんので、体内の貪食細胞が処理してくれるのを待つしかありません。皮膚炎が強ければ強いほど、かゆくて引っ掻きますので、表皮がたくさん壊れ、真皮にメラニン色素が落ちることになります。貪食細胞の能力には限りがあるため、真皮内のメラニン色素はその場所に沈着してしまいます。つまり皮膚が黒くなるのはステロイド外用薬とは無関係で、アトピー性皮膚炎の炎症が強く、たくさん引っ掻いたことを意味しています。
炎症が強いときは、炎症の赤みで黒い色素沈着がはっきりしませんが、ステロイド外用薬で炎症が軽快して赤みが治ると、一挙に黒い色素沈着が目立つため、ステロイド外用薬で黒くなったと勘違いされてしまうのです。色素沈着を予防するためには、炎症→かゆみ→掻破を起こさないように、皮膚炎をあらかじめしっかりコントロールすることが大切です。
デキサメタゾンプロピオン酸エステル, メサデルム軟膏0.1%、メサデルムクリーム0.1 ..
ステロイド外用薬は強さにより5段階に分類されますが、レダコートの強さは下から2番目のミディアムクラスです。
同じ強さのステロイド外用薬としては、(アルクロメタゾンプロピオン酸エステル)、(クロベタゾン酪酸エステル)、(デキサメタゾン)、(プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル)、(ヒドロコルチゾン酪酸エステル)などがあります。
ステロイド外用薬のなかでは作用が比較的マイルドなので、顔や陰部など皮膚の薄い部分にも処方されことがあります。また、赤ちゃんなど幼いお子さまの皮膚疾患治療にもよく使われます。
ステロイドホルモンではないので、ステロイドホルモンにみられるホルモン性副作用はない。そのため、ステロイド軟膏で副作用が出ている部位にも塗ることができる。
デキサメタゾン(0.1%); オイラゾン; アフタゾロン口腔用軟膏; トリアムシノロンアセトニド(0.1%); レダコート
病気の治療で内服薬を使用している場合でも、レダコートは使用できます。ただし、他のステロイド外用薬を使用している場合は、過剰投与になるおそれがあります。症状や部位に合わせた使い分けが必要な場合もあるため、併用薬がある場合は市販薬も含めてすべてお伝えください。
レダコートは、ステロイド外用薬のなかでは作用のマイルドなミディアムクラスに分類されており、少量・短期間使用する限りにおいては特に問題はないと考えられます。しかし、催奇形性や発育障害などのリスクがないわけではありません。また、大量あるいは長期にわたる広範囲への使用や密封法などにより、ステロイド薬を内服した場合と同様の副作用が生じることがあります。
したがって、塗布範囲を自己判断で拡大したり、漫然と長期間使用したりするのは避けてください。
普通(medium):プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル、トリアムシノロンアセトニドなど 3
外用薬に含有されているステロイドホルモンは、体内で産生されるステロイドホルモンを人工的に合成して力価(効果)を強めたものです。いろいろな症状で使用しやすいように、強さ(ランク)の弱いものから強いものまで多くの製品があり、その強さは5ランクに分けられています()。最近はジェネリックのステロイド外用薬が多く登場し、たくさんの商品名がありますが、中に入っている成分名を比較すると、どのランクのステロイド外用薬かを知ることができます。
日本にはたくさんのステロイド外用薬があると言われていますが、欧米ではさらに多くのステロイド外用薬が使用されています。また、日本では5gチューブが主流ですが、欧米の外用薬は50gや100gチューブが主流です()。日本と比較して、欧米の方が外用薬の使用量が多いのは、チューブサイズの違いが影響していると考えられます。
不安なお気持ちはよくわかります。しかし、自己判断で薬の量や塗る回数を減らすのは望ましくありません。
軽症の皮膚症状であれば、レダコートのような比較的作用の穏やかなステロイドで治療することが可能です。しかし、使用量や塗布回数を減らして症状が悪化すると、より強いランクのステロイド外用薬が必要になる場合もあります。
このようなリスクを避けるためにも、レダコートをしっかり患部に塗布してください。
なお、症状が落ち着けばステロイドの入っていない外用薬に変更することも可能になります。不安がある場合はご相談ください。
ステロイド外用薬ランク一覧|特定非営利活動法人日本アトピー協会
一般的に、軟膏やクリームは大人の人差し指の先から第一関節まで絞り出した量(約0.5g)で、だいたい手のひら2枚分の範囲に塗り広げられます。これを目安にして、1回の塗布量を決めてください。
なお、これだけの量を塗ると少しべたつくため不安を感じるかもしれませんが、塗りすぎではありませんのでご安心ください。塗布する量が少なすぎると十分な治療効果が得られず、症状が長引いたり、よりランクの強いステロイド外用薬での治療が必要になったりする場合もありますので、しっかり塗布することを心がけてください。